【オフィシャルレポ】高城れに、ファンタジーな舞台で魅せたソロツアーファイナル
【以下、オフィシャルレポート】
今回は「御伽噺(おとぎばなし)」をテーマに制作されたコンセプチュアルなアルバムということで、アルバムの世界観がライブでどのように再現されるのか、どんなセットや演出が見られるのかと期待を膨らませて待っていたファンも多かったことだろう。
まずはオープニング。鳥のさえずりや風で木々が揺れる音など自然の雑踏とピアノやキラキラした音色が印象的なOVERTUREが場内に流れ出すと、メイド衣装を纏った4人のダンサーが踊りながらステージに登場。ミュージカルのオープニングのように、ホウキや本など小道具を使ったコミカルなダンスで物語の始まりを告げると、ステージ上手の階段上にある“おとぎの世界”への入り口のような窓から、大きなリボンをつけたフリフリのアイドル衣装の高城がステージへと現れ、「おとぎましょう」でライブはスタートした。ケルティッシュサウンドをベースにした楽曲の世界観、高城とダンサーによるメルヘンチックな振りつけも相まって、ファンタジーなおとぎの世界へと観る者を一気に引き込んでいく。そして、高城が落ちていた羽根を拾って、ふっと息を吹きかけて飛ばすと同時に、2曲目「Tail wind」へ。そして、次の曲「spart!」の間奏部分で、高城がストーリーテラーのように、「〈OTOGIMASHOW〉ツアーファイナルへようこそ!かけがえのない思い出を一緒に作っていきましょう!」と呼びかけると、会場からはひと際大きな歓声が上がった。
続いて、マーチングバンドのようなインストが流れ出し、4人のダンサーと共に敬礼すると、航海の幕開けを想起させる「Voyage!」へ。高城とダンサーはそれぞれ色違いのボストンバックを手に、パフォーマンスを繰り広げていく。そして、高城が1人になると照明が青へと切り替わり、ソロコンの定番曲「SKY HIGH」へ。「もっと声出していくよ!」とイントロで煽るとコールが沸き起こり、モノノフのボルテージがさらに高まっていくのが感じられた。特に、Bメロでの盛大な「れにちゃん!」コールと高城がステージを右から左へと移動しながらファンサを送る姿がとても印象的だった。
続いては、山崎あおいが作詞を手がけた「君色のひかり」。高城がステージ上の椅子に座って歌い始めると、ダンサーがボール型のライトを持ちながら登場。ライトを手にしたダンスパフォーマンスで楽曲に光を添えると、モノノフもステージ上の高城を照らすかのように、紫のペンライトの光をステージに向けて送っていく。そして、アルバム「OTOGIMASHOU」に収録された新曲「Lovely Monster」へ。新境地とも言えるような大人っぽいミディアムナンバーだ。大きな鏡のパネルを移動させながら踊るダンサー。その鏡に反射した光とミラーボールの幻想的な光が広がる中、紫の花を手に持った高城はセクシーに曲の世界観を表現し、楽曲の魅力をさらに高めていく。
そして、しっとりとしたピアノの音色が響き渡る中、センターに移動してスポットライトを一斉に浴びると「じゃないほう」へ。今までで一番濃いヒアリングを経て作られたという高城の内面を表したような1曲。曲の後半、ステージ下手に移動すると、重なり合ったパネルには、ポジティブなイメージの高城とは反するような物憂げな表情を浮かべたもう1人の高城の姿が映し出されていく。上手からの夕陽が射したようなオレンジ色の照明に照らされる中、最後の歌詞「もう一人の私を 紹介したくなったのは 君とこれから先も 歩きたかったからです」をそっと語りかけるように歌うと、見守るように聴いていたモノノフから大きな拍手が上がった。そんな心に響くような余韻を受けて、さらに「M&S〜ママパパへ〜」に続く。ステージ上の階段に座って歌い始めると、下手側のパネルには、手書きの歌詞と共に、幼い頃からの高城の写真がスライドショーのように次々と投影されていく。そして、ラスサビでこの曲を歌い上げる今の高城の映像へと切り替わると、ファイナルのみの演出としてアウトロで高城からのサプライズコメントが。「これまでの日々、どんな時でもいつも近くで見守って、支えてくれて1番の味方でいてくれてありがとう。私が日々もらっている愛を私も返せるように、たくさんの人の光となれるように「高城れに」としてまだまだ恩返しさせてね」と応援し、支えてくれているすべての人に向けた感謝の気持ちが今の等身大の高城の言葉で紡がれていた。今回のセットリストの中でも特にエモーショナルな2曲として、多くのモノノフの心に響いたことだろう。
