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「昔の日本はベンチャー気質に溢れていた」

「昔の日本はベンチャー気質に溢れていた」
 『すべてが見えてくる飛躍の法則』(アスペクト/刊)の著者である石原明さんの対談連載“人称対談”第四回は、Terra Motors株式会社代表取締役の徳重徹氏をお迎えして行われた。

 徳重は会社を立ち上げた当初から、グローバル市場で戦うことを念頭に事業を展開。電動バイク、電動シニアカー市場で設立から2年で販売台数4000台を達成しているほか、ベトナムやフィリピンなどアジア各国にも進出の足掛かりをつくっている。
 ベンチャー気質溢れる徳重氏と石原さんはどんな対談を行ったのか? 対談後編はベンチャー気質に溢れていたかつての日本に想いを馳せます!
(以下敬称略)

 ◇   ◇   ◇

石原「僕が新卒で勤めたのがヤマハ発動機だったんですよ(笑)。昔のヤマハってとても面白い企業で、新卒入社が250人くらいいたんだけど、上司や会社の言うことを聞くやつはほとんどいなかったんですよ(笑)で、どんどんやっちゃうんです。刺激的でしたよ」

徳重「そうなんですよね。昔はどの大企業にもベンチャーの気質があったように思います。例えば、ANA(全日本空輸)の前身って、日本ヘリコプター輸送っていって、第二次世界大戦後にパイロットの雇用をつくるために設立されて、農薬散布をしていたんですよ。
今ではLCC(格安航空会社)をつくるだけでも議論の的になるのに、当時JAL(日本航空)があったところにANAが成長したわけですからね。昔は意外とそういう話が多いんですよ 」

石原「今は凝り固まってしまっていましたよね。柔軟性がないというか、人間が小さくなっちゃっています。自分のことしか見てない人が多いですよ。でも、みんな自分のことしか見ていないから、世の中隙だらけなんです。ちょっと視点を高くしてみてみると、困っている人がたくさんいて、そこにチャンスがあるんですよね」

徳重「いや、まさしくおっしゃる通りですよ」

石原「僕の本でいえば、目線が高ければ高いほど人称が上がるということなんです。つまり、人称の高い人は広い視野で物事を見ていて、世の中の課題や向かうべき未来の姿がちゃんと分かっています。だから、常に世の中に様々な価値を提供できるんですよ。自分の会社の利益しか見えていない人は、人称を高くすることは難しいです。
僕はコンサルタントとして、人称の高い経営者をたくさん育てたいと思っていますから、利益を上げることばかり考えている経営者は、僕はコンサルしません(笑) 」

■「僕は野茂英雄みたいになりたい」

石原「この対談の前にね、いろんな方に徳重さんってどんな人か聞いたんですよ。そうしたら、『人を惹きつける人』ってみんな言うんです。ここまで話をしてきて、その通りだなと思いました。日本の技術を世界に、っていう熱い想いが伝わってくるんですよ。これがベンチャーの熱さですね。
ところで徳重さんは“メガベンチャー”って言葉を使っていますけど、どのくらいの規模の企業のことを言っているんですか?」

徳重「“メガベンチャー”は僕が勝手に使っている言葉なんですけど(笑)、売上は1000億円くらいですね」

石原「テラモーターズはアジアを中心にビジネスを進めていますけど、どうやって世界にマーケットを広げていこうと思っているんですか?」

徳重「それは、まず僕がジャングルみたいなところに入り込んでいきます」

石原「ジャングルですか!(笑)雰囲気はすごくスマートなのにそんな言葉が出てくるなんて」

徳重「ベトナムやタイですからね。ちょっと奥に入ると、何が出てくるか分からないようなところなんで(笑)そこに6回くらい足しげく通って、ここならEVの需要があるなと目星をつけます。そこで、うちの会社の若手を投入して、引き継ぐんですよ」

石原「え、じゃあそれまでは徳重さん一人なんですか?」

徳重「そうです。そうすることで、うちの若手にとっても0からのスタートじゃないし、僕にとっても、後々スタッフから問題の報告が上がってきたときに状況が分かりやすいんですよ。ちょっといって現地のお姉ちゃんと遊んだだけじゃ何も分かりませんよ(笑)。
徹底的にその地域のデータを分析して、専門家にも会いに行きますし、アポイントもちゃんと取ります。しかもかなりスピードで」

石原「6回も通うっていうのもすごい。そこではやっぱり熱意が大事なんですよね。そうすると社員も成長が速いんじゃないですか?」

徳重「そうですね。ものすごく成長すると思いますよ。日本人は世界じゃ通用しないとか言われているけど、そんなことないです。おかれている環境や、企業の育て方によって変わりますから。通用しないっていうのは教育が悪いからでしょうね。うちの会社はどんどん任せますから、個人がものすごく伸びますよ」

石原「確かに任せれば任せるほど、目線は高くなっていきますよね」

徳重「僕は野茂英雄みたくなりたいんです。彼は日本人メジャーリーガーのパイオニアですけど、年俸がガタ落ちしてでも渡米しました。これってベンチャーですよね。一人が成功すれば、自分もできると思う。つまり、みんなの目線が高くなるんです。ただ、残念なことに日本のベンチャーではそれが起こっていないんですよね。
現地の人も、商談が決まるときには『お前の熱意が気に入ったよ』っていう人が多いんです。そういう熱意を、大企業のエリートたちは忘れていると思いますね」

石原「なるほどね。いやあ、これだけ熱いと肩入れしたくなりますよ(笑)お前が日本のビジネスパーソンの代表だぞってことなんでしょうね。こんなベンチャー気質をもった経営者、いますか? 昔はたくさんいたと思うんですよ。みんなベンチャー気質だった。だからあれだけの経済成長が達成できたわけですからね」

徳重「そうですよね。だから僕の考えもむちゃくちゃではないはずです(笑)」

石原「面白いお話をうかがうことができました。これを読んでいる人は、こんな風にがむしゃらにやることで成長できることを頭に入れて、今のスタイルを考え直してみてくださいね!」

(了)



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