法人口座開設の「面倒」は、もういらない。――みんなの銀行が、新しい働き方のためにデザインした法人口座が目指す世界
事業を始める、あるいはスケールさせていく。その過程で多くの人が一度は経験するのが、法人口座の開設手続きにまつわる「面倒」ではないでしょうか。
膨大な書類への記入、窓口での長い待ち時間、複雑な手数料体系、そして、ひと昔前のデザインから更新されていないインターネットバンキング……。なぜ、私たちの貴重な時間や情熱は、銀行の手続きのために奪われなければならないのか。
この、事業を営むすべての人々が抱える根源的な“不”を解消するために。先月(2026年4月)、みんなの銀行は新たに法人向けサービス『みんなの銀行 法人口座』をリリースしました。
「ビジネスを、もっとスマートに。銀行の『面倒』を、シンプルに。」――私たちが、今回リリースする『みんなの銀行 法人口座』に込めた想いです。
デジタルバンクである私たちは、この言葉を現実のものとするために、何を考え、何を作り上げるのか。サービス開発をリードした二人のキーパーソン、小柳 満寛さんと宮川 透さんに話を聞きました。
聞き手:みんなの銀行 CXOオフィス 市原
すべての「面倒」をなくすために。開発の原点は、お客さまの“声”
個人向けサービスから始まったみんなの銀行が、なぜこのタイミングで法人口座を? その問いを投げかけると、二人は「すべては、お客さまの切実な声から始まった」と口を揃えます。
小柳さん(サービス業務企画部 業務企画グループ長):
「もともと、個人のお客さまだけでなく、将来的には法人のお客さまも含めた多様な銀行サービスを提供したいという構想はありました。ただ、その動きを一気に加速させたのは、BaaS(Banking as a Service)の提携先パートナー様からいただいた具体的なご要望でした
私たちがBaaS事業を通じて様々な企業と対話する中で、『個人向けのサービスは素晴らしいが、ビジネスで使うには法人口座が不可欠だ』という声を、本当に多くいただいていたんです。」
その声の一つが、BaaSパートナー様から寄せられたものでした。
小柳さん:
「例えば、数百円から手軽に利用できるサブスクリプションやサービスがあったとします。もし、その解約に伴う返金が発生した場合、従来の銀行システムでは、返金額とほぼ同等の振込手数料がかかってしまうことがありました。500円を戻すために、500円近い手数料を払う――。これでは、どれだけ素晴らしいビジネスモデルであっても、採算を維持することは困難です。
私たちのBaaSを活用するパートナー企業さまにとって、『より低コストで柔軟な法人口座』へのニーズは、単なる利便性の追求ではなく、ビジネスの存続に関わる切実な叫びでした。この切実な声こそが、私たちの開発を突き動かす原動力となりました。」
この声に突き動かされるように、まずはBaaS提携先限定での法人口座提供がスタート。そして、さらに多くのスモールビジネス事業者へのヒアリングを重ねる中で、その課題が一部の企業だけのものではないことを確信したと宮川さんは続けます。
宮川さん(サービスプランニング部 アライアンス企画グループ 兼 CXOオフィス 事業統括グループ シニアマネージャー):
「実際にスモールビジネスを営む小規模法人やフリーランスの方々にもお話を伺うと、誰もが同じような“不”を抱えていました。
『法人口座の開設に数週間以上がかかり、その間事業を開始しづらかった』、『インターネットバンキングが使いづらくて毎回ログインに苦労している』など、銀行がビジネスの足かせになっている事例が山ほど出てきたのです。
私たちは、こうしたスモールビジネス事業者の方々をこそ応援したい。彼らが本来のビジネスに集中できる環境を金融の力で作りたい。その思いから、事業者向けのサービス提供に向けた動きが加速していきました。」
こうした定性的な“声”を裏付けるため、私たちは定量的な調査も行いました。事業を営む方々が、銀行の法人口座に本当に求めているものは何なのか。大規模なアンケートを実施し、その声に真摯に耳を傾けました。
図:事業者194名への調査で、法人口座に求めるものとして「経済合理性」が47%と最も多く、次いで「手続き簡便性」「利便性」が続く結果となり、コストと手軽さへの強いニーズが明らかになった。
結果は明確でした。「経済合理性(手数料の安さなど)」を求める声が約半数。次いで「手続きの簡便性」、そして「利便性・イメージ・紹介」。まさに私たちが解決すべきだと考えていた課題そのものでした。
みんなの銀行は、サービス提供開始当初から「みんなの『声』をカタチにする」というコンセプトを何よりも大切にしています。
