【オフィシャルレポ】朝倉さや、故郷・山形で新年幕開け

【以下、オフィシャルレポート】
暗転したステージに出てきた朝倉が1曲目に披露したのは、アルバム「良い一日を」の冒頭を飾る「いざ!」。勢いのあるリズムに乗せて朝倉のコブシが効いた伸びのある歌声が新年の幕開けを宣言する。
「いや〜幕開けたなって感じです」と挨拶し、軽快なシティ・ポップ調の「ドライブdeリセット」を披露。
続いて同アルバムから「秋田大黒舞 -Future Trax-」「わにねでこっちゃこい」を続けて歌唱。「秋田大黒舞 -Future Trax-」はお隣の県、秋田県に古くかた伝わる民謡で、正月などの目出たい時期に大黒天の服装をした芸人が家々を廻り「福の神が舞い込んだ」と歌い歩いた唄。まさにお正月にはぴったりの歌で、民謡日本一の真骨頂の艶やかな声のトーンでステージの勢いにますます拍車がかかる。「わにねでこっちゃこい」は山形弁で「人見知りしないでこっちにおいで」の意。まさにステージから観客に「みんなで楽しもうよ」と呼びかけているようだ。
「朝倉さやのコンサートは結構参加型なので驚かないでくださいね。でもグングン引っ張っていきます」と会場に語りかけ、「酒田甚句-Future Trax-」と自身の三味線の伴奏を添えて「花笠音頭」を披露し、客席も一緒になって歌えや踊れやのお祭り気分に溢れた。
続いて、大ヒットしたRPGゲーム「天穂のサクナヒメ」の主題歌「ヤナト田植唄・巫 -かみなぎ-」を歌い出すと一気に神代の空気がステージに漂った。

一旦ステージ袖に引っ込み、自身の分身キャラクターで貴婦人風の「サーヤ」に扮して登場。ここからはカバーコーナーがスタート。一昨年、東京・上野で開催され、朝倉も参加したベトナム・フェスティバルで覚えたベトナム語と山形弁で「涙そうそう」を披露した。言語は違っても、朝倉の伸びやかな歌声から歌の心がひしひしと伝わってくる。続いて「やさしさに包まれたなら」「異邦人」を披露。久保田早妃の「異邦人」を初めて聴いた時に一目惚れのように好きになったと思ったが、どうやら母親のカラオケのオハコで、物ゴゴロついていない幼い頃から頭のどこかに植え付けられた曲だったようだ。
この曲は2021年のアルバム「Life Song」に収録されているが、そのアルバムが3年経った昨年、ドイツのiTunes Store J-POPトップアルバム・ランキングで1位になったニュースを披露。「いつか行くワールド・ツアーにはドイツを加えます」と宣言した。

そして、ニューアルバムに収録した新曲を立て続けに披露。「クラゲ」は水族館のクラゲに惹かれながら「逆らわず 争わず 自然が教えてくれるまで ここに居ようよ」とそこに生き方を重ねるナンバー。会場の照明の演出で浮遊感たっぷりに歌い上げた。「日常 -shiyanbai-」はささやかな日常の中にある本当の幸せを歌った曲。最新アルバムの「良い一日を」のテーマの根幹にある楽曲だ。続いて披露した「おせち」は、一昨年亡くなった愛するハムスター“おせち”に捧げた歌。彼女の深い愛情と命の尊さが涙を誘う名曲だ。
「日常会話の中で『良い一日をお過ごしください』っていうけど、言葉を交わすと心がホッと温かくなります。英語でも『Have a nice day』って言うし、こんな素敵な想いが世界共通なんだなと思い、アルバムにこのタイトルを付けました。そして旅先や家で曲を作っている時も、出会ってくれたみんなの一日がいい一日になればいいなという願いを込めてアルバムを作りました」と語った。
本編の最後はやっぱりデビュー曲の「東京〜山形弁だべ〜」。当てもないのに歌手を目指して深夜バスで上京した時の心細さと、故郷の温かさを歌ったこの曲も、山形の地で山形弁で聴くとその温かみがさらに伝わってくる。まさに故郷を持つ全ての人への応援歌だ。
アンコールの1曲目は「おかえり 〜manzumamake~」。先ほど披露した「東京」に呼応するように、ふるさとの温かさ、ありがたさをしみじみと歌ったナンバー。帰った自分を「おかえり」「まずはご飯食べなさい」と迎えてくれる故郷への感謝と喜びを感じさせてくれる。
「新年始まったばかりの今日、一緒に時間を過ごしてくれてありがとうございます。今年の4月にはデビュー13周年を迎えます。ずっと自分の歌いたい歌を作って歌わせてもらって、そしてそれをみなさんが受け止めてくれる。それで13年続けてこれてるんだなぁとしみじみ思います。受け取ってくれる人がいるからステージに立たせてもらってる。ホンテン(本当に)ありがとうございます」と客席に感謝の気持ちを述べた。
そして2016年のアルバム「快進撃のミュージック」から定番曲「だもんでレボリューション」で会場は大盛り上がり。最後にアカペラで故郷のアンセムとも言える「花笠音頭」の「ヤッショーマカショー、シャンシャンシャン」を会場に捧げ、全20曲約2時間半のステージの幕を閉じた。
朝倉のルーツにあるのは故郷山形を愛する心と民謡。そこに彼女のささやかな日常が重ねられ歌が紡ぎ出される。ステージに上がっているのは、2時間半だが、そこには彼女が生まれてからの日常生活が凝縮されている。その嘘のない歌詞と歌声が聴く人の感情を揺さぶるのだろう。
昼間は雪がちらついた山形の寒空の中、観客はほっこり温かいものをお土産でもらったように笑顔で帰路についていた。
フォトギャラリー
フォトギャラリーはこちらからご覧いただけます
アーティスト情報
朝倉さやオフィシャル・ホームページhttps://asakurasaya.com/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
