鳩山政権の誰が悪いか
支持率が低下する鳩山内閣。報道を見るたび、迷走しているようで不安が増してきます。選んだのは私達なんですけどね。今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
鳩山政権の誰が悪いか
まあ鳩山総理のリーダーシップがないのは遙か昔から分っていたことだから、いまさら言うまでもないこと。それを承知で小沢を引きずり下ろし鳩山を代表に据え、鳩山総理を誕生させたはずなんだけどね、国民も民主党議員も。
それなのに藤井財相も渡部恒三も、小沢は部下として扱い鳩山が主導権を握るべきだと、鳩山内閣発足から言い続けてきた。バカかと思う。鳩山にその能力がないのに、無い物ねだりばかりして小沢批判を繰り返してきた。現実を見ていないのだろう。あるいは自分たちの利害の都合で小沢の力を抑えたいだけなのだろう。
小沢なら自分たちの出る幕はないが、鳩山なら自分たちの意見をねじ込む余地がある、と。その結果確かにその通りになった。様々な人間の意見に振り回されて鳩山は右往左往。そのあげく民主党政権が揺らいでは元も子もないと思うのだが、民主党議員たちは党や国より自分個人の方が大事なのだ。
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まあそういう話を今更しても仕方ない。もう少し現実的な話。鳩山の話では「国民の皆さんの思いを大事にしたい」というフレーズがよく出てくる。心地よいフレーズだけれど、問題は”国民の思い”がそもそもバラバラだという点。沖縄の基地にせよ八ッ場ダムにせよ子ども手当にせよ、それぞれ立場が違えば”思い”も違う。互いに矛盾し合う”国民の思い”を鳩山はどう大事にするのか?それは最終的に一番声の大きい”思い”を見定めて、それに迎合するということなのだろう。そして鳩山はそれが正しいと心から信じているっぽい。でもそれって典型的な衆愚政治じゃないの?と。
正しい政策なら少数意見でも採用し、多数意見に逆らっても断行しなければならない。小泉は自衛隊の海外派兵や郵政民営化など、小泉以前はむしろ少数派だった政策を断行した。小泉が少数派の意見を多数派に変えたわけだ。要するにそういうことができない点が”鳩山は指導力がない”という理由だろう。
いかに鳩山に総理の資質がないとしても、現実的に総理になってしまった以上は、今更退陣されては困る。内心は小沢に総理になってもらいたいけれど、そんなことをしたらますます民主党の支持率が減るだろう。では鳩山総理のままどうすればよいか?今更鳩山が一夜にして総理の資質を身につけるなどありえないのだから、周りが配慮するしかない。
鳩山内閣はそれぞれの閣僚がバラバラだという批判がある。その通りなのだが、じゃあどうするか?だ。それぞれの閣僚が意見をいうのは悪いとは思わない。鳩山が上意下達的に自分では決定できないのだからしかたない。ボトムアップで様々な意見が錯綜(さくそう)する中、その流れを見極めて、鳩山が最終判断をするしかない。このやり方がベストとは思わないが、鳩山にはそれしかできないのだからしょうがないじゃないか。ではなぜそれが国民に不評なのか?それはそれぞれの閣僚の意見が政府の公式見解に見え、結果として政府の見解が二転三転してみえる点だ。
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だからそれぞれの閣僚が自分の意見を述べた後、「自分はこう思うが、政府としてはまだ検討中で、最終的に鳩山総理の判断を仰ぐ」と一言付け加えれば、国民に与える印象は180度変わると思うんだよね。国民はわがままだ。決定結果だけを知らせると「密室政治だ」と批判するし、決定途上の百家争鳴の状態をそのまま見せると「混乱している」「リーダーシップがない」と批判する。どっちにしろ批判するわけだ。
俺(おれ)は個人的には密室政治でいいと思う。政治には高度な利害調整が必要で、そんなものをすべて国民に露わにできるわけないのだから。つまり小沢タイプの政治が正しいと思う。しかし鳩山にそういうタイプの政治は向いていないようだ。ならば百家争鳴の混乱状態を”混乱状態に見せない”工夫をする方向を模索するしかない。それが各閣僚が語尾に「最終的に鳩山総理の判断を仰ぐ」と一言付け加えることだ。
これなら有能な閣僚が様々な意見を持ち、それを鳩山が集約しているという形になる。子供だましのような気もするけれど、何かと”印象”に流される国民相手には、いい方法だと思うけどね。
執筆: この記事はメカAGさんのブログより寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信
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