【ライブレポ】乃木坂46・梅澤美波、後輩たちへ未来を託した卒業公演〈乃木坂46 14th YEAR BIRTHDAY LIVE〉DAY3

それは「乃木坂46のキャプテン」として走り続けた梅澤美波が、東京ドームという特別な場所で、自らの歩みとグループの未来を重ね合わせた、素敵なライブだった。
乃木坂46が、東京ドームにて〈乃木坂46 14th YEAR BIRTHDAY LIVE〉を開催。そのDAY3には、3代目キャプテンとしてグループを支え続けた梅澤美波の卒業コンサートが行われた。

開演前、場内のスクリーンに映し出されたのは、これまでの乃木坂46の歩みだった。暗転すると、「OVERTURE」に合わせて梅澤美波を中心としたオープニング映像がスタート。3期生、4期生、5期生、6期生とメンバーが次々に揃い、全員で東京ドームへ向かっていく姿が映し出される。それは、梅澤がキャプテンとしてグループを導いてきた軌跡を象徴するようなシーンだった。
気球に乗って登場した梅澤が、ライブの幕開けに選んだのは、自身にとって大きな転機となったセンター曲「空扉」。彼女の卒業コンサートの1曲目にふさわしい晴れやかな、青と水色のペンライトの輝きが会場を照らす。続く「孤独な青空」「狼に口笛を」では、乃木坂46らしい爽やかでまっすぐな空気感を東京ドームいっぱいに広げていく。


その後披露されたのは、卒業した盟友・山下美月がセンターを務めた「僕は僕を好きになる」。梅澤は同期である3期生メンバーとともに、グループの現在地を重ね合わせるように、力強くも温かな歌声を響かせた。最初のMCでは、メンバーたちが笑顔で梅澤を囲む和やかな空気に。小川彩は「梅さんは、いい意味で圧がある」と過去のエピソードを振り返り、会場中で「圧!」の大合唱が巻き起こる一幕も。東京ドームは、メンバーとファンの笑顔に包まれた“幸せの圧”で満たされていた。
続いてのブロックでは、梅澤美波と6期生による「ハルジオンが咲く頃」からスタート。この楽曲は、かつて〈5th YEAR BIRTHDAY LIVE〉で3期生が披露し、梅澤自身がセンターを務めた思い出深い一曲だ。


そのままライブは「新しい世界」へ。この曲は、梅澤が初めてオリジナルメンバーとして参加したアンダー楽曲。そして続く「ジコチューで行こう!」は、彼女が初めて選抜入りを果たした楽曲でもある。まるで梅澤美波の乃木坂46としての歩みをたどるような楽曲の連なりに、胸が熱くなった。
ライブはその後、ユニットコーナーへ突入。最初に披露された「失恋お掃除人」では、筒井あやめ、鈴木佑捺、奥田いろはが登場し、オリジナルの“若様軍団”ならぬ「梅澤軍団」を結成した。間奏では「若様!見ていますか!」とOG・若月佑美へ呼びかける場面もあり、コミカルな世界観を見事に再現。さらに曲のラストでは、若月がかつて披露していた「箸くん」の寸劇まで飛び出し、その本家顔負けの完成度の高さで会場を大いに沸かせた。


続いては、賀喜遥香、小川彩とともに「ファンタスティック3色パン」をキュートかつポップにパフォーマンス。この楽曲恒例の「メロメロセリフ」ルーレットも行われ、3人それぞれの甘いセリフに会場は大歓声に包まれた。さらにVTRで梅澤が「1年前、同期の小さい子(与田祐希)が卒業しました」と語る場面を挟み、その流れから披露された「悪い成分」では、高身長メンバーによるユニットを結成。長い手足を生かしたダイナミックなパフォーマンスで観客を魅了した。
ライブはさらに「踏んでしまった」で大人びた表現力を見せつけると、梅澤と同じ1999年生まれの田村真佑、弓木奈於とともに披露した「急斜面」へ。静かな情感の中に、乃木坂46らしい繊細な美しさを丁寧に描き出していた。