ここで、ダンサーによるパフォーマンスタイムへ。白のパンツ衣装にチェンジしたダンサーが次々と登場して4つ打ちのリズムに乗ってダンスを披露。モノノフもクラップで盛り上げて会場をさらに温めていく。そして、高城がスタジャンを羽織って再びステージに登場すると、YouTube番組「はてな?を解明 名探偵れに姫」のオープニング曲「なんでなんでハテナん?」で後半戦がスタート。高城とダンサーは、?マークが付いたカチューシャを付けてコミカルなダンスとともにパフォーマンス。中毒性のあるキャッチーなサビのフレーズを繰り返す、少し幼い歌い方の高城の声がとても印象的だ。そのままステージ上でスタジャンを脱ぐと、「ポジティブ・アテンションプリーズ!」へ。モノノフの「れにちゃんコール」が大爆発する昨年からの人気曲。客席が紫一色に染まる中、圧倒的な多幸感に包まれると、照明がさらに濃い紫へと切り替わり「everyday れにちゃん」へ。2階席まで広がった紫色のペンライトの光が左右に揺れる光景は圧巻。曲のラストに向けて、モノノフの「れにちゃんコール」にどんどん力が込められていくと、続いて、かつてももクロがカバーした「最強パレパレード」を披露。かなりのレア曲ということもあり、イントロから大きな歓声が上がる。昔から見守ってきたモノノフには堪らない選曲。ミラーボールが回り、カラフルな照明に照らされる中、ダンサーを従えて5人で披露した振りつけにグッときたモノノフも多かったことだろう。そして、曲の終わりで高城が咳込むとそのまま「黒い週末」へ。「みんな、もっと声出して!」と煽りながら、お馴染みの振りつけでダンサーと共にパフォーマンスを繰り広げると、真っ赤な照明に煽られて、モノノフのコールにもさらに力が入っていく。曲の後半、コールやクラップで生み出されるこの曲の一体感と多幸感は格別。各メンバーのソロコンでもひときわ異彩を放つ力強いももクロ楽曲だ。今回、意外にもももクロ楽曲は(1曲はカバーだが)2曲のみ。ももクロ楽曲のパワーに頼ることなく、今回は高城がソロ曲の強さで勝負しているようにも感じられた。そして、ここからライブはさらなるピークへと向かっていくことに。
カミナリの音が鳴り響くと、続いて披露されたのは、ニューアルバムから「きみの世界をまもって!」。注目のバンドthe bercedes menzの田中喉笛が手がけたコール&レスポンスが詰まりに詰まったゴリゴリのロックナンバーだ。ステージ上には、ダンサーに加えて歌詞にも登場するドラゴンの姿が。高城は「みんなの歌声でドラゴンを蘇らせて!」と煽り、アカペラで「WOW-WOW…」のパートのシンガロングを促していく。この曲は、疾走感のあるバンドサウンドに乗せて、予め歌詞にコール&レスポンスの要素が組み込まれた、まさにライブを盛り上げるために作られたような1曲。特に、落ちサビを一緒に歌い、ラストのWOW-WOWのシンガロングで生まれる高揚感はライブならでは。共に歌い終えると、温かい気持ちにもなれる不思議な楽曲だ。これからもライブでさらに育っていく曲になるだろう。
