『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』井ノ原快彦&本上まなみインタビュー「自分が抱えている状況や環境にはまるところがあると思う」

2019 年に劇場アニメ『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が初公開されて以来、2023年公開のシリーズ第3弾までの累計観客動員数が300万人を超える“大ひっと”シリーズ『映画すみっコぐらし』。そのシリーズ最新作『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』が、10月31 日(金)に公開されました。

本作の公開を記念してナレーションを務める井ノ原快彦さん、本上まなみさんにインタビュー! すみっコたちの魅力についてうかがいました。

●今回のシリーズ最新作、製作が決まった時はいかがでしたか?

井ノ原:今回の作品が決まった時は、本上さんとまたご一緒できると思ってうれしかったです。これは毎回思うことなのですが、すみっコたちがどうなるのだろうとワクワクしました。台本はもちろん、映像がどうなるのかも楽しみだったので、収録を終えて観て、とてもかわいかったです。

本上:冒険モノは一番自分の心が踊りわくわくするのと、その世界観に没入できるので、今回も本当に楽しかったです。しかも空の上に王国があるって、小さい頃に夢見ていたようなことですよね。それが映像になり、すみっコたちが活躍しているなんてこんな素敵なことはないなと(笑)。

●ナレーションで構築していく作品という意味では特殊な印象も受けますか、おふたりの中で役割はどう捉えているのですか?

井ノ原:ふたりでナレーションしていることも含めて特殊ですよね。すみっコたちもしゃべらないですし。ただ今回は、わかりやすく文字で表現されていることが多くて、初めての人にもとっつきやすいと思うのですが、冷静に考えたら我々の存在って一体何だろうと思うんです。「どこの声だろう?」「何役だっけ?」と(笑)。でもそれが不思議で面白いところなんですよね。

本上:井ノ原さんがすみっコたちに寄り添ってくれているので、わたしはどちらかと言うと物語の進行役でいることが多いです。実際に井ノ原さんの声を聞いていると、この声以外はあり得ないと思うんです。ふわふわもちもちやわやわなすみっコたちを見守っていたいという感じが声になった時、この声しかないと。そういう意味では、井ノ原さんの声があってのすみっコだと思いますし、すみっコ自体が言葉を発しているわけではないけれど、すみっコの声ってこんな感じなのかなとも思えるような、イメージできる声だと思います。

井ノ原:ストーリー、脚本が本当によくできているので、僕自身は本当に何も心配せずに、ただ見守っています。よくおじいちゃんが、お孫さんに「そうなの? 楽しいの?」と言うじゃないですか。そんな感じに似ているというか(笑)、「いつも見てるよ」という想いでやっています。そして、ちゃんとお客さんに説明してくれる本上さんがいる。全体的な映画のあり方として唯一無二だなと。世界的にもなかなかないと思います。

●推しキャラはいますか?

井ノ原:僕は「えびふらいのしっぽ」推しなのですが、あのコがあんなことになっていくのかと(笑)。これはこの先もまだまだ、いろいろなすみっコたちの化学反応が楽しめるのではないかなとか、いろいろな想いの中であのようなカタチになっていったのかと思うと、これからも楽しみになりました。

本上:わたしは「しろくま」推しです。寒がりで北から逃げてきて、常にふろしきを持っているのですが、今回新たな衣装がそれぞれにあるので、どうなるのかなと思っていたら、衣装の下にふろしきが見えているんですよ(笑)。この存在感!これに胸を打たれました。ツボです。

●すみっコたちが愛されている魅力について改めてどう思われますか?

本上:みなさんがそれぞれに抱いているすみっコたちへの希望、期待、夢が、何も壊されることなく、昇華できている特別な作品だなと思います。自分自身も好きだったので余計にそう思いますし、いろいろな物語の中にすみっコたちがありのままでいることが、この作品の特別なところだと思っています。

井ノ原:本当にそうだと思う。意外性はあるけれど、「違うだろ」ということがないんですよね。

●改めまして映画を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

井ノ原:いろいろな見方があっていいと思いますが、いま自分が抱えてるいる状況や環境など、どこかはまるところがあると思うし、子どもの前だからとか大人だからとか関係なく、泣いて笑っていいと思うし、大人は泣けましたという人が多いんですよね。思い切り泣いたらいいと思います。その人のそれぞれいろいろなことを思い出して泣いたりすると思うので、映画館に浄化されにきていただければと思います。

本上:すみっコの映画は、全体のトーンとしはほんわかしているのですが、今回は水不足もテーマになっていて、いまの時代を反映していたり、わたしたちの抱えている課題がすみっコたちによってわかりやすいカタチで可視化されているようなところもあると思うんです。本当に毎回毎回、大事な思うポイントがしっかりあるんですよね。大人の人にも受ける、引っ掛かりがあるということも、支持されているところだろうと思います。

みんな愛らしい姿だから深刻にはなりすぎないのですが、そこが良くて。子どもから大人まで幅広い世界の方々が一緒に楽しんでいただける作品だと思います。

■公式サイト:https://sumikkogurashi-movie.com/ [リンク]

(C) 2025 日本すみっコぐらし協会映画部

(執筆者: ときたたかし)

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