会見が終わると廊下にダッシュ!稲田大臣会見で見た靖国問題が作られる現場

2013年8月15日稲田大臣閣議後会見

2013年8月15日の終戦記念日での稲田朋美内閣府特命担当大臣の記者会見は、自身の靖国神社参拝の動向に関する質問に終始。結果的に全国戦没者追悼式に閣僚として出席した後、自民党有志議員で構成される伝統と創造の会の会長として参拝することになりましたが、会見の場では「自分の国のために命を捧げた方々に対して感謝と敬意、追悼の意を表することは、主権国家の国民ならば許されている」と述べ、最後まで明言は避ける形になっていました。

※詳細な大臣発言・質問・議事録は、内閣府ホームページにてご確認下さい。

※参考 稲田朋美内閣府特命担当大臣 閣議後定例記者会見(8月15日) ‐ ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/1376565356 [リンク]

自民党の中でも保守系と見られている稲田大臣の会見では、以前より参拝の動向に関する質問がされていました。その返答も主権国家の権利と、「安倍内閣の一員として適切に判断する」というものを繰り返し、それがテンプレのやり取りとなっていました。

会見後の模様

15日の会見の終了後には大手新聞社・テレビ局所属記者が、大臣が出るのを待って一斉にPCや荷物を置いて退出。発言内容を電話で報告していました。各社の報道を見ると「参拝の意向を示す」となっており会見で表明したような印象を受けますが、実際は「適切に判断する」という発言をそのように捉えることには賛否両論があるのではないでしょうか。
また、午前中には新藤義孝総務相と古屋圭司国家公安委員長の二閣僚が既に参拝しているのですが、各メディアの注目が稲田大臣に集中していたことにも注意を払う必要があります。安倍総理に思想信条が近い立場だと見なされている側面の他に、失点が狙いやすいという見方もできるかもしれません。

靖国問題に限らず、大手メディアが力を入れているトピックの場合、各閣僚の発言についてのすり合わせを各記者がしている模様を見ることが出来ます。各閣僚の不一致を突くのも報道機関の役割の一つですが、各社横並びで同じ情報を追いかけている構図がニュースの硬直化を招いているのでは、と疑問になります。

今回、大臣会見の外側の様子を簡単に紹介しましたが、これからも各閣僚の発言内容だけでなく会見自体の様子についてもレポートしていきたいと考えております。より多様な視点を提示・提供できるようにして参りますので、今後も『ネット政治ブロマガ』にご期待下さい!

ネット政治ブロマガ(ガジェット通信) – ニコニコチャンネル
http://ch.nicovideo.jp/seiji [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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