さらに、横浜魅力発信タイアップソング「レニー来航!」へ。この曲では、4人のダンサーが大きなフラッグを振り、高城もフラッグを振りながらパフォーマンス。高城れにwithサイプレス上野とロベルト吉野(応援団長と旗手長)名義でリリースされたこのナンバーは、サイプレス上野のラップと絡み合う高城のラップ、途中に組み込まれた横浜市歌にも注目だ。モノノフもペンライトを左右に振って曲に彩りを添えると、スポットライトを浴びながらステージ中央に1人で立ち、高城自身が作詞した「message」へ。モノノフへの思いを込めたという歌詞を丁寧に誠実に歌い上げると、「皆さん、タオルの準備はいいですか?」と呼びかけて、再びダンサーと共にアルバムのラストに収録されている「シオン」を披露。高城にとっては、初のタオル曲。サビでは高城がライブで見てみたかったというモノノフが全力でタオルを回す景色が2階席まで広がっていた。そして、曲のラストで階段を上がると、おとぎの世界と現実世界とを繋ぐ窓の前へ。「さようなら もう行くね ありがとうを ずっと」と優しく歌い上げて、窓を出てステージを後にした。
実に18曲をほぼノンストップで駆け抜けるように歌い上げて表現された、不思議なおとぎの世界〈OTOGIMASHOW〉。その余韻に浸りつつも、会場からはすぐさま盛大な「れにちゃんコール(アンコール)」が沸き起こる。そして、ファンタジー感溢れる形にアレンジされたももクロのOVERTUREが流れ出し、衣装チェンジした高城が再びステージへと登場すると、「最後の最後まで、またまだ楽しんでいきましょう!」と呼びかけて、「まるごとれにちゃん」でアンコールがスタート。さらに、セットリストの後半やアンコールに必ず組み込まれる「一緒に」をパフォーマンス。「生きてく強さになれるなら 一生懸命この手を伸ばすから ずっとこのまま笑顔でいられるように 一緒に手と手をつないで歩んで行こうよ」というサビの歌詞は何度聴いても心に響く。最後に高城自身も紫色のペンライトを掲げて、モノノフと一緒に左右に振りながら歌う姿もとても印象的だった。
ここで、アンコールにして最初で最後のMCパートに。地元・横浜でツアーファイナルを迎えられた喜びや会場に集まったモノノフへの感謝の気持ちを伝えつつ、ファイナルだけのサプライズとして、1曲多く歌うことを発表。モノノフが歓喜する中、ツアーTシャツに着替えた4人のダンサーを従えて「Dancing れにちゃん」を披露した。そして、一緒にツアーを回ったダンサーの紹介を経て、最後にもう一度、今回のアルバムとツアーのキーとなっているリード曲「おとぎましょう」へ。クラップとコールが映える、ライブではオープニングでもエンディングでも印象的に響き渡る、不思議な魅力を持った楽曲だ。ダンサーと共にカラーボールを会場に投げながらパフォーマンスするなど、アンコールの最後の最後まで、ポジティブな高城らしい笑顔溢れる夢の世界がそこには広がっていた。
ライター:ATSUSHI OINUMA
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セットリスト
Overture 〜OTOGIMASHOW〜
01. おとぎましょう
02. Tail wind
03. spart!
04. Voyage!
05. SKY HIGH
06. 君色のひかり
07. Lovely Monster
08. じゃないほう
09. M&S~ママパパへ~
10. なんでなんでハテナん?
11. ポジティブ・アテンションプリーズ!
12. everyday れにちゃん
13. 最強パレパレード
14. 黒い週末
15. きみの世界をまもって!
16.レニー来航!!
17. message
18. シオン
EN01. まるごとれにちゃん
EN02. 一緒に
EN03. Dancing れにちゃん
EN04. おとぎましょう
リリース情報
『OTOGIMASHOU』
https://ototoy.jp/_/default/p/3059381
https://youtu.be/nBNefVogm-M
アーティスト情報
公式サイト:https://www.momoclo.net/
YouTube:https://mcz.lnk.to/SUBSCRIBE
X:https://x.com/mcz517_official
X(Label):https://x.com/momoclo_king_pr

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