なぜ今20代に“へぎそば”が人気?20代の利用者が前年同月比222%増加の「越後十日町 小嶋屋」に聞いた若者急増の理由
東京から新幹線で約70分と、日帰りでも訪れやすい新潟県・越後湯沢。
近年は20代の日帰り旅行者が増える中、越後湯沢駅構内にある「越後十日町 小嶋屋 越後湯沢店」でも、20代の利用者数が前年同月比222%に増加しています。
なぜ今、若い世代に新潟県の郷土料理「へぎそば」が支持されているのでしょうか。
今回は、同店の店長・村山祥悟さんに、若者が急増している背景やへぎそばの魅力について伺いました。
越後湯沢駅で新潟の郷土料理「へぎそば」を味わえる小嶋屋
「越後十日町 小嶋屋」は、新潟県内で日本そば専門店を展開し、長年にわたって新潟の郷土料理である「へぎそば」を提供してきた老舗そば店。
村山店長によると、前身から数えると創業100年を超え、現在は3代目がその味と伝統を受け継いでいます。
小嶋屋ではそば粉からこだわり、自社の製粉工場を持つほか、挽きたて・打ちたて・茹でたてのそばを届けることを大切にしているそう。
今回取材した「越後十日町 小嶋屋 越後湯沢店」は、越後湯沢駅の駅ビル内にある店舗。
新幹線を降りてから立ち寄りやすく、観光の途中はもちろん、帰りの列車に乗る前にも新潟ならではの味を楽しめる立地の店舗として親しまれています。
看板メニューのへぎそばは、そばのつなぎに海藻の「布海苔」を使用するのが特徴。
一口大に盛り付けられた見た目の美しさに加え、布海苔による独特の喉越しや弾力のある食感を楽しめます。
これまでは40~70代の利用が目立っていたそうですが、近年は20代や30代の来店が増加。
特にここ1~2年で若い世代が目立つようになり、村山店長自身もその変化に驚いていると話します。
20代の利用者が前年同月比222%に!若者が増えた背景とは
越後湯沢店では近年、これまでとは異なる客層の変化が起きており、2026年6月には20代の利用者数が前年同月比222%に増加したと村山さんは説明。
特にここ1~2年ほどで若い世代の来店が目立つようになったといいます。
「コロナ明けからTikTokやYouTubeなどで紹介されるようになって、この1〜2年くらいで増えているなという感じはありました。6月になって若者が多く、特に女性も多いと感じていますね。」
実際に222%という数字を知った際には、村山さん自身も驚いたそう。
若者が越後湯沢を訪れる理由について、村山さんは「東京方面から短時間でアクセスできる」ことに加え「冬のスキー」や「夏のフジロック、長岡花火」など、新潟を訪れるきっかけとなるイベントや観光資源の存在を挙げます。
さらに、駅ビル内には食や温泉などを楽しめるスポットもあり、日帰りでも旅行気分を味わいやすいことが、若い世代にとって魅力になっているのではないかと分析しました。
かつて同店では40~70代の利用者が中心だったものの、現在は20代や30代も増加。
村山さんは、
「今まで(若者の割合は)本当に微々たるものだったのが、1/4〜1/3くらいにまで入り込んできたかもしれないですね。かなり多くなりました。こんなに若い子たちに蕎麦を食べてもらえる店になったんだなっていう点は嬉しいですね。」
と語りました。
若い世代にも支持される「へぎそば」の魅力
若い世代の利用が増えている理由の一つとして、村山さんが挙げるのが、新潟ならではの郷土料理「へぎそば」そのものの魅力。
へぎそばは、そばのつなぎに海藻の「布海苔」を使用し、“へぎ”と呼ばれる木の器に一口大ずつ盛り付けるのが特徴。
一般的なそばとは異なる独特の喉越しや弾力があり、見た目の美しさも楽しめます。
「海藻が入っているので、喉越しや歯ごたえが良いんです。旅行先でもヘルシーにおいしいものを食べたいという方に、へぎそばが合っているのかなと思います。」
村山さんは、特に若い女性が増えている背景について、このように話します。
実際に同店では女性同士で訪れるグループも目立ち、4〜5人ほどの“女子旅”と思われるグループが来店することも多くなってきたのだとか。
小嶋屋では北海道産のそば粉を使用し、青森県産の布海苔を加えることで、そばの香りとともに独特のぬめり・弾力・喉越しを引き出しています。
また、つゆにもこだわり、香りの高い高知県産の本鰹、旨みを引き出す鹿児島県枕崎産の宗田鰹、北海道利尻産の昆布をふんだんに使用したすっきりとした味わいに仕上げているとのこと。
「まずつゆをそのまま飲んでもらったり、塩でそばを食べてもらったりすると、そばの風味や香りを感じてもらえると思います。香りと食感を楽しんでいただきたいですね。」
初めてへぎそばを食べる人にも、単に“新潟名物を食べる”だけではなく、素材や食感、香りまで楽しんでもらいたいという想いが込められています。
また、同店では地元・魚沼産コシヒカリを使用したご飯もののほか、エビ・カニ・のどぐろなどを使ったおいしい天ぷらメニューもおすすめとのこと。
「特に人気のメニューは“天ぷらへぎそばセット”です。しかし若い方からは“天丼とへぎそばのセット”が人気があります。男性だけでなく、女性からも注文されることが多いですね。」
と、特に天丼メニューが若い客から人気であることを教えてくれました。
若い世代にもへぎそばの魅力を!伝統の味をさらに広げていく
20代を中心とした若い客が増える中、小嶋屋では長く受け継いできたへぎそばの魅力をより幅広い世代へ伝える取り組みに力を入れています。
会社では自社の製粉工場を持つ強みを生かしながら手打ちそばにも取り組み、東京での催事や台湾での物産展など、新潟県外でも小嶋屋のそばを味わってもらう機会を広げています。
村山さんは、
「弊社は、今後台湾や東京で小嶋屋のそばを食べていただいて、知名度を増やしていく予定と聞いています。」
と、今後の展望について教えてくれました。
越後湯沢店でも、へぎそばだけでなく、そば粉を使ったクレープやそばアイスといった甘味を提供。
「そば粉で作ったクレープや、そばアイスを前面的に出して、女性のお客さんにも喜んでもらえるようにしています。20代は女性の方が多いですね。」
伝統的なへぎそばを守りながら、若い世代にも親しみやすい楽しみ方を提案していることも、同店の特徴といえるでしょう。
最後に、これから越後湯沢を訪れる人へ向けて村山さんは、
「ぜひ、この100年続くへぎそばを味わってみてほしいです。きっと衝撃を受けると思いますし、こだわり抜いたそばで絶対に満足していただけると思います。当店のへぎそばを食べて、暑い夏を乗り切りましょう!」
とメッセージを寄せました。
東京から日帰りでも足を運びやすい越後湯沢。
今後は観光やイベントを楽しむだけでなく、新潟で長く受け継がれてきたへぎそばを味わうことも、若い世代にとって旅の目的の一つになっていきそうです。
越後十日町 小嶋屋:https://hegisoba.co.jp/
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