吉田栄作インタビュー「みなさんもスクルージと同じ気持ちで劇場を後に クリスマスに観るふさわしい作品」 ミュージカル「クリスマス・キャロル」開幕

ミュージカル『クリスマス・キャロル』〜Nation Tour 2025〜が、現在全国で公演中です。

本作は、イギリスの文豪チャールズ・ディケンズによる小説を原案にしたオリジナルミュージカルで、「クリスマス」の夜に繰り広げられる、不思議で心温まる12時間の奇跡を、鮮やかな音楽やダンスとともに描くミュージカルファンタジーです。人と人との繋がりや、人を愛することの大切さを、王道のミュージカルならではの華やかさと迫力の舞台で魅せます。

主役のスクルージ役は3年ぶり、2度目の登板となる吉田栄作さん。迫力ある演技力、卓越した歌唱力を活かして、近年は映画やテレビドラマをはじめ、ミュージカルやアイススケートショーなどでも活躍中。2022年に続いて、冷徹な守銭奴である主人公・スクルージ役に再び挑戦します。吉田さんご本人に作品にまつわるお話をうかがいました!

●ミュージカル「クリスマス・キャロル」が待望の再演となりましたが、またみなさんに名作を届けられることについていかがでしょうか?

前回の「クリスマス・キャロル」が2022年の3年前の上演だったのですが、今回は時間旅行の物語なので、3年経った自分が同じ作品をやる上でどのように変わっているのだろうかとまず想像しました。

また、吉田要士さんは3年ぶりの共演で、土屋アンナさんは今回初めてご一緒します。生身の人間同士の掛け合いで芝居はどんどん完成していくものなので、その積み重ねでいいものにしたいなと思っています。

●物語のテーマや世界観については、どのように受け止めていますか?

200年以上前から人々に愛されている作品ですから、観ていただければその理由は伝わるかと思いますが、子どもから大人まで老若男女が楽しめる作品になっています。ポイントとしては、人生経験を重ねた大人が観ると、身につまされる部分があると思います。

つまりそれは、人は生きていれば、誰もが自分の中にスクルージがいるからなんです。もし今謝ることができるなら、謝りたい人がいる。あの人とのあのことは後悔している。思い出したくないことがある。できればあの時代のことには触れたくないなど、経験を重ねていれば、そういうことが誰にでもあるはずなんです。それをこの舞台では目の当たりにすることになるから、自分に当てはめて考えてしまう。だから、憎たらしいスクルージにだんだんと同情を寄せていくような作品でもあるんです。

そしてラストを迎え、お客さんもスクルージと同じような気持ちになって劇場を後にするわけじゃないですか。だから、年の瀬のクリスマス前後に観る作品として、こんなにいい作品はないと思っています。

●大いに学びもあり、クリスマス感もあり、一年の総決算でもある年末にふさわしい作品ですよね。

自分自身のことも振り返ることもできますよね。たとえば家族がいれば、感謝をすることもできる最高の作品なんです。僕は演出家の西田(直木)さんにお伝えしたことがあるのですが、いつかまたお声をかけていただけるならもう一度出たいと思っていた作品だったので、声をかけていただいた時は本当にうれしかったです。

●もう一度出たいと思われるほど、演者の方も虜にしてしまうパワーがあったわけですね。

そうですね。前回「クリスマス・キャロル」をがっつりやってみて、西田さんの作る作品が好きなんでしょうね。あの時、これを数年後の自分がどうやるんだろうと思ったことと、この作品が持っているメッセージにももちろん惹かれました。作品を通じて観てくださる人たちに伝えたい大きなメッセージと、自分がエンターテイナーである意味が、どこか重なるようなところがあったからだと思う。

それと僕が作る音楽などと、メッセージの根底のところで重なる部分があったからだと思うんです。だから役者として関わらせていただける作品として、そういうメッセージをお伝えできるということは、自分がエンターテイナーである限り、素晴らしいことだと思うんです。

●ちなみに吉田さん自身はこの作品でスクルージと出会い、それこそ人生観のような価値観など、何か変化を感じることはありましたか?

スクルージと出会ってということではないけれど、僕の中にもスクルージ的な要素があり、基本的な誠意を持って生きていかないといけないとか、もっと感謝して生きようとか、そういうことを思う瞬間ってあると思うんです。それがスクルージに出会った頃にきっと考えていて、余計にそういう想いが強くなった。この作品を通して舞台を観に来てくださる方々にそういうメッセージを投げられるということは、素晴らしいことだなと思いました。

●最後になりますが、みなさんにメッセージをお願いいたします。

2025年の「クリスマス・キャロル」のナショナルツアーが、本州最北端の青森公演から始まり、全国12都市回ります。今回スクルージを演じるのは3年ぶり2度目になりますが、今回は前回以上にパワーアップした舞台作品を、ご観劇くださるみなさまにお届けに参ります。プレミアムなクリスマスの物語をどうぞお楽しみください。

■ストーリー

1843年のクリスマスイブ。ロンドンの下町で悪どい商売をしている守銭奴のスクルージは、街中の人から嫌われていた。その日の夕方、使用人のボブが給料の前借りを頼みに来た。実はボブの息子のティムは難病に侵されていて、今年が家族全員で迎えられる最後のクリスマスと覚悟し、少しでも幸せな思い出をつくるためであった。

その夜、スクルージは例年通り孤独なクリスマスを過ごしていた。すると突然、7年前に亡くなった共同経営者であったマーレイの亡霊が現れた。マーレイは「欲に取り憑かれた人間は死後の世界で悲惨な運命を辿るぞ」と言う。恐れおののくスクルージに、マーレイは最後のチャンスとして、自分の行いを客観的に見る為に、時間旅行へ行こうと提案する。渋々、クリスマスの精霊達と共に旅立つスクルージ。

美しくも切ない時間旅行の中で、スクルージは最愛の人・イザベラとの別れ(過去)を再び体験し、楽しさと悲しさのクリスマスの世界(現在)を目の当りにし、想像を遥かに超えた死後(未来)に苦悩する事に…。

<公演概要>
ミュージカル 「クリスマス・キャロル」〜 National T our 2025〜
原作︓チャールズ・ディケンズ
演出・台本・⾳楽︓⻄⽥直⽊
⾳楽︓張替政彦
振付︓吉⽥ 潔・中川久美

12 ⽉ 15 ⽇(⽉)〜17 ⽇(⽔) シアターH
公演問い合わせ︓サンライズプロモーション東京 0570-00-000
他、ツアースケジュール
12 ⽉ 6 ⽇(⼟) 宝⼭ホール
12 ⽉ 7 ⽇(⽇) 曽於市末吉総合センター
12 ⽉ 13 ⽇(⼟) とりぎん⽂化会館
12 ⽉ 18 ⽇(⽊) 刈⾕市総合⽂化センター
12 ⽉ 20 ⽇(⼟) 可児市⽂化創造センターala
12 ⽉ 22 ⽇(⽉) 松⼭市⺠会館
12 ⽉ 24 ⽇(⽔) IICHIKO グランシアタ
※最新情報と、各地公演の詳細は公式サイトにてご確認ください。

公式 HP︓http://the-musical.jp/xmas25/

(執筆者: ときたたかし)

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