老化の速度をおさえるカギは「入れる」と「出す」

老化の速度をおさえるカギは「入れる」と「出す」
 髪に白髪が混じっってきたり、体力の回復が遅くなったり・・・誰もがいつか訪れるのが老化だ。
 それでも、人は老いていくというのは当たり前のこと。しかし、もし、老化を病気ととらえるとしたら、この当たり前のことは覆されることになる。

 『老化は治せる』(後藤眞/著、集英社/刊)では、炎症と老化の関係に早くから着目し、早老症、老年症などを治療・研究してきた後藤眞氏が、最新の不老学、老化を治して若返るための生活術を解説する。

 炎症が老化を促進するという理論が本書では唱えられている。
 炎症とは「赤くなる」「熱くなる」「腫れる」「痛みが出る」の4つの条件を備えている場合に、その診断が下される。では、余計な炎症をなるべく起こさないようにするためには、日常生活でどのようなことに気をつければいいのだろうか。

 老化の速度を少しでも遅らせたい場合、家庭内で手軽にできる方法は何か。そのキーワードとなるのが「入れる」と「出す」だ。
 「入れる」とは、口に入ってくるものを指す。毎日の食事や水分、アルコール、薬、サプリメント、喫煙などがそれにあたる。「出す」は、排泄のこと。排便、排尿、発汗は、不要になった排泄物を肛門、尿道、毛穴などの穴から体外に排出することで、体調を調節してくれる大切な行為や現象だ。
 「入れる」ほうの調節、すなわち食生活の改善では、「少食」を実践することが長命の秘訣という考え方が広まっている。食べすぎればメタボになって、動脈硬化症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病に苦しむことになる。少食こそが、健康長寿の近道といえるのだ。「出す」ほうでいうと、便秘は健康の敵ということ。断続的な便秘を抱えていると、生活全体に悪影響を与える。新陳代謝を阻害するだけでなく、臓器を痛めるし、さらに心身ともに強いストレスをこうむって、なんらかの炎症を引き起こす可能性が高まる。

 歳をとっても健康でいたいというのは誰もが願うところ。老化は病気であり、治療の対象となるのなら、年老いても健康でいることができる。そういう可能性を垣間見ることのできる1冊だ。
(新刊JP編集部)



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