名古屋駅周辺のホームレス6割に精神疾患、対策は

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ホームレスの全員が男性で、平均年齢は57歳

名古屋駅周辺のホームレス6割に精神疾患、対策は

名古屋駅周辺で路上生活をするホームレスには、精神、知的障害がありながら十分な支援を受けていない人が相当数いるという調査結果が明らかになっています。

昨年の調査結果では、調査の対象となったホームレスは全員が「男性」で平均年齢は「57歳」。約60%の人に、精神疾患が認められました。症状としては、うつ病、依存症、気分障害、発達障害などです。

彼らがホームレスになった原因はわかりません。しかし、「60歳前後の男性」という特徴が挙げられます。ホームレスではなくても、これは社会問題とも言えることがあります。日本では、毎年約3万人もの人が自殺し、そのうち約1万人が60歳以上の男性なのです。

「喪失の時代」ともいわれる60歳以上の老年期の特徴として、以下のことが起こります。
・身体機能低下
・人間関係の減少
・社会との関係が薄くなる

しかし、視点を変えれば「人生の円熟期」。60年の歳月を積み重ねたその先には、何かしらあるのではないでしょうか。

公的就労支援団体が企業と連携して社会復帰を援助すべき

平成25年4月1日より障害者雇用促進法施行令が改正施行されました。法定雇用率は1.8%から2.0%に引き上げられ、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員規模56人以上から50人以上に変更となっています。精神疾患者も対象となりますので、そういった企業の雇用義務から公的就労支援団体が企業と連携してホームレスたちの社会復帰を援助すべきでしょう。

また、公共料金の割引や税金の控除・減免、手当の支給などを受けられる精神障害者福祉手帳に作成支援にも公的機関が携わり、現状を把握する必要性が感じられます。

散歩や植物、動物の世話は、精神疾患者にとって良い効果が

人は社会や誰かに必要とされることを求めます。そういったものが「喪失」したとき、人は興味や目標や熱意などを同時に失うのです。散歩や植物、動物の世話などは、精神疾患者にとって良い効果があるとされています。社会に復帰するまでは、街の花壇や街路樹の手入れなどに関わり、社会とのつながりを持つことで、自分が何かに必要とされていると感じられるかもしれません。

ホームレスの社会復帰には、本人の意志と社会の援助あってのことなのです。

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