【ライブレポ】月追う彼方、〈“the face”TOUR〉ツアー初日神戸公演で放った想像以上の熱量

【ライブレポ】月追う彼方、〈“the face”TOUR〉ツアー初日神戸公演で放った想像以上の熱量

北九州発のスリーピースロックバンド・月追う彼方が、5thEP「the face」リリースツアー〈“the face”TOUR〉の初日公演を2026年2月12日 神戸太陽と虎にて開催した。

エネルギッシュなライブと深く刺さるノスタルジックな曲の力が評価され、全国各地のサーキットフェスにも引っ張りだこになっている彼女達。待望の「“the face”TOUR」はバンド史上最大規模となる全国11ヶ所を回るツアーとなっている。その初日となる神戸でのライブにはメンバーが好きなバンドでもあるHello HelloとCAT ATE HOTDOGSを呼んで行われた。しっかり熱狂に包まれたその様子をレポートする。ネタバレを含む内容にはなっているが、是非こちらを参考に各地のツアーに参加して、あなたの顔を見せてもらいたい。

トッパーはHello Hello。1曲目「THINK」の初っ端からフロアのクラップ、サビでハンズアップを引き出して会場を温める。楽曲の世界観に合う春色の暖色系の照明も素敵だが、続く「フレンド」は季節が進み初夏のような爽快感のあるサウンドと照明に切り替わる。<二月が過ぎていく>という歌詞がこの時期だとより印象的な『黙然』も披露。終始このように様々な情景を描きながら、多彩な色彩、サウンド、ビートの引き出しとアグレッシブな演奏、ヤナギ(Vo.Gt)のレンジの広いボーカルと繊細に絡むコーラスで魅せていて、フロアも自由にノって楽しんでいた。月追う彼方の3人もそんなお客さんと同じように楽しんでいたし、バラードナンバー「マジックアワー」は、しほも染み入るように小さく揺れながら聴いていた。「月追う彼方は初めましてなんですけども、下北沢で挨拶させていただいた時に良いバンドだと思って、ライバルとしてやっていきたいと思いました。負けないように一生懸命歌いたいと思います」とヤナギ(Gt.Vo)は話し、終盤には今月リリースした新曲「群情」も演奏。軽快なメロディには、歌詞も相まって寄り添う優しさも内包されていて、まとまらないメンタルが落ち着いていく力がある曲だった。最後には「みんなと会えて相当嬉しかった!また会いましょう!」という言葉と共にキラキラとした「花火」をブチ上げて終了した。文中にも書いた“終始様々な情景を描く”というのは、月追う彼方の大事にしているノスタルジーなロックとの親和性が高かった。終演後に月追う彼方のファンが、Hello Helloのファンにセットリストを見せてもらう場面も。これからもこの2組にセンチメンタルな気持ちが救われる場面が沢山ありそうだ。

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2番手はCAT ATE HOTDOGS。メンバー板付の中、ひこ(Gt.Vo)の「やりましょ!」の合図で一気に轟音が鳴らされ「やってやろうぜ、神戸ー!」と叫んで「ノラネコ日記」からどんどん畳み掛ける。「やろうぜ!」「かかってこいよ!」という煽り、破壊力と随所に見える高い技術力、そしてまさに野良猫の如く野生味溢れるステージングに、フロアも「遊ぶしか!」と拳を上げて、声を上げて、汗も出るくらい楽しんでいた。3曲目には新曲の披露もあった。MCでひこは「ツアーって前の場所が良かったら「次はもっと良くしよう!」と思っちゃうんですよ。ということは今日が1番良かったらどうするんやろなと。そういう気持ちで挑みたいと思います。じゃあ絶対良いツアーになるやん!だからめっちゃ叫びます」と中盤も「カラッポ」「kikannju」とブッ放して盛り上げる。「みんなで良いツアーにしてやろうぜ!」という言葉に呼応するように楽しむフロアの一体感が美しかった。続くMCで、月追う彼方が翌日福岡でライブなこと、昨年自身も関西から上京したことに触れ「どこどこでとかという感覚ではない。日本のロックシーンをカッコいいもんだらけにしようぜ!と思ってます!」と伝えると拍手が起き「ね!ワクワクしたいだけやんな!ワクワクできるから音楽って、ロックンロールって最高なんですよね!何でもいいから新しいこと始めようぜ!」から始まる「GO GO ELEVEN」は曲にもキャプテンシーが溢れていて、つられてさらに一段とグルーヴが上がる。だからこそ最後の「月追う彼方の未来を歌わせてくれ!」で始まった「ハローミライ」での<なんだろー!>のフロアとの大合唱は彼女達にとって、かなり勇気をもらえるロックンロールなお見送りの景色になっただろう。

