【ライブレポ】≠ME、有明アリーナを揺らした特別な夜──≠ME特別公演2025

2025/11/29 19:30 OTOTOY

2025年11月28日・29日の2日間、東京・有明アリーナにて≠ME(通称、ノイミー)が特別公演を開催した。今年は2月1日にさいたまスーパーアリーナでの『≠ME 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』、6〜7月には全国ツアー「≠ME 全国ツアー2025『We want to find “カフェ樂園”』」を完走。さらにバラエティ番組では、“ももきゅん”こと櫻井ももが「千鳥の鬼連チャン」「ラヴィット」などで躍動し、グループは2025年を通して勢いを増し続けてきた。そんな今のノイミーの勢いをを求めて、会場には大きな期待を抱えた観客が詰めかけていた。

開演の瞬間、センターに姿を見せたのは冨田菜々風。今回のステージが「ツアーの大冒険の果てにたどり着いた“ジャングル”」であること、そしてこのジャングルには「楽器を演奏できる動物たち」が住んでいるという可愛らしい設定を説明すると、客席からは早くも歓声が湧いた。ステージ上には動物に扮したバンドメンバーが登場し、生演奏で会場のテンションを一気に高めていく。

荘厳な生バンドの「Overture」が鳴り響くと、観客のボルテージは一気にMAXへ。そのまま1曲目「君の音だったんだ」へ突入すると、有明アリーナはエモーションの渦に包まれた。「す、好きじゃない！」ではセンターステージで軽やかなダンスを見せ、「偶然シンフォニー」ではメンバーがトロッコに乗ってアリーナを縦横無尽に移動。ファンに笑顔を振りまき、序盤から距離感ゼロの熱いステージが繰り広げられた。序盤ブロックの締めくくりは「まほろばアスタリスク」。生バンドの力強いサウンドに乗せた歌声が、11月の空気をさらに鮮烈に彩った。

【ライブレポ】≠ME、有明アリーナを揺らした特別な夜──≠ME特別公演2025

自己紹介パートを挟み、ライブは一段と熱を帯びる。ロックに大胆アレンジされた「最強のラブソング」では、会場中がコール＆レスポンスで揺れ、そのまま炎が立ち上る演出の「ワタシアクセント」へとなだれ込む。アリーナいっぱいに轟く熱量が、この公演が“特別”と呼ばれる理由を雄弁に語っていた。

序盤を元気いっぱいに盛り上げると、メンバーによるお祭り映像が映し出され、会場の空気は一転してコミカルなムードに。ここではみるてん演じる“無茶振りユニット屋さん”が登場し、来店したメンバーたちに次々と異色のアレンジを求めていく。

まず最初に来店したのは河口夏音＆菅波美玲。ここでは「しゅきぴ」をまさかの盆踊りバージョン、「初恋シンデレラ」をミュージカル風に歌い上げ、客席からは笑いと歓声が交錯した。続いて櫻井もも＆谷崎早耶のコンビは、「スウィートシックルシックスティーン」を合唱風に、「仲良しシュークリーム」はケンカしながら歌うという難題に挑戦。2人の掛け合いが見事にハマり、会場が一体となって楽しむ姿が印象的だった。そして最後の来店者・永田詩央里は、まさかの「Overture」を歌詞つきで披露。終始ふにゃふにゃだったが、映像ブロックのオチとして完璧で、会場中がどよめきと拍手で包まれた。

【ライブレポ】≠ME、有明アリーナを揺らした特別な夜──≠ME特別公演2025

映像明け、その勢いのまま、しおみるコンビが「0120お助け屋さん」を披露。息の合ったダンスと歌声はさすがの一言だった。続いて、尾木、落合、河口、櫻井、菅波の5名がウェイトレス風の衣装で「ピーチティーとピーチパイ」をキュートに表現。

蟹沢、川中子の「ラストノートしか知らない」では、水辺に舞う妖精のような世界観でエモーショナルな歌声が響き渡り、有明アリーナの空気が一気に幻想的に染まった。ユニットブロックの締めは鈴木、谷崎、冨田の3人による「だだだ、だって。」。ベレー帽を合わせた秋冬らしいスタイリングで、愛らしいムードを存分に届けた。

しおみるコンビがステージに戻ってくると、ここからはミニ寸劇パートへ突入。本田がパンケーキとホットケーキの違いを熱弁するも、永田は途中から眠ってしまう……という“らしさ”全開の茶目っ気たっぷりなやりとりに、客席はほっこり笑顔に包まれた。

