【ライブレポ】CANDY TUNEが日本武道館の中心で届けた「スペシャル感謝」──〈CANDY TUNE 3rd ANNIVERSARY LIVE 2026「CANDY CANDY CANDY PARTY」〉

2026年6月5日、6日の2日間にかけて、日本武道館にて〈CANDY TUNE 3rd ANNIVERSARY LIVE 2026「CANDY CANDY CANDY PARTY」〉が開催された。OTOTOYでは、そのDAY2についてレポートする。
多くのアーティストにとって日本武道館は特別な場所である。多くのグループがここを目標に掲げ、到達した瞬間をひとつの物語として語る。しかし、この日のCANDY TUNEは少し違った。ライブ全体から伝わってきたのは、「夢を叶えた瞬間」という達成感よりも、「ここまで積み重ねてきた3年間」を確認し、感謝するような空気だった。
実はCANDY TUNEにとっての、この3年間は決して順風満帆ではなかった。事前の囲み取材の立花琴未の言葉によると、「かつてはメンバー数より少ない観客の前でライブをしたこともあった。豊洲PITで開催した1周年公演では目標としていた完売に届かなかった」という。だが、その経験があったからこそ、武道館を埋め尽くす景色に説得力が生まれていた。
多くの人が知るように、CANDY TUNEは、「倍倍FIGHT!」の大ヒットによってアイドルシーンを飛び出し、あらゆる人に知られる存在となった。昨年末には、「紅白歌合戦」出場という快挙も達成した。しかし、この日の彼女たちからは、決して現状に満足することなく、さらに先へ進もうとする気迫が伝わってきた。

この日のライブは、360度を客席に囲まれた、センターステージを採用。360度ステージは華やかである一方、どの方向からも見られ、どの瞬間も視線が集まるわけで、アーティストにとっては決して楽な舞台ではない。それでもメンバーたちは終始笑顔だった。ステージに立つ7人から感じられたのは、武道館という大きな会場ながらも、ファンとの距離の近さだった。その姿を見ていると、この武道館公演が「大舞台への挑戦」ではなく、「今のCANDY TUNEならできる」という自信の表れだったことが分かる。
ライブ序盤から、グループの持ち味である、ポップでキュート、そして超絶テンションの高いパーティー・チューンを立て続けにパフォーマンス。全編にわたって「勇気の証バンド」による白熱の生演奏と共に、会場のボルテージは倍の倍に引き上げられていた。

大きな盛り上がりを見せたのは、先日リリースされたばかりの新曲「HTAG」。旗揚げゲームをモチーフに作られたこの曲は、会場全体をコールアンドレスポンスでぶち上げ続ける、きゃんちゅーらしいテンションの高いキラー・チューン。これからのフェスシーズンでも大活躍しそうな予感をバシバシに感じた。
またこの公演のハイライトは、初披露された3組のユニット楽曲。小川奈々子と立花琴未による「Princess Girls♡」では、伸びやかなダンスとセリフ調のリリックで、可憐で華やかな世界観を表現。まるでおとぎ話の主人公のような2人の姿に会場から歓声が上がる。村川緋杏と南なつは「びびなつFEVER!」を歌唱。息の合ったパフォーマンスと弾けるようなエネルギーで観客を魅了した。さらに福山梨乃、桐原美月、宮野静の「アンインストールちゅー」では、妖艶かつクールなスタイルで、これまでのCANDY TUNEにはなかった新たな魅力を届けた。

そして終盤には、これまでの歩みそのものを描くようなエモーショナルな楽曲が並ぶ。その上で披露されたのが大ヒットチューン「倍倍FIGHT!」だった。CANDY TUNEは、「ヒット曲によって武道館に来た」のではなく、これまでの積み重ねの結果としてヒット曲が生まれ、武道館にたどり着いたのである。この日の「倍倍FIGHT!」は、それを証明するような、異様なまでの盛り上がりを見せていた。
さらに印象的だったのが、この日のために用意された新曲「スペシャル感謝祭」の存在だ。テーマはタイトルの通り、「感謝」である。この曲は、「倍倍FIGHT!」を手掛けた玉屋2060%が制作を担当。振付や楽曲の随所には「倍倍FIGHT!」とのつながりが散りばめられており、その先に彼女たちがたどり着いた答えこそが「感謝」だったのである。日本武道館公演という晴れ舞台で、彼女たちが伝えたのは、「ありがとう」の気持ちだった。
それはCANDY TUNEというグループの本質をよく表している。彼女たちの魅力は、ファンである「あめちゃん」と同じ目線で喜び、悔しがり、夢を共有することにあるのだと思う。だからこそ、武道館という巨大な会場でも「遠くに行ってしまった」という感覚が生まれてはいなかった。

今日の公演前に行われた囲み取材では、村川緋杏は次なる目標について「東京ドーム」を掲げ、「FRUITS ZIPPER姉さんの東京ドーム公演を観た際に、雷が落ちたみたいな衝撃を受けた」と明かし、「みんなで東京ドームを目指そうと話すようになりました」と語った。
しかし、その一方で彼女は「武道館でライブができたことも、東京ドームもやっぱりできると嬉しいんですけど、でもそれ以上にCANDY TUNEがなくならないことが私たちの願い」「来世まで続くくらい、ずっとCANDY TUNEを続けていきたい」とも口にした。
武道館達成直後のアイドルが言う言葉としては、少し意外かもしれない。だが、その一言に今のCANDY TUNEの強さが凝縮されているように感じた。メンバーが言うには、いまCANDY TUNEはすごく仲が良いのだという。レッスン終わりに食事へ行ったり、軽井沢へ旅行したりするほか、武道館に向けた合宿では自然と全員が大浴場に集まり、語り合っていたという。そんなグループだからこそ、グループを続けることが願いなのだろう。
夢を叶えるだけではなく、この7人で夢を見続けること。それこそが彼女たちの原動力なのだろう。この日見えたのは、CANDY TUNEというグループの「これから」だった。7人が描く物語は、まだ始まったばかりである。

取材&文:ニシダケン
photo by ヨシモリユウナ、森好弘、石井亜希
アーティスト情報
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