【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

2026年5月30日 (土)、渋谷O-nestにて、Hammer Head Sharkの4ヶ月連続自主企画〈Close to Void〉の初回公演が行われた。

本記事では、OTOTOYオリジナル・ミニ・ライブレポートとして、当日の模様をライブ・フォト・ギャラリーとともにお届けする。さらに、今回のレポートに向けて寄せられた、この日のライブと次回公演についてのメンバー・コメントも紹介する。

・・・

「僕たちはこれまで遠回りをしてきたバンドだから、クアトロにも遠回りをして行こうと思う」

今回の企画が発表された今年3月の新代田FEVERでの自主企画。そのMCで、ドラムの福間はそう話していたと記憶している。

9月に渋谷CLUB QUATTROでの単独公演〈Only my Void〉を行うHammer Head Shark。彼らが5月から8月にかけて開催する自主企画〈Close to Void〉は、毎月、渋谷のライブハウスにゲストを迎えて行われる。初回公演のゲストは雪国だ。

チケットはソールドアウト。当日券の販売もなし。満員のO-nestで、ライブは定刻通りに始まった。

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

先に登場したのは雪国。この日の雪国は、とても「強い」セットリストだった。1stアルバムの楽曲も多く、Hammer Head Sharkに対して、自分たちのすべてをぶつけていく。そんな気持ちをフロアも確かに感じ取っていたのではないか。雪国を目当てに来たひとたちにとっても、強い印象を残す演奏であり、セットリストだったと思う。

転換を経て、Hammer Head Shark。1曲目は “echo”。ライブではボーカル・ながいひゆのスキャット (ヴォカリーズ) で始まることが多いこの曲だが、この日はこれまで聴いたことがない展開で幕を開けた。早くも特別な時間が始まったことを感じる。

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

そこから、“声”、“愛着”、“レイクサイドグッドバイ”と、スローテンポの楽曲が続く。この日は雪国という存在を存分に意識した構成になるのだろう。そんな予感があった。

「ありがとう」

ながいの短い一言を挟んで、ようやくアップテンポな “Blurred Summer” が始まる。藤本のギターソロの直前、ながいが「ギター!」とシャウトする。抜群にカッコいい瞬間だった。

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

その後は再び、“Dummy Flower”、“綺麗な骨”、“名前を呼んで”、“うた”、“園”と、落ち着いたテンポの楽曲へ戻っていく。速さという意味では確かに抑えられている。けれど、ダイナミクスによるアップ・ダウンが、十分すぎるほど心を揺さぶる。

最後の曲の前に、この日初めてとなる、ながいのMCが入る。

「この企画の1本目に来てくれて、ほんとにありがとうございます」
「長いことバンドをやってきて、クアトロを押さえて、長いことじっくりとやってきたHammer Head Sharkらしく遠回りをしようと、こういう企画にしました」

そして、6月24日に新曲をリリースすることを告げ、続けてこう語った。

「ひとりぼっちで、どうしようもない孤独のときに作った曲を、こうやって歌って、それを好きだと言ってくれるひとがいて、幸せです」
「好きに踊ってください。それは、動いてっていう意味ではなくて、そのままでそこにいてほしくて、ひとりぼっちで聴いてほしくて」
「ひとりぼっちで、音楽のなかで待ち合わせして、何回でも会いましょう」
「そこにいて、生きてくれて、ありがとうございます」

新曲のタイトルは “ぼくらふたりきり”。不安と、軋みや轟音のなかにある安心に包まれるような、この曲の長いアウトロで本編は終了した。

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

アンコールでは、後藤が雪国との縁を語った。

「雪国の京くんとは、ずっと面識があって」
「一昨年くらいの〈REPLACEMENTS〉でクラブチッタの前で陽気な京くんに会って、ツーマンしたいねって話をして」
「それが今日、かなって、とても嬉しいです」

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

福間が続ける。

「こちらからみんなに会いに行く、そしてクアトロまで遠回りをして行く、という意味をこめて、この企画をやっています」
「やりたいことは自分たちで見つけて、やっていくというスタイルで僕らはやっていて、その一発目に雪国が必要でした。出てくれて、ほんとうにありがとうございます」

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

そして、「今回はぜんぶセトリを変えるつもりで、今日はこんな感じにしたんですけど、やっぱ、ガッシャン・バッシャン・ドッシャンっていうのがないと俺らっぽくないと思うんで」と言って、バンドが弾き始めたのが “魚座の痣” だった。

ながいひゆの、魂に質量があるかのようなシャウト。ここまでの文脈に対して、これ以上の言葉はないと思わせる「いつも君の側で歌う」という歌詞。ギターの轟音。

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

おそらく、ここで終えても不満に思うひとは誰もいなかっただろう。ここ最近のライブにおけるHammer Head Shark最大のキラーチューン、“アトゥダラル僻地” が聴きたければ、6月以降のこの企画に、そしてもちろんQUATTROに来てほしい。そんなメッセージで終えてもよかったはずだ。

だが、“アトゥダラル僻地”への「繋ぎ」が始まった。

こんなにも心が満たされる瞬間は、そうそうない。イントロのギター・リフ。まるで初めて聴くような、ながいのシャウト。演奏を終えたメンバーがステージを去る。残されたギターが奇跡のようなフィードバックを奏で、愛おしい “遠回り” の第一歩が終わった。

