「福島県では耐え難い疲労感と原因不明の鼻血に苦しむ人が大勢いる」『美味しんぼ』の内容に非難殺到
先週、主人公の山岡士郎とその父親の海原雄山が「真の和解」を行ったというニュースがヤフーのトップページにも掲載された小学館・ビッグコミックスピリッツで連載中の『美味しんぼ』。
4月28日発売のビッグコミックスピリッツ22・23合併号では、「福島県では、耐え難い疲労感と原因不明の鼻血に苦しむ人が大勢いる」といったような描写があり、現在ネット上で議論を呼んでいるようだ。
福島原発の取材から帰ってきた主人公の山岡士郎が原因不明の鼻血を出し、取材の後ひどく疲労感を感じるというセリフなどがあり、あの海原雄山も「私も鼻を噛んだら血が混じっていた」と語るなどしている内容。
作者の雁屋哲さんは以前、オーストラリアの生活情報サイト
(http://nichigopress.jp/interview/51415/[リンク])で
「取材から帰って夕食を食べている時に、突然鼻血が出て止まらなくなった」
「取材後にすごく疲労感を感じるようになった。取材に同行したスタッフも双葉町の村長も、鼻血と倦怠感に悩まされていました」
「『福島の食べ物を食べて応援しよう』というキャンペーンもありますが、これもどうかと思います」
といった発言をしており、かなり物議を醸した。今回、そのときの取材や体験を元に漫画化したものと思われる。
今週の「美味しんぼ」、福島から帰ってきた山岡さんが原因不明の鼻血を出し、海原雄山も出たと話をして、最後に井戸川さんが出てきてこの有様でした。
これは流石に福島県民として抗議の意を示したい。僕はこの三年間、鼻血なんか出たこと無いですが。 pic.twitter.com/Dx2EMfFSue
— 順一 (@jyunichidesita) 2014, 4月 28
『Twitter』上などでも「著しく風評被害を助長する内容だ」といった批判が多数みられる中、小学館はサイトに下記の文章を掲載した。
【スピリッツ22・23合併号掲載の「美味しんぼ」に関しまして】
スピリッツ22・23合併号掲載の「美味しんぼ」作中における、
鼻血や疲労感の表現は、綿密な取材に基づき、
作者の表現を尊重して掲載させていただきました。鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図は無く、
取材先の皆様の実体験や作者の実体験について、
作中登場の実在の医師に見解を問う展開となっております。また、風評被害を助長する内容ではないか、
とのご意見も頂戴しておりますが、そのような意図はなく、
すでに掲載済みの「美味しんぼ」作中でも、
きちんと検査が行われ、安全だと証明されている食品・食材を、
無理解のせいで買わないことは、
消費者にとっても損失であると述べております。ご理解いただきたく、何とぞよろしくお願いいたします。
小学館 ビッグコミックスピリッツ編集部
http://spi-net.jp/spi20140428.html[リンク]
「風評被害を助長するような意図はない」とのことだが、それで読者は納得するのだろうか、果たして……。
関連:福島帰りの山岡や雄山が鼻血 美味しんぼの描写に批判殺到
http://cureco.jp/view/162/[リンク]
※画像は『小学館』のサイトより
元インターネット雑誌編集者。 2013年5月よりガジェット通信にて記事を書いております、よろしくです。
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