少子化で縮小するブライダル市場を救う 「見積もり透明化」による次世代の営業モデルとは

ブライダル業界は現在、少子化に伴う婚姻数の減少や、コロナ禍を経て多様化した結婚式への価値観などにより、かつてない厳しい事業環境に置かれており、業界全体で生き残りをかけた構造改革が急務です。特に、初期見積もりから金額が大きく上がるような費用の不透明さは、情報収集に長けた現代のカップルの顧客離れを招く大きな要因となっています。これまでブライダルの営業は、プランナー個人のスキルや経験に依存する属人的な手法が主流であり、成約率にばらつきが出やすいという課題を抱えていました。こうした現状を打破し、顧客への透明性担保とプランナーの働き方改革(業務負荷軽減)を両立させるために、業務効率化と顧客満足度を両立させるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が不可欠となっています。

属人的な営業からの脱却を目指す中、新たなソリューションとして登場したのがウエディングパークが提供するサービス「mieruupark(ミエルーパーク)」。本サービスは、式場見学前に結婚式費用のリアルなシミュレーションができるもので、2月9日より新たに提供開始されたのが「費用カルテ機能」を使えば、カップルが来館前にスマートフォンで人数や衣装などの項目を変更しながら試行錯誤した「見積りのシミュレーション履歴」を、そのまま式場へ事前共有できます。対面では言いにくい「本音」が可視化されるというのはユーザーにとって嬉しいですよね。

業界大手のテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)ではmieruuparkを導入し、効果検証を実施。mieruuparkを事前利用したカップルのデータを計測した結果、事前利用がない層と比較して、予約後の来館率が11.0%向上し、さらに契約率も9.7%向上するという圧倒的な成果を記録しました。事前に正しい費用感とシミュレーション体験を提供することが顧客の意欲を高め、同時にプランナーがデータに基づいた精度の高い提案を行うことで成約を後押ししたことが実証されました。

この成果について、T&G担当者、株式会社ウエディングパーク バリューデベロップメント本部 OA事業 mieruuparkグループ 開発責任者 南舘拓弥氏よりそれぞれコメントをいただきました。

<T&G担当者>

Q:「mieruupark導入」のきっかけや社会的背景をを教えてください。

結婚式は、カップルごとに内容や規模が異なるため、契約時点で最終費用を正確に見積もることが難しく、初期見積もりから大きく増額してしまうケースもあります。こうした「費用の分かりづらさ」は、結婚式への不安や式場への不信感につながる、ウエディング業界の長年の課題でした。私たちは、どのカップルにも安心して結婚式を迎えていただきたいという想いから、この課題解決に取り組みました。そこで、デジタルの力で業界を牽引してきたウエディングパークと共創し、「mieruu(現:mieruupark)」を企画・開発しました。mieruuparkを通じて、結婚式費用の透明性を高め、安心して式場選びができる環境づくりを目指しています。

Q:「mieruupark」を使用したユーザーからの印象的な意見はどんなものがありましたか。

「最終的にどのくらい費用が上がる可能性があるのか事前にイメージできて安心した」「費用の不安が減り、前向きな気持ちで式場選びができた」といった声を多くいただいています。また、「これまで結婚式費用は分かりづらいものだと思っていたが、透明性を感じられた」「式場とのコミュニケーションが取りやすくなった」といったご意見もあり、費用面への納得感や安心感につながっていると感じています。特に、初めて結婚式を検討するカップルにとって、具体的な費用イメージを持ちながら比較・検討できる点に価値を感じていただいています。

Q:現場で起きた営業スタイルの具体的な変化を教えてください。

これまでは、式場検討の初期段階ではお客様が結婚式について具体的な希望をお持ちでないことが多いため、最低限の内容で見積もりを提示するケースもありましたが、mieruuparkの導入によって、実際に選ばれることの多い項目や費用の増加ポイントを事前にご案内しやすくなりました。その結果、カップルも見積もりに対してより納得感を持ちながら検討でき、ウェディングプランナーとの費用に関するコミュニケーションが以前よりオープンになったと感じています。また、契約時だけでなく、その後の打ち合わせまで含めて長期的な信頼関係の構築を重視する営業スタイルも訴求でき、「安心して任せられる」という顧客体験価値の向上にもつながっています。

Q:「mieruupark導入」でスタッフの働き方にも変化がありましたか?

「業界の課題に向き合い、T&Gが先頭に立ってチャレンジしていくんだ」というマインドも社内で広がり、目先の提案だけではなく、お客様一人ひとりにしっかりと向き合い、納得感のあるご提案を行う意識が高まっています。結果として、より長期的な信頼関係の構築を重視するコミュニケーションや、ウェディングプランナーが自信を持って提案できる環境づくりにもつながっていると感じています。

Q:今後のブライダル業界へ期待すること。

今後のブライダル業界には、より透明性が高く、安心して結婚式を検討できる環境づくりが広がっていくことを期待しています。結婚式は一生に一度の大切なイベントだからこそ、費用やサービス内容に対する不安をできるだけ減らし、カップルが納得感を持って式場選びや準備を進められることが重要だと考えています。そのためには、業界全体で情報の分かりやすさや信頼性を高めていくことが必要です。

私たちも提供する商品やサービスを、結婚式を安心して心から楽しめるものへとリノベートし、結婚式および婚礼業界全体の信頼度や価値向上に取り組んでまいります。

<株式会社ウエディングパーク バリューデベロップメント本部 OA事業 mieruuparkグループ 開発責任者 南舘拓弥氏>

Q:「mieruupark」を作る上で一番意識した部分。社内でどの様なスタッフさんが携わっているかを教えてください。

一番意識したのは、「徹底的なユーザー視点(カップル視点)」に立ち、費用に対する『不安』を『安心』へと変えるユーザー体験(UX)をデザインすることです。

私たちが推進している「デザイン経営」の根幹にはユーザー中心のアプローチがありますが、今回のサービス開発にあたって、私たちは結婚式を控えるカップルの「結婚式には満足しているけれど、最初の見積もりからこんなに上がるとは思わなかった」「費用の仕組みが分からなくて不安」という切実な声に真摯に向き合いました。アンケートでも約8割のカップルが費用に不安を抱えているという結果が出ており、この「費用の不透明さ」は単なる業界の仕組みの問題ではなく、幸せなイベントであるはずの結婚式を躊躇させてしまう「社会課題」であると捉えておりました。

その上で、作るにおいては、数字の提示ではなく、感情に寄り添う「温かみのあるデザイン」を意識しております。
費用の話はとても現実的で、時にシビアなトピックです。だからこそ、数字だけが冷たく並ぶシステムライクな画面にするのではなく、カップルが直感的に、そして前向きに具体的なイメージを膨らませられるよう配慮しました。
画面の随所に結婚式をイメージしたイラストを配置したり、過去の挙式データを確認する画面で「みんなはいくらかかってる?」とあえてカジュアルで親しみやすい言葉遣いを選んだりしています。単なるシミュレーターという「機能」を作るのではなく、「使っていて安心できるか」というユーザーの情緒的な価値を最も大切にしました。

社内で携わっているスタッフについては、Z世代のクリエイターが中心となって開発を進めております。
近年、ウエディング業界のメインターゲットとなりつつあるZ世代が企画の上流から参画を行い、Z世代からの共感を得やすい体験価値を目指しております。

◆mieruupark(ミエルーパーク)
https://lp-mieruu.weddingpark.net/ [リンク]

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 少子化で縮小するブライダル市場を救う 「見積もり透明化」による次世代の営業モデルとは

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。