かつてのレジェンド級メール職人たちが集結 ラジオ『沈黙の金曜日』の感動同窓会

10月3日放送のラジオ『沈黙の金曜日』(FM FUJI)は、番組史に残る特別な回となった。これまで番組を支えてきた歴代のメール職人たちが、それぞれの人生の歩みを報告し合う同窓会のような展開となったのだ。

きっかけは前週の放送だった。「かつての職人は今どうしているのか」という話題になり、パーソナリティーのアルコ&ピース・酒井健太が「リスナー同窓会をメールでやってみる?」と提案。古参の職人が今は参加していないリスナーに呼びかけ、この企画が実現した。

2013年4月から続く長寿番組ゆえに、現在の4代目アシスタント、乃木坂46・弓木奈於が知らない伝説級の職人たちの名前が次々と飛び出す。酒井が「”たたいてふすま”さんなんか、現役のときマジ凄かったんだかんな!」と”さん”づけで語る姿に、ラジオスターといえども一目置く存在だったことが、容易にうかがえる。8月に31歳で他界した環八太郎、カーブ投げたい、東北自動車道など、今や伝説となったビッグネームが続々と登場した。

そして寄せられた手紙には、それぞれの人生ドラマが綴られていた。3代目・中田花奈時代のリスナー「バスターエンドラン」はすでに結婚して子供もいると報告。2代目の永島聖羅時代の主力メンバーだった「なにわのロッキー」は、毎週大阪から夜行バスで代々木のスタジオに通い詰めていた思い出が明かされた。「今もリスナーと連絡を取り合って飲みに行く。それはすべて『沈黙の金曜日』のおかげ」という言葉に、弓木は「こんなに輪が広がっていたんですね」と、いたく感動。番組を通じて生まれた絆の深さに感じ入っていた。現在、彼は課長に昇進しているという。

同じく永島時代のエース的存在「論より証拠の大ライス」は、放送作家を目指して上京したものの借金を抱え、一旦地元に戻って工場で半年間働いた後、念願の放送作家デビューを果たした。現在はそれと並行して勤めていたアルバイト先で社員となり店長に昇進、そして「10月6日、入籍します」と幸せな報告が告げられた。するとなぜか弓木が「ガーーン!」と絶叫。酒井から「“おめでとう”だろ!」とツッコミが入る微笑ましい場面も。自分が番組に加わる前の職人ではあるが、なぜか独り占めしたくなってしまう弓木のリスナー愛が垣間見られた瞬間だった。

番組はkiroroの『未来へ』や福山雅治『家族になろうよ』といった、いわば“エモい曲”を流しながら、かつての職人たちの成長を祝福していた。聴く側と距離が近いラジオだからこそ実現した、温かな同窓会。それぞれの道を歩む職人たちの報告は、番組が単なるエンターテインメントを超えて、人と人とをつなぐ大切な場所であることを証明していた。

ちなみに弓木は、現在活躍中のメール職人の多くが無職、いや人生の充電期間中であることが分かると、「ここからなんにでもなれますね!」と前向きな言葉でエールを送っていた。先輩職人たちの人生が好転していったように、今のリスナーたちの未来にも無限の可能性が広がっていることを信じての応援だったのだろう。

(執筆者: 田中周作)

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