映画『種まく旅人~醪のささやき~』菊川怜インタビュー 「日本の第一産業にスポットライトを当て応援するテーマにとても意義を感じました」

食を支える日本の第一次産業を応援するため、「映画を通して第一次産業の素晴らしさや豊かさを伝えていきたい」という想いのもとに製作が始まった『種まく旅人』シリーズ。その最新作、『種まく旅人~醪のささやき~』が全国順次公開中です。主演は菊川怜さんです。

シリーズ5作目となる本作は、兵庫県淡路島を舞台にした物語で、淡路島で作られる日本酒と兵庫県を代表的な産地とする酒米・山田錦にフォーカスした上で、そこに関わる人々のものづくりの精神と、現場で起きている問題や葛藤がリアルに描いた感動のヒューマンドラマとなります。

日本酒を愛する農水省の地域調査官・神崎理恵を演じる、主演の菊川怜さんにお話をうかがいました。

●本作は『種まく旅人』シリーズの最新作で、日本の第一産業を応援するために作られていますが、とても意味があるプロジェクトですよね。

そうですね。素晴らしいテーマだなと思いました。日本の第一産業がスポットライトを浴びる機会は少ないような気がしていて、どうしても新しいもの、最先端のもの、AIなどの第三次産業よりももっと新しいものなど、そういうものには目がいくものですよね。

でも、第一産業は昔からあり、伝統もあり、そこにスポットライトを当てて、改めてその価値・素晴らしさを伝えて、応援していくテーマなので、とても意義深く、やりがいがあるなと思いました。

●今回は日本酒がテーマです。その裏側にはたくさんの人々が関わっていて、いくつもの課題があることが浮き彫りになっていきますよね。

普段、日本酒や日本酒づくりに想いを馳せることや、深く自分事のように当てはめて考えることはないですよね。でも、今回映画を通してどっぷりと考える機会をいただいて、改めて日本酒づくりの大変さを知ることになりました。そこには多くの人の手がかかり、手間暇かけて、汗水垂らしてて、忍耐強く日々向き合い、粘り強く困難を調整して。そうして初めて美味しく飲める。そういうことに想いを馳せることはなかったんです。

●演じられた神崎理恵は、農水省の地域調査官という官僚ですが、役人というよりも日本酒への想いが強いオタク感がありましたね。

そうですね。官僚の役ということですが、あまりそのことを中心に考えてはおらず、本当に日本酒が好きで、大好きな日本酒をこれからも飲み続けて行くために親子の間に入っていろいろと調整しようとするんです。仕事よりも日本酒を愛する気持ちのほうが彼女の核。その核が種となって、人々の心に種を巻いて、それが豊かなものになっていったと思います。

●改めて本作に参加された感想はいかがでしょうか?

わたしはこの作品の前に仕事で酒蔵に行く機会があり、漠然と酒蔵のイメージはあったんです。でも今回初めて深く携わり、初めて知ることも含めて実感できることが多かったんです。なんとなく知った気になるのではなく、役柄を通じて当事者意識を持ち、あたかも自分も関わっているかのように接すると、モノづくりの大変さを知ることができて、日本酒をいただくときの気持ちも変わってくると改めて思いました。感謝の気持ちも生まれ、受け継いで守ってほしい願いも生まれてきたような気がします。

●今日はありがとうございました。

■公式サイト:https://tanemaku-tabibito-moromi.com/ [リンク]

■ストーリー

伝統的な手法を続ける兵庫県淡路島の老舗酒蔵に、農林水産省官僚の神崎理恵(菊川怜)がやってきた。日本酒産業のいまを知るべく、「日本酒オタク」の異名を取る彼女に視察の白羽の矢が立ったのだった。

理恵が訪れた千年一酒造では、伝統的な手法を貫こうとする蔵元の松元恒雄(升毅)と、新しい方法を取り入れていこうとする息子の孝之(金子隼也)がぶつかり合っていた。

蔵人の中には、女性蔵人の夏美(清水くるみ)を含め若手の姿もあるが、後継者を育てることに杜氏の草野(たかお鷹)は焦り、ほかの蔵人たちとの間にちょっとした誤解が生じていた。

直面する様々な問題を垣間見た理恵は愛する日本酒を守るため解決策を模索していくが、そんななか、千年一酒造に海外からの事業買収の話まで持ち上がり……。

全国順次公開中

©2025「種まく旅人」北川オフィス

(執筆者: ときたたかし)

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