auのスマートフォン『isai』は専用機並みのハイレゾオーディオに注目 高音質配信のOTOTOYにその音質を評価してもらった

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auのスマートフォン『isai』は専用機並みのハイレゾオーディオに注目 高音質配信のOTOTOYにその音質を評価してもらった

11月下旬に発売が予定されている、au冬モデルのAndroidスマートフォン『isai』。KDDIとLGエレクトロニクスが共同開発したモデルで、スマートフォンとしての基本性能の高さはもちろんのこと、実はハイレゾ音源の再生機能を搭載しているのがポイント。今回は『isai』のハイレゾオーディオ機能に注目して、高音質の音楽配信サービスを手がけるOTOTOY協力のもとレビューを実施。ハイレゾ音源により音質を評価していただきました。

ハイレゾ音源の再生に対応

ディスプレー面 背面

『isai』は5.2インチ、フルHDの狭額縁ディスプレー、2.3GHzのクアッドコアCPU、OSにAndroid 4.2を搭載するハイエンドスマートフォン。ハイレゾ対応『ウォークマン』と同等の、24bit/192kHzのハイレゾ音源再生に対応しています。

「ハイレゾ」とは「High Resolution(高解像)」から呼び名がついた、CDの16bit/44.1kHzを超える高音質の音源のこと。最近ではインターネット上の音楽配信サービスでも、アナログ音源に近い最高音質のDSD(Direct Stream Digital)形式、PCM(Pulse Code Modulation)で高音質の24bit/192kHz、24bit/96kHzといった音源が入手できるようになりました。

OTOTOYオフィス

音楽配信サービス『OTOTOY』は、CDの128倍となる5.6648MHzのDSD音源配信を手がけています。『isai』に対応する24bit/192kHzに変換した音源を用意していただき、OTOTOYオフィスでレビューを実施しました。

ヘッドホンで明らかに分かる音質の違い

河村祐介さん

今回取材に協力いいただいたのは、OTOTOY編集スタッフの河村祐介さん。日常的に高音質の音源に触れている河村さんの耳に、『isai』の音はどのように聞こえるのでしょうか。

まずはヘッドホンで24bit/192kHzの音源を聴いてもらい、音質を評価していただくことに。「高音部の音が出ているので、中音域のボーカルとの間にいい空間が開きますね。透明感が如実にある気がします」という第一印象。

『OTOTOY』でDSD配信している音源を、CD音質と24bit/192kHzに変換した高音質で聴き比べてもらいました。キセルの『春』は、銭湯で録音したというユニークな音源。こちらは「お風呂屋さんで録ったのでリバーブの効果がかかっているんですが、ただのこだまじゃなくて細かい反響が聞こえます。CDだとべったりした印象になるので、全然違いますね」。

キャンプ場の野外で録音したというバンバンバザールの『アーリーバード』を聴いてみると、「CDは小さくまとまる感じなのですが、ハイレゾは音が前に出てきますね。“音がない部分”も録音できているというか、間(ま)みたいなものも合わせて入っている印象です」と評価。

竹中直純さん

OTOTOY代表取締役の竹中直純さんが通りかかったので、竹中さんにもヘッドホンで試聴していただきました。「MP3だとほぼ聞こえない音もしっかり入っていますね。よく御簾(みす)がかかってると言うんですが、MP3だと幕が1枚かかっているように聞こえる。ハイレゾだとそれが取れるんですよね」と音質を評価していました。

スピーカーでも手軽にハイレゾ音源が楽しめる

スピーカーで再生 ケーブルでつないだだけ

続いて、スピーカーで『isai』の音を聴いてみることに。『isai』のイヤホンジャックにケーブルを挿してアンプにつなぐだけで、ハイレゾ音源をスピーカーで再生できます。

「『isai』は音の抜けがいいですね」と河村さん。同じ周波数の音源なら「パソコンのハイレゾ再生環境と比べて遜色(そんしょく)は一切ないです」とのこと。

パソコンでのハイレゾ再生環境

ちなみに、パソコンでハイレゾ音源を再生する場合、一般にはUSB DAC機器をパソコンに接続してDAC経由でアンプに接続する環境を使用します。ケーブル1本でつなげてハイレゾ音源を楽しめる『isai』の手軽さは魅力的。

たとえば自宅では最高音質のDSDで音源を楽しんで、外に持ち出す際には24bit/192kHzに変換した音でモバイルの最高音質を楽しむ、という使い分けができそう。24bit/192kHzの音源はまだ流通が少なく、『e-onkyo music』などで入手することができますが、KORGの無料ソフト『AudioGate』などでDSDからの変換が可能です。

専用機に迫る機能で進化するスマートフォンの世界

ハイエンドのAndroidスマートフォンは5インチ以上の大画面、クアッドコアCPU搭載と機能の差が出にくくなってきていますが、コンパクトデジタルカメラ並みのカメラ機能を備えた『Xperia Z1』や『ウォークマン』並みのオーディオ機能を備えた今回の『isai』の登場など、専用機の機能を取り込んで差別化を図るトレンドが見えてきます。

専用機とスマートフォンを持ち歩くなら、スマートフォン1台で済ませたいという人は多いはず。今のところあまり目立って訴求されていない『isai』のオーディオ機能は、今後音楽ファンにどのように受け入れられていくのか注目していきたいと思います。

『isai』
http://www.au.kddi.com/mobile/product/smartphone/lgl22/

取材協力:OTOTOY
http://ototoy.jp/[リンク]

レビュー使用音源:
キセル『春』
http://ototoy.jp/feature/20130520

バンバンバザール『アーリーバード』
http://ototoy.jp/feature/20131017

河村祐介プロフィール:
1981年生まれ。2004年から2009年にクラブ・ミュージック専門誌『remix』編集部に所属し、編集/ライターとして活動。その後はふらふ らとフリー・ライター、LIQUIDROOM勤務などを経て、現在はOTOTOY編集部にてダンス・ミュージック、DSDを含めたハイレゾ機材の記事などを担当。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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