ニュース短信 ヨーロッパはさらに温暖化防止から後退(中部大学教授 武田邦彦)
今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
※この記事は2014年01月26日に書かれたものです。
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ニュース短信 ヨーロッパはさらに温暖化防止から後退(中部大学教授 武田邦彦)
2014年1月22日にロンドンから伝えられたニュースによると、ロンドン市場の「CO2排出量の権利」は、2008年の4200円から、700円に急落した。日本は世界でもっとも温暖化防止に力を入れていたので、大損害を受けました。「温暖化が大変」と言っていた人は責任を取ってもらいたいぐらいです。
CO2の排出権は「世界の人がどのぐらい温暖化を重要に思っているか」ということの具体的な指標になる。
みんなが「あまりCO2を減らしても意味がない」と思えば値段が下がるし、「どうしてもCO2を減らさなければならない」と考えると値段が上がる。それがなぜ、こんなに急落しているのだろう。理由は4つある。
1)世界の気温が上がっていないから、
2)寒いから
3)現在の地球が氷河時代であることがみんなが知ってきた
4)地球温暖化を言いだした25年たってもアメリカが1回もCO2を削減しないから
などである。
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世界の気温が上がっていないのは、2013年に渡辺正先生が北海道新聞に掲載したこのグラフでも良く分かるが、ここ15年、世界の気温はまったく上がっていない。気象予報士の多くはこのデータを言わないが、もし「温暖化」が話題になった時には「15年は気温が上がっていない」ということを一言言わなければ詐欺師の部類になってしまうので、注意を要する。
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第二に、寒いことだ。これは全世界的にそうで、アメリカ、日本、ヨーロッパ、南極が特に寒い。この写真はノルウェーの海が凍って、海の中のサカナも一緒に冷凍されてしまったもので、寒波は相当なものだ。
もともと「地球温暖化」というのはどこかが暖かくなったり、寒くなったりするのを言うのではないので、「地球の平均気温が同じだから、温暖化も寒冷化もしていない」というのが正しいが、やはりこのぐらい寒くなると心理的な影響もでる。
日本ではこの寒波を温暖化の原因としているが、そんなことは南極など全世界的な現象を全く説明できないから、単なる政治的な動きでしかない。気象関係者はもっと社会に事実を発信しなければ、国際的にも、取引でも大きな損害を与えることになる。
執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年02月03日時点のものです。
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