このブロックのラストを飾ったのは、遠藤さくらとともに披露した「歩道橋」。メインステージから歩みを進める梅澤と、後方ステージから現れた遠藤が、センターステージで静かに交わる演出が印象的だった。「人生の途中」を感じさせる歌詞は、「卒業」というテーマとも深くリンク。揃いの衣装で舞い踊る2人の姿は、観る者の胸を強く締めつけた。卒業する者と残る者。その関係性をあえて多く語らないからこそ、このシーンはより大きな感動を生み出していた。

MCでは3期生が集結。苦楽をともにしてきた同期たちとのやり取りは終始温かく、笑顔の絶えない時間となった。続くブロックでは、1stシングル『ぐるぐるカーテン』収録曲「失いたくないから」を、梅澤のソロ歌唱からスタート。スクリーンには1期生の姿も映し出され、乃木坂46の原点のひとつとも言える楽曲を受け継ぐ姿に、このグループが積み重ねてきた14年の歴史が重なって見えた。
その後は、梅澤が各期生メンバーとともにパフォーマンスを繰り広げるブロックへ。まずは6期生と「タイムリミット片想い」を披露。フレッシュな6期生にも負けない、梅澤の芯のあるパフォーマンスが光る。続く5期生との「泣いたっていいじゃないか?」では、曲のラストにメンバーそれぞれをイメージした花が手渡される演出も。そこには、後輩一人ひとりを大切に思うキャプテン・梅澤美波の優しさがにじんでいた。


さらに4期生とともに披露したのは、グループ屈指の熱量を誇る「日常」。ここでは「今の乃木坂46」が持つエネルギーを全力で叩きつけるようなパフォーマンスを展開した。鬼気迫るステージは圧巻であり、キャプテンとして後輩たちへ託す「覚悟」のようにも映る瞬間だった。
このブロックのラストは、同期である3期生とともに「世界はここにある」を熱唱。グループが歩んできた日々を肯定するように歌声を響かせると、続く「三番目の風」では3期生の原点へと回帰する。ステージに肩を並べる3期生4人の姿に、客席からは大きな歓声が送られていた。


VTRでは「乃木坂46のキャプテン」をテーマにした映像が映し出された。そこには、初代キャプテン・桜井玲香、2代目キャプテン・秋元真夏の姿、そして梅澤の副キャプテン就任から3代目キャプテン襲名、後輩たちと歩んできた時間が刻まれていく。オリジナルメンバーがいなくなった後の乃木坂46を背負う。その重圧は計り知れない。それでも梅澤は、誰よりも責任を抱えながら、誰よりもグループを愛し続けてきた。その思いが、映像の一つひとつから痛いほど伝わってきた。
映像後には、センターステージで乃木坂46が幾度となく行ってきた「円陣」を披露。メンバーたちが心を一つにすると、ライブは後半戦へ突入する。「人はなぜ走るのか?」から再び熱を帯び始めたステージは、続く「インフルエンサー」でさらに加速。センターを務めたのは、梅澤と次期キャプテン・菅原咲月。現キャプテンと未来を託される存在が並び立つ姿は象徴的で、東京ドームを巨大な熱狂空間へと変えていった。


さらに「帰り道は遠回りしたくなる」では、この公演が「卒業コンサート」であることを改めて強く実感させる。別れを受け入れながらも、その時間を少しでも長く味わいたい。そんな感情が会場全体に広がっていた。
ライブはいよいよクライマックスへ。披露されたのは、グループを代表する一曲「シンクロニシティ」。この楽曲は、梅澤が尊敬する白石麻衣からセンターを受け継ぎ、何度も歌い続けてきた、彼女にとって特別な意味を持つ楽曲でもある。キャプテンとして乃木坂46を支え続けてきた梅澤美波が、「シンクロニシティ」を歌うのはこの日が最後。その事実だけで、この日のパフォーマンスは特別な輝きを放っていた。
そして本編ラストを飾ったのは「My respect」。キャプテンとして過ごした日々、自分を支えてくれた仲間たち、そして乃木坂46への深い愛。そのすべてを込めるように歌われたその歌声が広い東京ドームに響いていた。

