アニメ『ステつよ』羽原信義監督に聞く作品へのこだわり「“ダークファンタジー”を表現するために影の分量を多くしています」

『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』、略して「ステつよ」が放送中です。

シリーズ累計(紙・電子)発行部数160万部超えの原作をTVアニメ化。 クラスメイトと共に異世界に召喚された高校生・織田 晶(cv.大塚剛央)は“勇者”を軽々と凌駕したステータス値の“暗殺者”の能力を得る。冤罪をかけられて逃げ込んだ迷宮深層でエルフの美少女アメリア(cv.水野 朔)と出会い…。これは晶が真の暗殺者になるまでの物語。

本作の監督を務める羽原信義さんに、作品のこだわりや今後の見どころについてコメントをいただきました!

◆現在放送中の「ステつよ」ですが、反響をどの様に感じていますか?

大変ありがたい感想を頂くことが多く、数字的にも良い結果が出ているのでホッとしています。チーム一丸となって頑張ったのが結果に表れて嬉しいです。

◆原作を読んだ時の印象と、アニメ化する上で難しいだろうなと想像した所を教えてください。→その部分をどの様に描こうと工夫しましたか?

一見、ありがちなストーリーと思わせて、緻密に張り巡らされた仕掛けと伏線に満ち、情報量がとてつもなく多い作品なので、取捨選択が大変でした。シリーズ構成の岡田邦彦さん、赤井まつり先生含めた原作チームとも話し合って、晶とアメリアの視点をメインにすることにしました。勇者パーティーのエピソードにもたくさん良いドラマがあったのですが、どうしても全12話には入りきらないので泣く泣くカットしました。アニメから入られた方には、ぜひ原作やコミカライズを楽しんでいただきたいと思っています。

◆美麗なアニメーションが話題ですが、周りのスタッフにこんな所が助けられた、ということがあれば教えてください。

ダークファンタジーの要素を画面で表現するために影の分量を多くしています。最近の作品は影が少ないのがスタンダードなので、影の付け方に悩まれたアニメーターも多かったようです。キャラクターデザインの岡田洋奈さん、斉藤香さんたちに指導してもらいました。アニメーターや仕上げさんたちが信じられないパワーで対応してくれました。鈴木朗さんの背景美術も、とてつもない密度とクオリティを短時間で上げて頂き感謝しまくりです!美術ボード(美術設定に色を付けたもの)が上がってくるたびにスタッフたちのテンションが爆上がりしていました。美しい美術に負けない色指定をしてくれた森ゆうきさんには、もう信頼しまくりの任せっきりでした。キャラクターの色、見事でしょ!そして僕がスケジュールを使い切った状態でマジ時間のない中、ダイナミックかつ繊細な3DCGを作ってくれた安田兼盛さん、シャープでやさしくて深みのある画面にしてくれた撮影監督の高橋昭裕さんにも頭があがりません!
ほんとうに助けてもらってばっかりの一年でした。

◆ストーリー面で、テレビアニメーションならではの「盛り上がり方」の工夫をどうされていますか?

なんといってもストーリー構成の見事さが盛り上がりを作る第一歩でしたね。ピンチになって「つづく!」とか、新しい敵が登場して「つづく!!」とか。それを見事に表現してくれた絵コンテの面々の豪華さ!監督経験者やベテラン、新人と多彩な才能が集まっています。
編集のタイミングも重要なポイントですが、いつもお願いしている小野寺絵美さんと組めたのが幸いでした。

◆今後の注目ポイントを教えてください。

第7話で「いい最終回だった」的な展開になりますが、まだまだこれからです!OPに出てるけどまだ本編で姿を見せていない重要な(炸裂した?)キャラクターも登場し、最後の12話まで突っ走ります!OP、EDも含めて見どころ満載の後半を、どうぞお楽しみに!!!

(C)赤井まつり・オーバーラップ/暗殺者のステータスが勇者よりも強い製作委員会

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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