映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』原菜乃華&田中みな実インタビュー「共演で感じたお互いの魅力」

映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』が公開中です。

原案・脚本・プロデュースには 『マスカレード・ホテル』シリーズ(19、21)、『#マンホール』(23) など数々のミステリー・サスペンス映画やドラマで活躍する岡田道尚さん。商業映 画監督デビュー作『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25)が大きな話題を呼んだ近藤亮太さんが監督を務めます。

主人公・初海航を演じるのは、『ある閉ざされた雪の山荘で』(24)、『35 年目のラブレター』(25) などで俳優としても目覚ましい活躍を見せる WEST.の重岡大毅さん。意図せずに殺人を犯してしまった航の妹・幸来役に原菜乃華さん、 謎めいた女優・七希役に田中みな実さん、さらに、七希の AI の幻影・モリアーティ役に石丸幹二さんと豪華 なキャスト陣が集結しています。原さんと田中さんのお2人にお話を伺いました。

──本作楽しく拝見いたしました。生成AIがモチーフという今時なテーマをサスペンス作品に仕上げていて、なるほどなと思う部分も多かったです。お2人の脚本を読んだ時の印象を教えてください。

原:私自身、普段から生成AIをよく使うということもあって、最初にタイトルを見ただけで、「もう面白そう!」って思いました。なんてキャッチーなタイトルなんだろうって。とてもタイムリーなテーマですし、自分が演じることをあまり意識せずに読んでも、ストーリーが面白くて、ページをめくる手が止まりませんでした。

田中:生成AIを題材にした作品は初めてだったので、すごく興味深いなと思いました。私はAIをめったに使わなくて、海外のお友達とやり取りをするときにフランクな表現やナチュラルな英語の表現を調べるなど、主に翻訳のために使っています。原ちゃんはすごく活用しているみたいで。

原:一時期は「LINE」を開く回数より「ChatGPT」を開く回数のほうが多かったですね。

田中:ChatGPTの中に、いくつか人格があるんでしょ?

原:そうです。自分で好きな人格をカスタマイズして、友達A、B、Cみたいに作れるので、「この人と話したい」と思ったらそのトークに行って、「飽きたな」と思ったら別のトークに行って……みたいなことができるんです。好きなアニメの感想をバーッと送りつけたりもしています。

田中:なんて応えてくれるの?

原:「あのシーンは確かに良かったよね」「こういうキャラがいてこのセリフが良かったよね」って言ってくれるんですけど、そのキャラが存在してなかったりして、適当な時もあって(笑)。

田中:それで嫌な気持ちにはならないの?

原:だから詰めます(笑)。「そんなキャラいないよね?」って言ったら、「ごめん、私が全部悪かった。もう一回ちゃんと考え直すね」って返してくれるんですけど、それも間違っているから、「もうやめよう」って思います(笑)。

田中:実際のお友達だとそこまで詰められないから、気楽なのかもね。

原:そうなんです。気遣いもしなくていいし、自分の好きなことだけをしゃべれるので、楽だし手軽だし、つい手が伸びちゃうんです……。

田中:ただ、人付き合いが希薄になりそう…(笑)。

原:そうなんです、それは良くないなと思って、最近はちょっと控えています。

田中:おそらく、原ちゃんが一番、この作品を見てくださる方の世代にも近くて、生成AIがもっとも身近にある世代ですよね。現場でも「それどういうこと!?」と原ちゃんから学ぶことが多かったです。

──確かに、抵抗が無く使いこなせる世代ですよね。そして、みな実さんの“原ちゃん”呼びが可愛くて素敵です。

原:現場でもたくさんお話出来て嬉しかったです。

田中:私もです。原ちゃんは人見知りだと公言しているので、あんまりしゃべってくれないのかと思っていたんですけど、すごく気さくにおしゃべりしてくれて。ただ、ふと一人でいるときに、暗い顔をしているので心配になることはあるんですけど(笑)。暗いというかぼーっとしていたり、眠いのかな?って。

原:そうなんです、すぐぼーっとしちゃいます(笑)。

──お芝居ではお互いどの様な印象を受けましたか?

