『リズム天国 ミラクルスターズ』レビュー:累計販売本数50万本突破!「脳汁ドバドバ」と「鬼畜」の間で揺れる11年ぶりの新作
7月2日に発売されたNintendo Switch / Switch 2向けソフト『リズム天国 ミラクルスターズ』は、「リズム天国」シリーズ約11年ぶりの完全新作。発売から売上ランキングは2週連続で首位となり、累計販売本数50万本を突破するという快進撃を繰り広げている。
初心者にも遊びやすいが音楽経験者もうならせる完成度
本作はリズムゲーム初心者にも遊びやすいカジュアルゲームだ。実際に我が家でも、音楽経験のない小学5年生の娘が好んで本作をプレイし、一人用ゲームの最後の「リミックス20」までクリアして大喜びしていた。
中でも中盤で用意された「リミックス8」は国民的人気歌手であるAdoの新曲に合わせてリズムゲームが楽しめる。子どもから大人まで楽しめる間口の広さがあり、家族でプレイする価値も十分だ。
▲「リミックス8」はAdoが楽曲を担当!
もちろん、有名音楽プロデューサーであるつんく♂が作者となっているだけに、音楽経験者も唸るような完成度となっている。学生時代にピアノや吹奏楽などを嗜んでいた筆者にとって、リズムゲームは得意分野のはずだった。しかし本作は予想以上に奥が深かった。
目押しに頼らないリズムゲーム
そもそも本作は、第1作目から一貫して「目押しに頼らないリズムゲーム」であることが特徴的だ。チュートリアルではあえて目押しを試させようと、BGM無しでユーザーに輪くぐりをさせる「洗礼」が用意されている。
▲目押ししようとしてもうまくいかない
普通は初めからうまくいかず、筆者もいきなりミス連発で「あれ?」となっているところ、ゲームの案内キャラが「けっこうシビアですよね?」なんてセリフを口にするわけだ。
▲そ、そうですね……
ここからリズムが流れる状態でプレイ再開となり、「目押しではなく、リズムに合わせてボタンを押すとうまくいく」という本作の骨子が明確になるうまい作りである。
▲仲間と一緒に、リズムに載ってプレイすると楽々!
個性豊かなキャラクターに注目
本作の一人用モードはすべて新作で、新たなマスコットキャラになりそうな個性豊かなキャラクターも豊富に登場する。特にSNSで人気が高いのは、頭が傘になった「カサパホーマー」だ。新ポケモンにでもいそうな愛らしい姿に加え、プレイヤーが操作する際に傘を開いた瞬間の「パァ!」という明るい声が可愛らしい。
▲おそらく今作の一番人気キャラ。フィギュアが出たら爆売れ必至?
また、「ひじダンス」という個性的なダンスを踊る「バックダンサー」たちも話題だ。ゲーム中、失敗すると両隣のダンサーに肘打ちを食らわせまくる衝撃的な絵面に、顔が立方体で箱を被ったようなサイコな見た目が絶妙にマッチしている。一癖も二癖もあるキャラばかりで、もはや「キャラゲー」と呼んでも過言ではない。
▲なぜそんな見た目なのか?「バックダンサー」
▲失敗すると大惨事
筆者の推しキャラは「へくしょいムーン」だ。「旅人」と称されるキャラを脅かそうとする月がクシャミをしている隙に通り抜けるという、謎すぎるシチュエーションも魅力である。しかも「へくしょいムーン」の声を担当しているのは人気コメディアンの加藤茶であることも話題となった。一度遊べば、きっと誰でも「推しキャラ」が見つかるはずだ。
▲月が「へくしょい」してる最中に駆け抜ける。シチュエーションからして謎過ぎる
シビアにプレイヤーを追い込むパーフェクトクリアキャンペーン
なお、どのステージも高評価報酬であるメダルを獲得するのはさほど難しくはないが、1度もミスをしないパーフェクトクリアを目指せば途端にシビアとなる。
特に本作は、各ステージのパーフェクトクリアを目指すキャンペーンが突発的に発生する。クリアするとハートマークが獲得できて特典も解放されるが、3回失敗するとキャンペーンは終了し、次の開催を待たねばならない。いつでも挑戦出来るわけではなく、クリアできないと本当に心が折れそうになる。