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そして月追う彼方のツアー1発目のライブが始まる。しほ(Gt.Vo)の甲高いギター、かおり(Ba.Cho)とななみ(Dr.Cho)のリズム隊2人の強く太い音が響き、そして既に3人は笑顔を輝かせながら「ツアー1日目!太陽と虎、来てくれてありがとう!月追う彼方です。よろしく!」としほが叫んで、早速クラップとサビでハンズアップが起こる「ハルジオン」で始める。その光景に「最高!」とお立ち台も使って全身で鳴らすしほ。かおりもワクワクが止まらない様子でフロアを見ながら動き回る。ななみはもちろん楽しさを隠さない力強いドラム。それを見たフロアも相乗効果で高鳴る心音をそのまま体に出して楽しんでいた。

【ライブレポ】月追う彼方、〈“the face”TOUR〉ツアー初日神戸公演で放った想像以上の熱量

【ライブレポ】月追う彼方、〈“the face”TOUR〉ツアー初日神戸公演で放った想像以上の熱量

あっという間に曲を重ねて最初のMCでしほは感謝と共に「しっかりHello HelloとCAT ATE HOTDOGSがカッコいいライブをしてくれたんで、ちゃんとケツ叩いてもらいました!良い1日を作っていければと思うので、最後までよろしくお願いします!」と力強く伝え、よりその心情が包み隠さない楽曲を演奏していく。だからこそ「うたかた」が始まった瞬間に、学生時代の教室の景色がパッと浮かんだし、その時に感じていた日々の煌めきが胸に溢れてくる。この真摯にノスタルジックなロックを鳴らす姿に、対バンの2組が目当てだったであろうお客さんもハンズアップしたり、噛み締めるように聴いている姿が印象的だった。そんな初めて彼女達のライブを見る人に向けて「私らは目の前にあなた達に届けるだけなんで。好きに受け取ってほしい。そして私らの曲があなた達の曲になってほしいと思っています!」という言葉の後には、Hello Helloもお気に入りという「beginning」をプレイ。真っ直ぐで不器用な性格な3人なのも分かるからこそ、歌詞の説得力が強い曲だった。バラードナンバー「余白」も披露。しほの歌声は真っ直ぐながらも、どこか憂いを帯びているところがあって、そこが心の近いところで鳴っているように聴こえる魅力があるのだけれども、バラードになるとその部分がより強調され、この曲の持つ無常感と夜明けのような柔らかな光が会場を包んでいた。

最後のMCではななみも感謝と出てくれた2組への愛が止まらず「好きなバンドが自分達のバックドロップの前でライブしてくれるのは特別な気持ちがあって、そりゃ滾らないわけないよなと思って、良いライブができています!」と説明。しほも「太陽と虎は2年ぶりに出演させてもらって、その時はお客さん1人、2人しかいなかったんですけど、今これだけの人の前でできているのは本当にみんなのおかげです。ひこさんが言ってた通りツアーなんて始まったら一瞬なんで、1本1本噛み締めて届けていきたいと思っています!」と決意を伝え、彼女達がこれまで鍛え上げてきたロックンロールは間違っていないことを証明する「ロックンロールが鳴りやまない」「内緒の話」を最後に気持ちよく届けた。

【ライブレポ】月追う彼方、〈“the face”TOUR〉ツアー初日神戸公演で放った想像以上の熱量

アンコールにも応えて登場。しきりに「ヤバい」「楽しすぎて終わりたくない!」と言ってる3人。「良い日にするぞするぞと意気込んでいたんですけど、想像以上に最高の1日がみんなのおかげで作れたと思ってます。この私らの魂がこもった1枚が各地に私らの手で届けられるツアーというのは、すごく特別な行為だと思っています。でも私らの気持ちだけでは完成しないんですよ。受け取ってくれるあなた達がいるから、こういうリリースツアーができてます。ありがとうございます。またツアーで関西圏は大阪に行くので(3月12日)、会いに来てください!」と伝え、最後までエンジン全開のロックナンバーで駆け抜けて神戸編は終了した。

【ライブレポ】月追う彼方、〈“the face”TOUR〉ツアー初日神戸公演で放った想像以上の熱量

00’s邦ロックを正統継承し、1つずつ現場で大切なものを手に入れながら成長してきた今の彼女達に死角は見当たらず、台湾から来ていたというお客さんも感動するなど、強固でカッコいいロックンロールだった。元々どの曲にも心をグッと掴むようなフレーズがあるし、恐らくこのツアーが終える頃には、リスナー歴問わず、思わず振り返るような“飛び抜けた個性”を身に付けているような気がしていて、革命前夜のようなワクワクが満ちていた。そんなんライブハウスが好きな人はいち早く目撃するしかないやん?そんな決意と充実感に溢れた彼女達の音楽に、4月24日のツアーファイナルまでに会いに来てほしい。

取材・文:遊津場
写真:マスダユウタ

アーティスト情報

・月追う彼方 x
https://x.com/tsukiou_kanata
・オフィシャル・ウェブサイト
https://tsukioukanata.com/
・〈the face〉TOUR詳細
https://eplus.jp/sf/detail/4274840001-P0030009P0030010P0030011P0030012P0030013P0030014P0030015P0030016P0030017P0030018P0030019P0030020P0030021?P6=001&P1=0402&P59=1&block=true

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