東京工科大学、キャンパスのソメイヨシノから分離した“桜酵母”でクラフトビールを開発

東京工科大学応用生物学部の松井徹教授ら研究グループは、八王子キャンパス内の桜(ソメイヨシノ)の花から、醸造用酵母「ソメハチ」の分離・開発に成功した。
この商品化プロジェクト第1弾として、シェアードブルワリーとオリジナルクラフトビール「染八(そめはち)エール」を共同開発。8月より、同社の直営店舗および公式オンラインショップにて発売が開始している。
身近な花由来酵母の研究から生まれた“桜酵母”ビール

桜酵母は、身近な自然環境に存在する微生物資源に着目し、食品などに応用するバイオプロセス工学(松井徹)研究室が、花に由来する酵母の多様性と発酵特性を明らかにし、保存・活用する取り組みの一環として開発された。
「染八エール」は、2025年6月よりシェアードブルワリーと共同で醸造に取り組み、何度もの試行錯誤を経て国内でも希少な桜酵母ビールの開発に成功。同プロジェクトには、バイオプロセス工学研究室の学生ら、のべ5人も参加した。
フルーティな香りが際立つオリジナルエール
「染八エール」は、キャンパス内のソメイヨシノの花から分離した醸造酵母(Saccharomyces cerevisiae)を元に、シェアードブルワリーと共同で醸造特性などの評価を行い、数十株から選抜された優良株が使用された。
野生酵母特有のフルーティで華やかな香りが特徴のエールタイプのビールで、試飲会では夏にぴったりの飲みやすさや個性的な香りについて高評価を得た。ラベルには、学生考案の愛らしいオリジナルキャラクター「染八」もデザインされている。
ワインや泡盛・日本酒、パンなどへの商品化展開も
桜酵母によるプロジェクト(呼称:桜プロジェクト)は、同学の研究成果が実際に商品として社会へ還元されると同時に、産学・地域連携の促進、学生が微生物資源の探索から製品化までを実践的に学ぶ貴重な教育機会となっている。
ワイン
泡盛
今後は、都内のワイナリーと連携した白ワインや泡盛・日本酒の醸造をはじめ、醸造の際にできる澱(おり)を使ったパンなども、八王子市のパティスリーや都内のベーカリーと連携し商品化が進められている。これら一連の取り組みを通じ、教育・研究・地域連携に資する利活用モデルの構築を目指している。
商品概要

「染八エール」の容量は350mL、原材料は麦芽、ホップ、酵母。アルコール度数は7%で、種別は発泡酒だ。
価格は税込5,280円(350mL×6缶セット)。販売は店舗「SHARED BREWERYタップルーム」(月〜木曜日定休)およびSHARED BREWERY公式オンラインショップにて。
バイオプロセス工学(松井徹)研究室について
バイオプロセス工学(松井徹)研究室は、化学品、食品、医薬品、化粧品などに使用する材料の生産や、環境浄化をするために微生物機能を利用することを目的として、環境中からの微生物探索、機能解析、大量生産条件検討などを実施。バイオプロセスを構築する研究を行っている。また、産業に活用するための微生物資源ライブラリーの構築も併せて行っている。
主な研究テーマは、難分解化合物の微生物分解、バイオ脱硫菌の機能解析、沖縄微生物ライブラリーの利用。
シェアードブルワリーについて
シェアードブルワリーは、2016年に自社ブランド製造のブルワリーとして創業。クラフトビールの製造及び販売などを行っている。
キャンパスの桜から生まれた希少な桜酵母ビール「染八エール」を味わってみては。
■SHARED BREWERYタップルーム
住所:東京都八王子市長沼町58−214
営業日:金曜日17:30〜22:00、土日祝14:00〜21:00
シェアードブルワリー公式サイト:https://www.sharedbrewery.com
シェアードブルワリー公式オンラインショップ:https://www.sharedbrewery.com/s/shop
バイオプロセス工学研究室ページ:https://www.teu.ac.jp/info/lab/project/bio/dep.html?id=37
(丸本チャ子)
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