今回の『みんなの銀行 法人口座』で私たちが提供する価値、すなわち「経済的(デジタルバンクだから実現できたコストメリット)」「最短(オンラインで完結する手続き)」「使いやすい(優れたUI/UX)」という3つの特徴は、まさしくお客さまの“声”をダイレクトに反映した結果なのです。
【シンプル&スピーディー】事業のスタートを、止めない。申込みはオンラインで完結、最短翌営業日から
『みんなの銀行 法人口座』が提供する価値。その一つ目が、私たちが追求した「速さ」です。
従来の法人口座開設は、申込書を印刷し、ハンコを押し、登記簿謄本や印鑑証明書を揃えて郵送し、審査を待つ……という長い道のりでした。Webで「最短翌営業日」と謳っていても、実際にキャッシュカードやID・パスワードが郵送で届き、使えるようになるまで1〜2週間かかるのが当たり前。
この時間が、事業のスタートアップ期における大きな機会損失を生んでいたことは言うまでもありません。
小柳さん:
「お客さまへのアンケート調査では、法人口座に求めるものとして、手数料の安さなどの『経済合理性』が最も多く挙げられました。
それに次いで『手続きの簡便性』を重視する声も多く、インタビューでは『すぐにでも事業で使いたい』といった切実なご意見もいただいています。私たちは、このコスト意識とスピード感、両方に応えたいと考えました。」
『みんなの銀行 法人口座』では、申し込みはPCでオンライン完結。審査が完了すれば、最短で翌営業日にはメールで通知が届き、その瞬間から口座を使い始めることができます。
物理的なカードや書類の到着を待つ必要は、もうありません。
図:従来の銀行とみんなの銀行の口座開設プロセスの比較。書類の郵送などが不要になることで、利用開始までの期間が1〜2週間から最短翌営業日へと大幅に短縮される。
【使いやすい】もう、トークンは探さない。顔と指が、銀行の鍵になる
二つ目の価値は、徹底的に追求した「使いやすさ」です。特にその思想が色濃く反映されているのが、ログイン方法。
小柳さん:
「出張先で振込をしようとしたら、物理トークン(ワンタイムパスワードを生成するキーホルダー型の端末)を会社に忘れてきてしまい、何もできなかった、というお客さまの声を何度も聞きました。経理担当者の方などは、複数の銀行のトークンをまとめて管理しているケースさえあります。
これは、あまりにも面倒で、スマートじゃない。私たちは、この『トークンを探す』という行為そのものを、世の中からなくしたいと考えました。」
この課題を解決するために採用されたのが、物理トークンを完全に廃止し、次世代の認証規格「パスキー認証」でした。
小柳さん:
「パスキー認証は、スマホに搭載されている顔や指紋などの生体認証を使ってログインする仕組みです。IDやパスワードを覚える必要も、トークンを持ち歩く必要もありません。
セキュリティ面でも、従来のワンタイムパスワード方式よりもフィッシング詐欺などに強く、より安全です。この“圧倒的にシンプルで、かつ安全”な体験こそ、私たちが目指した『使いやすさ』の象徴です。」
図:従来のログイン方法とみんなの銀行で採用したパスキー認証の比較。物理トークンが不要になり、スマホの生体認証だけで、より安全かつ迅速なログインが可能に。
銀行のインターネットバンキング、特に法人口座でこのパスキー認証を全面的に採用している例は、まだほとんどありません。
テクノロジーの力で、ユーザーの「面倒」を根本からなくしていく。これも、みんなの銀行らしさの表れです。
【経済的】デジタルバンクだから実現できた、際立つコストメリット
そして三つ目の価値が、「経済合理性」です。
小柳さん:
「お客さまの声を分析すると、最も重視されている項目は、やはり手数料の安さでした。特に、事業を始めたばかりのスモールビジネス事業者にとって、固定費や取引ごとのコストは死活問題です。
私たちは、デジタルバンクの強みを最大限に活かし、業界最安水準(2026年4月1日時点)の手数料体系を実現しました。」
『みんなの銀行 法人口座』では、他行宛の振込手数料を130円に設定。これは、主要なメガバンクや地方銀行より大幅に安く、多くのネット銀行と比較しても競争力のある水準です。
さらに、普通預金金利も年0.5%(税引前)と、高水準を実現しています。
図:他行との手数料・金利比較(2026年4月1日時点、自社調べ)。『みんなの銀行 法人口座』は、競争力のある他行宛振込手数料と普通預金金利を提供する。
「みんなの銀行らしさ」を宿す、デザインの哲学
「最短・最安・使いやすい」という機能的な価値。しかし、二人が語る『みんなの銀行 法人口座』の真価は、それだけではありません。
小柳さん:
「私たちの揺るぎないこだわり、それがデザインの思想です。みんなの銀行には、UI/UXを専門とするデザイナーやエンジニアが内製で多数在籍しています。