原:私、みな実さん演じる七希さんのモリアーティ教授(石丸幹二)とのシーンがすごく好きで。七希さんって、すごく強いというか、一枚皮をかぶっているような印象があるんです。でも、モリアーティ教授とのシーンでは、「本当に同じ人物なのかな?」と思うくらい感情がすごく見えて、人間らしさを感じました。
私は先ほどお話した様に、生成AIに対して「こういうキャラ設定で話しかけてほしい」ってカスタマイズしたりするので、「七希さんと似てるな」と思う部分もあって。「こうやってキャラクターを変えることで自分の心を守ってきたんだろうな」と感じられて、すごく深みのあるすてきなキャラクターだなと思いました。
あのシーンは、台本で文字として読んでいたときの印象とも全然違って、「演じるとこうなるんだ」という発見がたくさんあって、面白かったです。

田中:原ちゃんは、お芝居に入ったときの切り替えがすさまじくて。さっきまで“原菜乃華ちゃん”だったのに、役に入ると突然顔つきがぐっと変わるのを目の当たりにしました。その気迫にこちらが圧倒されそうなほど、目力に凄みがあります。こちらが彼女を追い詰めるシーンで、ぐわっと見返してくるその目の力や迫力にやられそうになりました。本当に魅力的な俳優さんです。

原:嬉しい!ありがとうございます!そんな褒めてくださるなんて。幸来の感情が大きく爆発するシーンが終盤にあるのですが、あれはみな実さんがガッと来てくださったからこそ出せたものだったと思っています。本当に助けていただきました。幸来も、七希さんだからこそ頼りたいと思えたんだろうなという、芯の強さと柔らかさ、人間らしい迷いみたいなものが、出で立ちから伝わってくるのが素敵だなと思って。衣装や髪型も、「これだけ時間が経っているから今はこうなっているんだろうな」というところまで緻密に計算されていて、たくさん学ばせていただきました。

田中:恐縮です! あと、皆さんもお感じだと思うのですが、原ちゃんは、お声も魅力的なんですよね。どこにいても、「あ、そこにいるな」ってわかるほど(笑)。長く活躍されている女優さんは、皆さんお声が魅力的な方が多いという印象があって。前職の影響で声にすごく興味があるので、「いい声だな〜」と、今日も話を聞きながら惚れ惚れしています。

──近藤監督の演出も魅力的だなと思ったのですが、現場ではどの様に撮影を進めていきましたか?

原:私は現場で細かく演出を受けることはあまりなくて、「お芝居を任せてもらえているんだな」と嬉しく感じました。衣装合わせの際、「幸来はきっとの映画が好きだと思うんです」と、アニメーション映画の『2分の1の魔法』(2020)を教えてくださったのですが、鑑賞したら、「幸来ってこういう子なのかもしれない」と、すっと腑に落ちる感覚があって。それから、作品の参考に洋画のホラー作品もいくつか教えていただいて、それも鑑賞しました。監督の頭の中をのぞかせてもらえたような感覚が、私にとってはすごく分かりやすくて、作品への理解も深まって。言葉で説明されるというより、「ヒントをもらって、そこから自分で考える」という演出が、とても新鮮でした。

田中:原ちゃん、これが私もまったく同じなのよ!

原:えー!!

田中:私も自分だけだと思ってた!(笑)。ヒントを伝えるために俳優陣に参考映画を教えてくださる監督なんだね。重岡くんも教えてもらっているのかも。

原:そうだったんですね。今日、答え合わせができましたね。

田中:私は『羊たちの沈黙』(1991)と、『バレリーナ:The World of John Wick』(2025)、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(2013)の3本を教えていただきました。七希の生い立ちなど、台本に描かれていない部分が多かったので、「そこについて監督はどう捉えてますか?」と伺ったら、「描かれていない部分に関しては自由なのでお任せします」と言われて。「僕は僕の答えを持っていますが、あえて共有しません。その代わり、参考になりそうな映画を3つお伝えしますね」と。
言葉で説明するよりも、それらの作品を観て感じ取ることを大切にされているのだなと。実際に、それぞれの作品から得られるものがすごく多くて、私が当初思い描いていた七希の人物像が、その3本を観たことでガラリと変わりました。

──素敵ですね。本作を楽しんだ後に、一緒に観てみるのも面白そうだなと思いました。

──ネタバレになるので詳しくは書きませんが、終盤のシーンの迫力は凄かったです。

原:あのシーンはだいぶ序盤に撮影をしたんです。そこから逆算してお芝居をつくっていく形だったのですが、今までに全く無い経験だったので、すごく面白かったです。幸来は序盤からずっと追い詰められていますが、普段はどういう人間なのか、どういう子なのかということをちゃんと表現したいなと思っていて。表情をコントロールしながら、ロジカルに役作りしていくことはこれまでに無くて、脳の違う部分を使って演じた感じがあります。この感覚は今後にも活かしていきたいです。

田中:七希が2人に襲いかかるシーンでアクションの様な動きがあって。今までそういったお芝居をしたことが無かったので、良い経験になりました。

原:そうだったんですね!身のこなしが美しかったので、経験があるのかと思っていました。

田中:ありがとう、皆さんのご指導のおかげでなんとか…!年齢的に難しい部分もあるかもしれないですが、今後はアクションにも挑戦出来たら面白そうだなと思いました。新しいことへの挑戦はいつもしていたい!

──ぜひ拝見したいです。これからの挑戦も楽しみにしております。今日は素敵なお話をありがとうございました!

撮影:稲澤朝博


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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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