▲「パーフェクトキャンペーン」は突発的に始まる
なぜこのような設計にしたのか。筆者が思うに、人の興味や関心が分散しやすいこの時代、「キャンペーン開催中だから、今はこれだけに集中して頑張ろう」という気持ちにさせるためではないか。開発陣の「プレイヤーを本気で追い込みたい」という意図を感じる仕様だ。
▲クリアすると表彰される。めちゃくちゃ嬉しい
▲「P」と書かれたハートマークを獲得。いつか全ステージでこれを獲得したい……
リズムジャンキー向けの極限コンテンツ「ビートスペル」
本作の目玉の一つが、メインのミニゲームとは別に用意された「ビートスペル」という新モードだ。リズムゲームとRPGを融合させたストーリー付きの内容となっている。
筆者のように多少リズムに自信があれば、序盤は「俺TUEEE!」と余裕で敵を蹴散らせるが、中盤以降は「攻撃」「回復」「バフ(攻撃力アップ)」「回避」が複雑に絡み合い、パニックに陥りやすい。
▲
最初は「ファイア」しか使えないが、シンプルで良い
▲徐々に使える魔法も増え、戦略が生まれる
ゲームオーバーになっても、選んだ魔法のレベルを1つ上げた有利な状態から再戦できる。ミスするたび強くなれるので、最終的には同じ攻撃をひたすら繰り返すようなゴリ押しでもクリア可能だ。ただ、ゴリ押ししたところで爽快感はまったく感じられず、ひたすら手が疲れただけだった。もっと事前にいろんな技を繰り出す腕を磨きながら、ハイスコアにもチャレンジしてみたい。
▲後半は狂気の沙汰。戦略を立てたところでリズムに乗れなきゃ意味がない
▲後半ステージのスコア画面。「7回やりなおした」はさすがに痛々しい
なお最終ステージクリア後に挑戦できる「ランダムダンジョン」に関しては鬼畜の極みで、ある意味では本作の真骨頂とも呼べるような内容だった。こちらのステージでは時間経過で削れていく「精神力ゲージ」が登場し、HP0でダメージを受けるとゲージは大きく減少する。
▲クリア後に初めて登場する「精神力ゲージ」
精神力ゲージが尽きるとゲームオーバーとなって、レベルアップもなく完全に最初からやり直しだ。ゴリ押しは通用せず、純粋なリズムジャンキー向けの極限コンテンツとなっている。
▲ゴリゴリ削られていく「精神力」。プレイヤー自身のメンタルにもだいぶくる絵面だ
シリーズ初の「マルチプレイヤー」モード
また、シリーズ初となるマルチプレイモードもあるが、モードによって遊び心地や難易度がガラッと変わるのが興味深い。「アニマル宅配便」は仲間が敵の攻撃を受けて燃料が大きく減っても、他プレイヤーがうまいプレイで回復を重ねることでリカバリーでき、協力感が強い。
▲右の「燃料」バーは敵を倒すと回復。ジャストタイミングで倒せば回復量も大きい
しかし「リズム脱毛」は仲間が1本でも毛を抜き損ねると、次のプレイヤーのミスですぐにゲームオーバーに。1度の失敗が協力プレイヤーへのプレッシャーとなり、途端に緊張感が増す。
▲協力者がミスすると、次の自分の番ではタマネギが汗をかき、画面の端も赤くなる。プレッシャーが半端ない
初心者からリズムジャンキーまでおすすめ
総じて、本作は高評価に値するカジュアル寄りのリズムゲームだ。SNSの話題性だけで「ちょっとやってみようかな」と手を出すのは、大いに「アリ」。特にリズムゲーム初心者にこそおすすめしたい。もちろん「リズムジャンキー」なあなたにも、ぜひ完全クリアして脳汁ドバドバの快感を味わってほしい。
▲BPM速めの「ハードル」は、クリアした際の達成感がすごい
本作に楽曲が使われているAdoをはじめ、すでに多くの配信者たちがプレイ動画をYouTubeで公開している。そうした動画を楽しむのも一興であり、そこで興味を持ったなら、実際にプレイしてみるのもいい。画面越しに見るだけでは味わえない爽快感と中毒性が、本作にはふんだんに詰まっている。
(文:平原学)
(執筆者: ガジェ通ゲーム班)
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