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

次回は、6月24日 (水)、会場は渋谷La.mama。ゲストに井上園子 (BAND SET) を迎えて行われる。

来月も、「そこにいよう」と思う。

セットリスト

雪国

樹海
時間
ポトス
二つの朝
素直な君は
東京
海月
真夜中
ゲルニカ
 

Hammer Head Shark

echo

愛着
レイクサイドグッドバイ
Blurred Summer
Dummy Flower
綺麗な骨
名前を呼んで
うた

ぼくらふたりきり

(アンコール)
魚座の痣
アトゥダラル僻地

ながいひゆ コメント

〈Close to Void〉について。
バンドってややこしくてめんどくさくて意味のないことだらけだと思う。
でもそう気付いてからはもういっそのこと、ずっとそうでありたいと最近は思う。
何の役に立たないものが自分にとっては大切で、そういうものを信じていたい。
そんななか、渋谷クアトロ公演が決まって、折角ならそこへ向けて遠回りをしようって話になった。
恥ずかしながら私には分からないことが多くて、受け取った音楽だけで、それだけが全てだった。
そんな気持ちで出演するアーティストは決まっていった。

その先頭に雪国を呼んだ。
雪国は、うねる振動と砂嵐のような静寂に包まれてとても心地良い空間だった。
私のかえりみちの静けさに似ているな、と思ったけど、そんな風をみんな重ねていたのかもしれない。
美しい音色が重なってしんしん、と細やかな光が散りばめられてるような情景だった。
その情景に会場ごと吸い込まれていたね。
雪国という名前がとても似合っている。
同じ夜を一緒に作れて良かった。

Hammer Head Sharkからは「ぼくらふたりきり」のリリースを発表した。
音楽を作るときも聴くときもひとりぼっちだった。
それは悲しいことじゃなくて、音楽のなかで会えるならきっと此処も其処も変わりなくて、そんな風に作曲してるときは思わなかったけど、みんなの前で演奏をしていく度に、そう思った。
私は何度でも音楽のなかでみんなに会いたい。
もしかしたら、まだ私はそこでしか誰にも会えないのかもしれない。
きっと君をみつけるよ!いつでも待っている!

6月にはLa.mamaに井上園子BANDを迎えて演奏をします。
『27°C』のレコーディングをしていたときにエンジニアの柘植くんに教えてもらった井上園子。
昨年の〈Befor 27℃ tour〉では弾き語りで一緒したのが素晴らしかった。
今回はバンド形態でも、また一緒に出来ることがとても嬉しい。
彼女の音楽はぽつんと佇んで、遠くへ真っ直ぐ飛んで行く、その線が気持ち良い。
お茶目でかっこいいひと。
ぜひ観に来て!

ながいひゆ

フォトギャラリー

フォトギャラリーはこちらからご覧いただけます

 

リリース情報

ぼくらふたりきり

リリース日 : 2026年6月24日 (水)
配信形態 : デジタル

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

ライブ情報

Hammer Head Shark pre.
“Only my Void”

日程 : 2026年9月11日 (金)
会場 : 東京・渋谷 CLUB QUATTRO
Open : 18:15 / Start : 19:00
出演 : Hammer Head Shark (ワンマン)

チケット : ¥3,000+D / 10代割¥2,000+D
https://w.pia.jp/t/hhs2026/

ライブ情報

Hammer Head Shark pre.
“Close to Void”

日程 : 2026年5月30日 (土)
会場 : 東京・渋谷 O-nest
Open : 17:30 / Start : 18:00
出演 : Hammer Head Shark / 雪国

日程 : 2026年6月24日 (水)
会場 : 東京・渋谷 La.mama
Open : 18:30 / Start : 19:00
出演 : Hammer Head Shark / 井上園子 (BAND SET)

日程 : 2026年7月15日 (水)
会場 : 東京・渋谷 CYCLONE
Open : 18:00 / Start : 18:30
出演 : Hammer Head Shark / See You Smile / Good Grife / C-GATE

日程 : 2026年8月2日 (日)
会場 : 東京・渋谷 O-Crest
Open : 18:30 / Start : 19:00
出演 : Hammer Head Shark / (後日解禁)

チケット : ¥3,000+D / 10代割¥2,000+D
https://w.pia.jp/t/hhs2026/

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

アーティスト情報

Hammer Head Shark

東京を中心に活動する4ピース・バンド。2018年末から活動を開始し、2019年8月に最初の作品となる1st EP『Baby youth』を2DK recordsからCDリリース。その後のメンバー変遷を経て、2022年9月に後藤が正式メンバーとなって以来、現体制で活動を続ける。2023年には〈ROAD TO JAPAN JAM 2023〉のグランプリを獲得し、5月に〈JAPAN JAM 2023〉にオープニング・アクトとして出演。毎年3月に自主企画〈魚座の痣〉を行い、ソールド・アウトしている。

X (Twitter) : @h_h_s_band
Instagram : @hammerheadshark_band
YouTube : @hammerheadshark_band

【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

関連記事

【インタビュー】Hammer Head Sharkが鳴らす、“孤独に触れる音” の真髄とは──ライブの熱が息づくファースト・アルバム『27°C』 (2025年7月22日公開)

【インタビュー】Hammer Head Shark──音像と皮膚の境目がなくなるとき、そこは僕と君の居場所 (2024年10月4日公開)

【ライブレポート】「ただいま」「おかえり」「会いたかったよ」─Hammer Head Sharkワンマン公演 “into the marbles” (2024年10月31日公開)

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 【ライブレポート】クアトロへの“遠回り”──Hammer Head Shark、4ヶ月連続企画〈Close to Void〉 #1 O-nest

OTOTOY

ハイレゾ音楽配信/メディア・サイト。記事も読めるようになったアプリもよろしくどうぞ。

ウェブサイト: http://ototoy.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。