その流れのまま、ライブは「てゆーか、みるてんって何？」へ。“かわいい”を存分に詰め込んだ全力のパフォーマンスで空気を一変させると、「マシュマロフロート」では甘々な世界観を届け、観客はまるで夢の中にいるような表情を浮かべていた。

続けざまに「ポニーテールキュルン」へと畳みかけ、会場のボルテージは最高潮に。曲のラストは鈴木瞳美の満開の笑顔で締めくくられ、≠MEの“王道かわいい”を凝縮したブロックが完成した。

【ライブレポ】≠ME、有明アリーナを揺らした特別な夜──≠ME特別公演2025

一転、ゲーム画面のような映像が流れ始めると、会場はダンスセクションへ突入。息をする隙も与えないほどのスピード感あるダンスパフォーマンスの後に披露されたのは、「モブノデレラ」。感情を振り絞るように歌い上げるメンバーの姿が心を打ち、有明アリーナ全体が静かに、しかし確かに震えていた。

そこからライブは一気にクライマックスへ。「天使は何処へ」「君はスパークル」で圧巻のボーカルを響かせると、「はにかみショート」「秘密インシデント」では再びトロッコでアリーナを周回。ペアになったメンバーたちの仲睦まじすぎるやりとりに、客席は歓声と笑顔であふれた。

ラストブロックの幕開けは、冨田菜々風の独唱から始まる「神様の言うとーり！」。曲間でメンバーの名前を叫ぶコールパートでは、会場全体が揺れるほどの盛り上がりを見せた。そしてラストチューンは“ラストチャンス、ラストダンス”。切なくも力強いメロディーに想いを乗せ、メンバーは全身でこの2日間のフィナーレを描いた。

終演のエンドロールが流れ、静かに公演が締め括られる――と思いきや、映像がグリッジノイズで一変。突如表示された「EXTRA TRACK」の文字とともに、メンバーが再びステージへ登場した。

そして披露されたのは新曲「排他的ファイター」。闘志むき出しのアグレッシヴな構成と、挑戦的なパフォーマンスに会場は釘付けに。2025年を走り続けてきた≠MEの“戦う姿勢”を象徴するような1曲だった。

【ライブレポ】≠ME、有明アリーナを揺らした特別な夜──≠ME特別公演2025

アンコールでは、2025年の活動を振り返る映像が上映された。SSA公演、全国ツアー、映画の上映。そのどれもがグループの飛躍を物語っていた。

メンバーが再登場すると、「君を見かけた」「初恋カムバック」「僕たちのイマージュ」を客席の近くまで歩み寄って披露。近距離でのパフォーマンスに、ファンはひとりひとりの感情を受け取るようにペンライトを揺らしていた。

歌い終わるとMCが始まったが、その途中で会場がざわめく。突如スクリーンに“特報”が映し出されたのだ。

発表されたのは 2026年2月23日『7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』開催決定。しかも会場はKアリーナ横浜。このサプライズに、有明アリーナは割れんばかりの歓声に包まれた。

そしてラストチューンは「君と僕の歌」。グループのカラーである、エメラルドグリーンに染まった客席の光の海の中で、メンバーは「大きいステージに連れていく」という約束をあらためて観客と結び、2日間の特別公演は幕を下ろした。

この2日間で彼女たちが刻んだのは、ただのライブの記憶ではない。挑戦し続けた2025年の軌跡と、それをともに走り抜けた仲間とファンへの深い感謝、そして未来へとつながる確かな決意だ。

「大きいステージに連れていく」――。その言葉は、誓いであり、希望であり、約束でもある。
≠MEはこれからもはまだ走り続ける。
もっと遠くへ。
もっと高くへ。
そしてその先の未来も、きっとこの光の海の全員と一緒に――。

【ライブレポ】≠ME、有明アリーナを揺らした特別な夜──≠ME特別公演2025

ライブ情報

〈≠ME 特別公演 2025〉
2025年11月28日29日(土) 東京都・有明アリーナ
セットリスト

0. overture
1. 「君の音だったんだ」
2. す、好きじゃない！
3. 偶然シンフォニー
4. まほろばアスタリスク
5. 最強のラブソング
6. ワタシアクセント
7. 0120お助け屋さん
8. ピーチティーとピーチパイ
9. ラストノートしか知らない
10. だだだ、だって
11. てゆーか、みるてんって何？
12. マシュマロフロート
13. ポニーテール、キュルン
14. モブノデレラ
15. 天使は何処へ
16. 君はスパークル
17. はにかみショート
18. 秘密インシデント
19. 神様の言うとーり！
20. ラストチャンス、ラストダンス
21. 排他的ファイター