アンコールでは、梅澤美波が尊敬するOG・白石麻衣からのVTRコメントが上映された。白石は、「美波は、丁寧に、そしてしっかりと接してくれた後輩でした」と振り返り、「在籍中は、先輩である私たちに気を遣って、一歩引いている印象もありました」と当時の梅澤について語る。
その一方で、「乃木坂46が好きで入ってきて、グループへのリスペクトを誰よりも持っていた人」と、その誠実な姿勢を称賛。「誰よりもグループを愛している人でした」と、深い信頼を口にした。
さらに白石は、副キャプテンを決める際にスタッフと話し合ったエピソードにも触れ、「私もスタッフさんも、“絶対に梅澤しかいない”という同じ思いでした」と告白。「周りが見えて、グループの未来を考えられて、そして強さもある。キャプテンとしても、メンバーとしても理想的な存在です」と、3代目キャプテンとしてグループを支え続けた梅澤を称えた。
そして、「私が今も乃木坂46を誇れているのは、美波のおかげです」と感謝を伝えると、「卒業した後は、友達になれるといいなと思っています。お疲れさま。そして、ありがとう」と、温かなメッセージで締めくくった。白石から贈られた愛情あふれる言葉に、会場は大きな感動に包まれていた。

そしてステージには、黒のドレスをまとった梅澤が再び登場。彼女のサイリウムカラーである青と水色が東京ドームを染め上げる中、梅澤はファンへ向けて、これまでの感謝の思いを丁寧に語った。
梅澤はまず、「今日1日本当にありがとうございました。もうすぐ乃木坂46を卒業します」と静かに切り出し、「今この景色を見て、家族はきっと泣いていると思います。この景色こそが、私ができる最大限の恩返しです」とコメント。客席を埋め尽くす青と水色の光景に、感謝の思いを重ねた。
さらに、「今の私は、とっても強くなりました。きっと守るものができたからだと思います」と語り、加入当初を回顧。「身長がコンプレックスで、背中も丸くて、歌も弱くて、言葉にも敏感だった」と明かしながらも、「苦しかったことも、今振り返ればなんてことなかった。私はただ、乃木坂46が好きで、このグループで生きられていることが幸せだったんだと思います」と、グループへの深い愛情を口にした。
また、3代目キャプテン就任当時については、「先輩方が卒業されて、グループに危機感を持っていた時にキャプテンというバトンをいただきました。当時は重くて苦しかった」と本音を吐露。「ライブ中もMCや進行のことばかり考えてしまい、パフォーマンスに集中できない自分が悔しかった」と葛藤を明かした。
それでも、「それが悔しくて、 でもここまで全部、自分で大丈夫にしてきました。 絶対大丈夫、自分ならできるって、自分を信じて歩いてきました。不安な時は、横にいる仲間たちに力をもらってここまで来られました」と振り返り、「今はキャプテンという看板を誇りに思っています。もしもう一度乃木坂46の人生を歩めるなら、私は絶対に3代目キャプテンになりたい」と力強く語った。