サービスの導線一つひとつを、彼らがデザインの視点から『どうすればお客さまが迷わないか、心地よく使えるか』を徹底的に考え抜いています。これは、外部のパッケージシステムを導入している多くの銀行には真似のできない、私たちのカルチャーであり、強みです。」
では、その思想は具体的にどのようなデザインとして形になったのでしょうか。小柳さんが、本サービスのUI/UXデザインを主担当した、デザイン部プロダクトデザイングループの若林慶一さん・竹之下りえさんに代わって、その3つのこだわりを解説してくれました。
小柳さん:
「デザイナーが特にこだわった点として、まず挙げていたのがまず『導線(操作の分かりやすさ)』です。法人口座では、申し込みや取引の承認といったフローが発生しますが、お客さまが『今、どの手続き段階にいるのか』を直感的に理解できるよう、ステータス表示を工夫しています。『申請中』『承認待ち』といった状態が一目でわかることで、不安なく手続きを進められます。
次に『ライティング』。万が一エラーが起きた際も、ただ『エラーです』と表示するのではなく、『何が原因で、どうすれば解決できるのか』を、専門用語を避けた分かりやすい言葉で伝えます。
そして最後に『見た目』。すでに個人向けのアプリをご利用いただいている方も多いため、その世界観を壊さないよう、白と黒を基調とした、極めてシンプルな画面デザインを追求した、と。法人サービスだからといって、急に複雑な画面になっては意味がありませんから。
この3つの徹底が、ストレスのない体験を生み出すと信じています。」
このデザイン哲学は、「何をやるか」だけでなく「あえて実装しない」という選択にも表れています。今回のDay1リリースでは、あえて機能をミニマムに絞りました。
小柳さん:
「例えば、全額保護される代わりに無利息となる『決済性預金』への対応や、代表者以外の方が申し込む際のフローなど、従来の銀行にある機能を、今回はあえて『やらない』と決めました。なぜなら、それらを追加することで手続きが複雑になり、郵送など紙のやり取りが発生してしまう可能性があったからです。
まずは、最もシンプルで、最も速い体験を届けること。それが私たちの最優先事項でした。」
これはまだ、始まりにすぎない。Day2、そしてその先へ
多くのこだわりが詰まった『みんなの銀行 法人口座』ですが、宮川さんは「これは、壮大な計画のまだスタート地点にすぎない」と未来を見据えます。
宮川さん:
「今回のDay1リリースは、いわば“序章”です。私たちは、この先にあるDay2、Day3で、さらなる進化を計画しています。
例えば、今は法人のみが対象ですが、近い将来、個人事業主の方々にもサービスを拡大していく予定です。
さらに、今後もお客さまの声を直接聞きながら、請求書の管理や資金繰りの支援など、スモールビジネスを営む事業者のお金の悩みを解決する機能を検討・取捨選択し、スピーディーに追加していきます。」
そのビジョンは、単なる銀行サービスの枠に留まりません。
宮川さん:
「私たちが目指すのは、ユーザーが『銀行を使っている』と意識することなく、お金のやり取りや困りごとを解決できる世界です。
例えば、事業で使うECサイトやマーケットプレイスといったサービスの中に、みんなの銀行の金融機能が自然に溶け込んでいる。そんな、BaaSの思想に基づいた、真にユーザー中心の体験を構築していきたいと考えています。」
おわりに:未来のお客さまへ
最後に、このサービスを待っていたであろう、未来のお客さまに向けてメッセージをもらいました。
小柳さん:
「みんなの銀行の事業者向けのサービスは、まだまだこれからのサービスです。ぜひ、一度使ってみていただいて、良い点も悪い点も、率直なご意見をいただけると嬉しいです。皆さんの声をもとに、このサービスを一緒に成長させていきたい。そう強く願っています。」
宮川さん:
「これまで、自分たちにぴったりの銀行サービスが見つからないと感じていたスモールビジネス事業者の方々。私たちは、そういった方々にとって『”使いやすさ”を、誰よりも追求した銀行』になることを本気で目指しています。これは、そのための第一歩です。ビジネスの成長を止めずに加速させるための選択肢の一つとして、みんなの銀行を選んでいただけたら、これほど嬉しいことはありません。」
※この記事は、みんなの銀行公式ブログ「note」からの転載です。
最新情報やサービス詳細は、みんなの銀行公式サイトをご確認ください。
公式サイト:https://www.minna-no-ginko.com/
(執筆者: みんなの銀行)
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