はま寿司が洋風ラーメンでも大ブレイク!「あさりとチーズのトマトラーメン」が最高に旨い

全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター、井手隊長です。

回転寿司チェーンのラーメンに、私はずっと注目している。
なかでも、かなり高い研究力を感じさせてくれるのが「はま寿司」だ。回転寿司なのだから寿司が主役なのは当然なのだが、ラーメンについても専門店顔負けのこだわりを見せてくる。もはや回転寿司にラーメンがあること自体が珍しくなくなったが、その土壌を作ってきた店の一つが、はま寿司だと思っている。

そんな、はま寿司から8月19日に登場したのが「あさりとチーズのトマトラーメン」

今回は、ついに洋風ラーメンに挑戦してきた。
寿司とトマトラーメン。文字だけを見ると、かなり遠い組み合わせに思える。しかし、こうした一見すると接点のなさそうなものを、しれっと一つの商品として成立させてしまうのが、はま寿司の面白いところだ。

まずスープをひと口飲んで、思わずニヤリとしてしまった。何よりも強烈なのが、あさりのダシ感である。
トマトラーメンということで、当然ながらトマトの味わいを想像していたのだが、最初にグッと押し寄せてくるのは、トマトではなくあさり。貝の旨みがしっかりと舌に乗ってくる。

実は、はま寿司は以前から「日本人がどう旨みを感じるか」という部分にかなり敏感なチェーンだと思っている。卓上に複数の醤油を用意するなど、寿司そのものだけでなく、調味料やダシを含めた「旨みの設計」にこだわってきた。

だからこそ、このあさりダシ爆発のチューニングには、思わず「なるほど、そう来たか」と唸らされる。

今回のラーメンは、鶏と豚をベースに、あさり、はまぐり、鰹、鯖など6種類の魚介ダシを使用しているという。
開発担当者によれば、当初は「イタリアン風のラーメン」を目指し、夏に販売するラーメンとして、見た目にもインパクトのある赤いトマトをベースに、アラビアータ、ボンゴレロッソ、アマトリチャーナなどのパスタソースとラーメンスープを組み合わせる試作からスタートしたそう。

ところが、ここで面白い問題にぶつかる。パスタソースをそのまま中華麺に合わせると、パスタソースの良さも、中華麺の良さも半減してしまったという。

そこで方向転換。トマトソースが入っていなくても美味しく食べられる、しっかりとしたラーメンスープをまず作り、そこにトマトソースや香味野菜のオイルを合わせて仕上げることにした。

この発想が、完成した一杯を食べるとよく分かる。
確かにトマトはいる。しかし、いわゆるトマト味のパスタを食べている感覚とはまったく違う。あさりを中心とした魚介のダシが土台にあり、その後からトマトのほのかな酸味が追いかけてくる。トマトの存在感を前面に出しすぎないことで、あくまで「ラーメン」として成立させているのだ。

そして、食べ進めていくうちに効いてくるのがチーズ。
最初から強烈にチーズを感じるというより、徐々にスープへ溶け込んでいき、後半になるほどコクとまろやかさが増していく。これも実に巧い。あさりの強い旨み、トマトの酸味、チーズのコク。食べ進めるごとに味わいの表情が変化していくので、最後まで飽きない。
麺は細めのストレート麺。ややかために茹で上げられていて、細麺ながらしっかりと存在感がある。

寿司屋でトマトラーメン。冷静に考えると、かなり大胆な組み合わせである。
しかし、食べてみると「なぜ寿司屋でこんなラーメンを?」という違和感よりも、「はま寿司ならこういうことをやるよな」という納得感のほうが先に来る。

洋風に寄せながらも、最後まで主役にいるのはトマトではなく「ダシ」。日本人が好きな旨みをしっかり押さえた上で、トマトの酸味とチーズのコクを重ねていく。
寿司の合間に食べるラーメンとしてはもちろん、ラーメン好きが単純に「一杯のラーメン」として食べても面白い。

そして今回もまた、「回転寿司のラーメン、侮れないな」と思わせてくれる一杯だった。

(執筆者: 井手隊長)

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