さらにファンへ向けて、「私はどうやら、誰かの生きる希望になれていたみたいです」と涙ながらに語り、「でも、ファンの皆さんが愛を届けてくれなければ、私はとっくにステージから降りていました」と感謝。「今日まで、この青と水色のサイリウムに何度も助けられてきました」と、客席に広がる景色を見つめた。
さらにメンバーたちへ向けて、「乃木坂46でいられて幸せですか?」と問いかけ、「自分に自信が持てない時は、乃木坂46というグループに自信を持ってください。乃木坂は最強だから大丈夫。何より、あなたたちが乃木坂46だから大丈夫」と、キャプテンらしい力強い言葉を贈った。
そして最後には、自身のソロ曲「もう一つの太陽」に込めた思いについても語る。「私は、自分は太陽みたいな人ではないと思っていました。でも、『もう一つの太陽』という曲をいただいて、“私も誰かにとっての太陽だったのかな”と思えた」と心境を吐露。「雨の日でも曇りの日でも、太陽は見えないだけで、ちゃんとそこにある。そんな存在として、これからの乃木坂46の誰かの希望になれたら嬉しいです」と語りかけた。
そして、「今まで支えてくださったすべての人へ、感謝の気持ちを込めて歌います」と言葉を添え、ソロ曲「もう一つの太陽」を披露。センターステージにたった一人で立ち、静かに歌い始める梅澤の姿は、まるで力強く輝く「太陽」のようだった。スクリーンには、これまでメンバーたちと過ごしてきた数々の写真が映し出される。乃木坂46に憧れていた一人の少女が、やがてグループを支える「もう一つの太陽」になっていく。その軌跡が映し出されるたび、会場は深い感動に包まれていった。
その後、メンバーたちが再登場すると、「僕だけの光」「転がった鐘を鳴らせ!」「ガールズルール」を披露。スタジアムを周回しながら、ファンと笑顔を交わし、最後まで前向きな熱量を届け続けた。卒業ライブでありながら、涙だけでは終わらせない――。そんな梅澤自身の強い思いが、この時間には確かに表れていた。
ラストナンバーは「乃木坂の詩」。メンバーとファンが大合唱する中、梅澤は何度も客席を見渡し、深く頭を下げる。そして最後には、モニターにファンから梅澤へ向けた愛と感謝のメッセージが映し出された。それは間違いなく、梅澤美波という存在が愛され続けてきた証だった。

終演後には、後輩メンバーたちから梅澤への思いも語られる。6期生・瀬戸口心月は、「私たち6期生は、梅澤さんがいる時に加入できて本当に良かったです」とコメント。続く5期生・井上和も「安心できる思っていただけるように、これから先は頑張ります」と思いを伝えた。そして4期生・遠藤さくらは「私たち4期生のことを、一番信じてくれたのは梅さんでした」と語り、「今まで梅さんが抱えてきたものは、これからは私たち4期生の背中に預けてください」と決意を口にし、「もう私たちは大丈夫です。これからの乃木坂46の未来を、私たちが駆け抜けていくので見ていてください」と、涙ながらに力強く宣言した。
そして最後は、同期である3期生たちに導かれるようにメインステージへ。BGMとして流れる「空扉」の旋律に包まれながら、梅澤は乃木坂46という場所とはまた違う、「新たな扉」を開き、未来へ向かって歩き出した。
先輩たちから受け継いだバトンを守り、後輩たちへと繋いでいった3代目キャプテン・梅澤美波。彼女は、乃木坂46の歴史において大きな存在であった。そして乃木坂46は新キャプテン・菅原咲月のもと、新たな歴史を紡いでいく。彼女が受け継いだバトンは、これからも未来へと繋がっていくのだ。


取材&文 : ニシダケン
セットリスト
〈乃木坂46 14th YEAR BIRTHDAY LIVE〉DAY3
2026年5月21日 @東京ドーム
M0. Overture
M1.空扉
M2.孤独な青空
M3.狼に口笛を
M4.僕は僕を好きになる
M5.ハルジオンが咲く頃
M6.新しい世界
M7.ジコチューで行こう!
M8.失恋お掃除人
M9.ファンタスティック3色パン
M10.悪い成分
M11.踏んでしまった
M12.急斜面
M13.歩道橋
M14.失いたくないから
M15.タイムリミット片想い
M16.泣いたっていいじゃないか?
M17.日常
M18.世界はここにある
M19.三番目の風
M20.人はなぜ走るのか?
M21.インフルエンサー
M22.帰り道は遠回りしたくなる
M23.シンクロニシティ
M24. My respect
アンコール
EN1.もう一つの太陽
EN2.僕だけの光
EN3.転がった鐘を鳴らせ!
EN4.ガールズルール
EN5.乃木坂の詩
アーティスト情報
・オフィシャル・ウェブサイト
http://www.nogizaka46.com/
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