アリ・アスター監督自らデザイン、『エディントンへようこそ』の奇妙な人形たち 「いくつもドローイングを描いた」[ホラー通信]
アリ・アスター監督最新作、小さな町の選挙戦が地獄のような大事件へと発展していく炎上スリラー『エディントンへようこそ』が12月12日(金)より公開。本作に登場する奇妙な人形たちを映した写真が到着した。アリ・アスター監督のコメントとともにご紹介する。
コロナ禍の町、エディントン。“NOマスク”を貫く保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)は、コロナ対策に熱心で好感度の高い市長テッド(ペドロ・パスカル)と衝突し、その勢いで市長選に立候補することに。二人の諍いの火は周囲に広がり、SNSはフェイクニュースと憎悪にまみれ、人々が分断されていく。
アリ・アスターらしい視点で人間の愚かさや醜さ、滑稽さを濃縮して描いていく本作。劇中で思わず目を引くのは、ジョーの家や職場のデスクに飾られている奇妙な人形たちだ。これらは、ジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)のハンドメイド作品。トラウマを抱えており、夫とも同居の母親とも心の距離があるルイーズは、自宅にこもって人形作りに没頭している。そんな彼女は次第に、カルト集団のヴァーノン(オースティン・バトラー)の配信動画にハマり、陰謀論に傾倒していくことになる。
ルイーズが作る人形は、無垢な可愛らしい顔と悪夢のようなフォルムが融合している。足のあるサナギのようなものから顔だけを覗かせる赤ん坊、口から大きな手を吐き出している白い頭、髪の毛同士がつながっている二つの頭など……。ルイーズはこれらの作品を販売しており、彼女のウェブサイトにはさらに興味深いデザインのものが並んでいる。これらの人形は、アリ・アスター監督の想像力から生まれたものだという。
アスター監督はこれらの⼈形について「ルイーズのためにイメージしたデザイン。いくつもドローイングを描いたんだ」「それをメキシコの⼈形職⼈に形にしてもらった」と説明。口数の多くないルイーズだが、これらの独創的な人形からは彼女が口に出さない想いが感じられるかのようだ。
さらに、このような人形を作り続けてきたルイーズが辿る心情の変化について、アスター監督は「彼⼥は(陰謀論者の)ヴァーノンとのつながりを感じると同時に、“人里離れた家で夫と母親と⼀緒に閉じ込められている”と考え始める。そして、彼⼥は過去に苛まれていて、理解されたいと感じるようになるんだ」と語っている。
『エディントンへようこそ』
2025年12月12日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
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