バルス祭りに見る「バズる仕組み作り」

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「バルス」が秒間ツイート数の世界記録更新

バルス祭りに見る「バズる仕組み作り」

8月2日23時21分50秒、秒間ツイート数の世界記録が更新されました。日本テレビ系列 金曜ロードSHOW!「天空の城ラピュタ」の放送中、主人公が滅びの呪文「バルス」を唱えた時間です。前回、2011年12月放送時の世界記録(2万5088件)が今年1月1日「あけおめ」(3万3388件)に抜かれ、再度記録更新が達成できるかが一部のファンの間で注目されていましたが、結果は14万3199件と大幅に記録を更新しました。

高視聴率だけではない「バルス祭り」の効果

ビデオリサーチの調査によると、今回放送の平均視聴率は18.5%を記録。前回放送の15.9%より2.6%上回りました。ただ、「バルス祭り」の効果は、視聴率を押し上げただけではありません。ソーシャルメディア上では放送前から「バルス祭り」と題した参加呼びかけの投稿であふれ、ファンや一般視聴者だけではなく、企業や著名人、そして「バルス」が何なのかを知らないTwitterユーザーにまでも広がったことで、秒間14万超のツイートにつながりました。注目すべきことは「バルス」を知らないユーザーにまで影響を与えたということです。「バルス」を知らなかったユーザーが「天空の城ラピュタ」を初めて知ったり、改めて作品の魅力に気付いたりして、DVDやグッズを購入した可能性は十分に考えられます。

バズる仕組み作り(バズマーケティング)のポイント

Twitter上に特定のキーワードがあふれる現象を「バズる」といったりします。「バルス祭り」では「バルスがバズる」現象が起きたわけです。では、どうすればバズる仕組みを作ることができるのでしょう?ポイントは「拡散力のあるメディア」と「話題性のあるコンテンツ」を持つことです。

メディアは時代とともに移り変わっています。映画からテレビ、そしてソーシャルメディアへ。ソーシャルメディアが誕生し普及したことで、どの企業も 「拡散力のあるメディア」を持つことができるようになったといえるでしょう。継続的にコンテンツを発信することが必要です。

「話題性のあるコンテンツ」については、「天空の城ラピュタ」の制作費に目が行ってしまうと、多くの企業が「簡単に作ることはできない」と諦めざるをえないかもしれません。しかし、「バルス祭り」は初めから想定されていたことではなく自然発生的に起こったことです。たびたびソーシャルメディア上でさまざまなことが話題になりますが、決して制作費が高いコンテンツだけではありません。優れたコンテンツであれば、ユーザーが話題性を発掘してくれます。そして、そのようなコンテンツは時代やメディアが変わっても話題性が衰えません。約30年前に公開された「天空の城ラピュタ」が、いまだに人々を惹きつけるように。

物語の中でムスカ大佐が「ラピュタは滅びぬ、何度でも蘇るさ!」と言っています。「天空の城ラピュタ」は、まさに何度でも蘇る優れたコンテンツだと思います。そこに、バズるヒントが見つかるかもしれません。

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