【ライブレポ】Finally、満員のZepp Shinjukuで新たな「door」を開く──〈Finally 5th Anniversary & Major Debut One-Man Live「door」〉

2026年7月29日、
2021年の結成から5周年。そして8月5日に控えるメジャーデビュー。グループ史上最大規模となるZepp Shinjukuでのワンマンは、新たな扉を開き、メジャーという次のステージへ踏み出す始まりの夜。インディーズ時代に積み上げたすべてを背負いながら、メジャーという新たな世界へ彼女たちは進んだのだ。
ライブは、クールなオープニング映像とともにスタート。華々しい幕開け…かと思われたが、ここでまさかのシステムトラブルが発生し、一時中断を余儀なくされる。
しかし、この予期せぬハプニングさえも、この日のライブを象徴するワンシーンだった。冷静に対応するスタッフやバンドメンバー、そして再開を信じて温かく待ち続けるオーディエンス。その場にいた誰一人として空気を悪くすることなく、会場全体がひとつになってライブの再開を迎えた。
思いがけないアクシデントだったからこそ、ライブが再開したときの歓声は、メンバーとファンが築いてきた絆を改めて実感する特別な一夜であることを物語っていた。

そして仕切り直して迎えた本当の幕開けを飾ったのは、メジャーデビューEPのリード曲「わすれらんねぇよ」。バンドサウンドに乗せて6人が姿を現すと、会場の熱気は一気に最高潮へと達する。
メジャーデビューという新たな一歩を象徴する楽曲をオープニングに据えたことは、「ここから新しいFinallyが始まる」という強い決意表明でもあった。その想いを、6人は最初の一音から全身全霊のパフォーマンスに乗せて叩きつけ、Zepp Shinjukuを歓喜と興奮で包み込んだ。
この日はバンドセットでの公演ということもあり、Finallyが持つロックサウンドの魅力が一層際立った。重厚かつラウドな演奏が楽曲の熱量を何倍にも増幅し、6人の全身全霊のパフォーマンスと融合することで、Zepp Shinjukuは異様な熱気に包まれていた。
さらに、この日のライブを印象づけたのが映像や照明の演出である。リアルタイムで切り替わる映像は、楽曲の感情や世界観を映し出す「もうひとつの表現」として機能していた。6人の表情やステージ上の熱量をダイナミックに映し出すことで、視覚的にも楽曲の持つエネルギーを増幅。音と映像、そしてパフォーマンスが三位一体となることで、この日の「door」は、Finallyのライブだからこそ実現できる圧倒的な没入感を生み出していた。

挨拶を終えると、ライブは再び熱量を一気に引き上げる。「メタモルフォーゼ」「HATER」と畳みかけるように披露し、6人は息の合った激しいダンスとエモーショナルな歌声でフロアを圧倒した。
ただ、この圧巻のパフォーマンスは、一朝一夕で生まれたものではない。Finallyは本公演に先立ち、6月29日から7月9日まで「10日間耐久ライブ」という挑戦を敢行。その期間で培われた体力やライブ勘、そして何よりステージで闘い抜く精神力が、この日のパフォーマンスにそのまま表れていた。
息を切らしながらも一切勢いを落とさず、楽曲を重ねるごとに熱量を増していく6人。その姿からは、ライブを重ねるたびに自らを鍛え上げてきた努力が感じられた。Finallyが「ライブモンスター」と呼ばれるのは、激しい楽曲や派手な演出だけが理由ではない。積み重ねてきた経験と鍛錬を武器に、どんな瞬間も全力でぶつかる。その揺るぎない姿勢こそが、彼女たち最大の魅力なのである。

ラウドで激しいロックチューンは、Finallyの代名詞だが、彼女たちの魅力はそれだけではない。メジャーEPの新曲「キスして欲しい?」では、それまでの激しさとは一転。「キスして欲しい」と何度も繰り返すキャッチーなフレーズに乗せ、メンバーがペアになって妖艶なダンスを披露する。大人びた表情やしなやかな振付が楽曲の世界観を際立たせ、新たな一面を印象づけた。この楽曲は、Finallyが開いた新たな「door」のひとつと言えるだろう。
さらに、「アイドル讃歌」「LANDSTAR」では空気が一変。激しいダンスをここでは抑え、6人は歌声だけで観客の心を掴んでいく。メンバー一人ひとりの想いが乗った歌声に、オーディエンスの大合唱が重なり、Zepp Shinjukuは大きな一体感に包まれた。歌そのもので感情を届ける表現力もまた、Finallyの大きな魅力。その歌声は、これまで歩んできた5年間を噛み締めるように響きながら、メジャーデビューという新たな未来へ向かって力強く背中を押していた。

そしてライブ中盤、Megがこれまでの歩みを振り返りながら、メジャーデビューという節目を迎えた現在の心境を語った。
Megは「最初は知り合いを集めて、手伝ってもらって、少人数でなんとかライブを開催していました。でも今は、私たちが会場に入る前からたくさんのスタッフさんがこの公演のために準備してくれて、めちゃくちゃ心強いバンドメンバーが演奏してくれて、そして今日、Finallyのメジャーデビューという大事な瞬間を見届けようと、こんなにたくさんの人が集まってくれている。一度しかない人生でも、間違いなく忘れられない日になっています」と感慨深げに語り、さまざまなきっかけでFinallyと出会ったファンへ感謝を伝えた。
そして、「もらってばっかの人生だったから、ここからは少しでもちょっとずつでも、あなたたちに返していける人生にしたい。」「Finallyも音楽で誰かを救ったり、笑顔にしたり、『また明日から頑張ろう』って思ってもらえるような、そんなかっこいいアーティストになるって約束するよ」と力強く宣言。
最後は、「だからどうか、この6人とFinallyがつくりだす未来を信じて、応援してくれたらうれしいです」と呼びかけ、「みんな、よく見て!
改めましてメジャーデビューアーティストになります! Finallyです!よろしくお願いします」と叫ぶと、次の曲「Start Line」が鳴り響いた。
この楽曲には5年間歩み続けてきたFinallyの軌跡と、この日から始まる新たな物語が重なって見えた。客席からは、自然と大きなシンガロングが巻き起こる。それはシンガロングというより、6人の覚悟に応えるような力強い雄叫びだった。メンバーとオーディエンスが互いの想いをぶつけ合い、その歌声がZepp Shinjukuいっぱいに響き渡る。その光景は、5年間ともに歩んできた絆を確かめ合うと同時に、メジャーデビューという新たなスタートラインへ向けて、全員が同じ方向を見据えていることを感じさせる瞬間だった。

そしてライブはここから後半戦へ。「1か8か」「アゲアゲええじゃないか!!!」といった強力なパーティーチューンを立て続けに投下。タイトル通りのポジティブなエネルギーがフロア全体へ広がり、Zepp Shinjukuは巨大な祝祭空間へと姿を変えていく。
続く「うちらやっぱ最強じゃん?」では、もも上げやスクワットを振付に取り入れた、まさに「フィットネスソング」とも言える楽曲で会場の熱気をさらに加速させる。と終盤、ステージも客席もヘトヘトになってきたところで、これまで迫力満点のドラミングでライブを支えてきたバンドメンバーのドラマー、Hang-Changがステージの前方に飛び出し、筋トレを先導。オーディエンスを巻き込みながらパフォーマンスを展開し、フロアは笑顔と歓声に包まれた。
と、ここでさらには、ベーシスト・タケウチカズヒロがマイクを握り、Juriの個人YouTubeチャンネル「なんでもジュリchannel」が長らく更新されていなかったことを、スクリーンにその画面を映し出し、痛烈にツッコむ。冒頭ブロックをやり直してでも、この日のライブには映像演出が欠かせなかったのは、こういうことだったのかとも思った。
そしてその「禊」としてJuriがスクワットを披露することになり、しかも2度にわたってチャレンジする展開に。最後は観客も一緒になってスクワットを行い、会場全体がひとつになって盛り上がった。
何より印象的だったのは、タケウチの軽快なマイクパフォーマンスだ。絶妙な間とテンポで会場を笑いに包み込む姿は、思わず「本当にバンドマンなのか?」「もしかして本職は芸人なのか?」と思ってしまうほど。ライブの熱量を保ちながら、笑いもしっかり生み出すエンターテイナーぶりで、会場を大いに沸かせた。

「Danger」で会場のボルテージを再び限界まで引き上げると、ラストを飾ったのは、この日オープニングでも披露したメジャーデビューEPのリード曲「わすれらんねぇよ」だった。インディーズ時代に積み重ねてきた5年間を胸に刻みながら、その視線はまっすぐメジャーデビュー、そしてその先の未来へ向けられていたのだ。「わすれらんねぇよ」は、新たな代表曲として、未来を切り開く力強いアンセムとなり、Zepp Shinjukuを大きな歓声で包み込んだ。
Finallyはこれまで、セルフプロデュースという環境のなかで、自ら道を切り拓いてきたグループである。渋谷WWW、CLUB QUATTRO、LIQUIDROOMをソールドアウトさせ、着実にステージを広げ、この日ついにZepp Shinjukuへたどり着いた。しかし、この日のライブから伝わってきたのは、「ここがゴールではない」という強い意思だった。
5年間で「UPDATE」を重ね、その先にあったZepp Shinjukuで、Finallyはまたひとつ、新しい「door」を開いた。ここから始まる物語は、きっと彼女たちにとって、これまで以上に大きな景色へとつながっていくはずだ。

取材&文 : ニシダケン
撮影 : ヨシモリユウナ
セットリスト
〈Finally 5th Anniversary & Major Debut One-Man Live「door」〉
2026年7月29日(水)Zepp Shinjuku
1. わすれらんねぇよ
2. XXXXXX
3. 他人火事着火マイクファイヤー
4. 彼女になりたかった。
5. CHIRIGIKU
6. メタモルフォーゼ
7. HATER
8. キスして欲しい?
9. アイドル讃歌
10. LANDSTAR
11. Start Line
12. 1か8か
13. アゲアゲええじゃないか!!!
14. うちらやっぱ最強じゃん?
15. Danger
16. わすれらんねぇよ
アーティスト情報
・オフィシャル・ウェブサイト
https://www.finally-official.com/
・X
https://x.com/finally_rock
・Instagram
https://www.instagram.com/finally__official
・TikTok
https://www.tiktok.com/@finally_official
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