[ネタバレ有り]古川慎“バレルは闇落ちしたギア”「とにかく絶望して。もっと虚無で、と」アニメ『BULLET/BULLET』ウィールとの気になる過去も!本編YouTube期間限定配信中

世界が注目するアニメーション監督、朴性厚氏が手掛けるオリジナルアニメ『BULLET/BULLET(バレット/バレット)』 がディズニープラス スターで独占配信中&再編集版前後編が劇場にて上映中! 本作で重要なキャラクター「バレル」を演じる古川慎さんのインタビューをお届けします。
奪われたお宝を取り返す“盗み屋”——うっかり盗んだのは『世界の秘密』!?
底辺(ルビ:ジャンク)ども、ポップに世界を変えろ!
世界が注目するアニメーション監督、朴 性厚氏。「呪術廻戦」TVシリーズ第一期、劇場版『呪術廻戦0』、「NINJA KAMUI」など話題作を次々と手掛け、その圧倒的なアクションで世界を熱狂させた鬼才が、10年の構想を経て放つ、初の完全オリジナルアニメーション。

シリーズ構成・脚本は「ウマ娘 シンデレラグレイ」の金田一士氏、キャラクターデザイン・総作画監督は「HUNTER×HUNTER」の吉松孝博氏、コンセプト・メカニックデザインは「ガンダム」「STAR WARS」のボックスアートを手掛ける天神英貴氏、そしてカーアクションディレクターは「頭文字D First Stage」監督の三沢伸氏が担当。
盗み屋がうっかり盗んだ世界の「秘密」を巡り、炸裂するド派手なバトル、息をのむカーチェイス、次々と明かされる驚愕の真実。やがて、全貌を知った盗み屋たちは、自らの誇りをかけて世界を変える戦いに挑む――。
ノンブレーキの衝撃と、ハイテンションの感動が胸に突き破る、新たな“王道”エンタメがここに誕生。超ゴキゲンなノンストップ・アクションに、振り落とされるな!!
ディズニープラス スターで全12話が全世界配信中! さらに、1話~6話を編集した劇場版前編『BULLET/BULLET 弾丸疾走編』と、7話~12話を編集した劇場版後編『BULLET/BULLET 弾丸決戦編』が上映中です。
・映画「BULLET/BULLET」(バレットバレット)2nd PV | 7.16(金)ディズニープラス「スター」で独占配信!| 7.25(金)&8.15(金)2部作全国公開!
https://www.youtube.com/watch?v=JxAWVHYDiZ4
・映画「BULLET/BULLET」(バレットバレット)3rdPV | ディズニープラス「スター」で独占配信中!| 7.25(金)&8.15(金)2部作全国公開!
https://www.youtube.com/watch?v=zpggbkwtVNs

本作の鍵を握るキャラクター「バレル」を演じる古川慎に、本作やキャラクターの魅力をたっぷりと伺いました。
※序盤からネタバレを含みますので、ご注意ください。
「バレルとギアの唯一の違いがあるとするならば、まだ無垢だったこと」
民衆が暴動を起こさないリアルさも後編の面白さ
――バレルをどのように捉えられて演じられましたか。
古川:ギアは、自由を目指して外の世界に飛び出したいという気持ちを持って最初走っていくのですが、徐々にこの世界の秘密に気づいていって、それをどうにかしよう、変えようと動いていく少年なんですよね。
バレルは、過去にそれと同じようなことをしようとして、落ちぶれてしまった人ではあるんですよ。なので、“闇落ちしたギア”と言うとちょっと言葉がキャッチー過ぎるかもしれませんが、色々なものに負けてしまったギアというのが、大枠のバレルの僕の中の捉え方です。
だから、バレルはギアに対して過去の自分を見ているような錯覚に陥るし、そのやり方はもう無駄だったからやめろよという気持ちと、でも自分にも昔そういうところがあったなという、羨ましさと憎さみたいなものがずっとせめぎ合っている。
死んだような顔で色々やっているけれど、未だに人間臭さを捨てきれない人だなと感じますし、そういうところが僕は好きですね。
後半にかけての想いの吐露であるとか、彼の計画の顛末などというのは、いろんな面でギアと対比になっていて面白いなと思いながら演じさせていただきました。
――“闇落ちしたギア”とおっしゃいましたが、まさにギアと陰と陽のように描かれてるのかなと感じます。
古川:そうですね。昔のバレル=ロードは、きっとほぼギアだったと思うんですよ。
そして、ギアがかつて憧れていた英雄みたいな存在であるロード。彼もきっと、陽キャじゃないけれど、ハツラツとした自分の生き様というのは誰にも変えられない。変えられるものなら変えてみやがれ!ぐらいの信念を持ってやっていたんだろうなと。バレルから見るギアは、ロードだと思うんです。
でもロードは道半ばで、それが閉ざされてしまったとか潰されてしまい、バレルとして闇落ちしてしまう。そうなってくると、ギアとロードの違いってなんだったんだろう?というところであるとか、かつて同じような存在であったのであれば、感じるものも通じ合えるものもあるよねというところが、おそらく最終回に向けての積み重ね方だったんだろうな、と。そんなことは考えていましたね。

――演じる上で意識されたことや、ディレクションされたことはありますか?
古川:「とにかく絶望してください。もっともっと虚無でいいよ」と最初に言われました。1人の人間がそれだけ虚無になるってなかなかないじゃないですか。
でも、その虚無というか絶望みたいなものも、心を殺してそういう仕事をやっているという部分にすごく関わってきていて。じゃあなぜ心を殺してまでその仕事をやるのかというと、最後の一発大逆転を狙いたい。
この世界の根幹というか、本当に裏で牛耳っている人間に対して最後の一発を食らわせるためにそういう風に行動しているっていう。
虚無と言われていたけど、決して彼の人間性自体が死んでいないところが、蓋を開けてみるとやっぱり面白いなと思いましたし、その人間性が出てくるシーンや、ちょっとロードが顔を出す場面も、これまでが本当に心を殺していた分、押さえつけてたものが溢れ出している感じを表現出来ればいいなと思って収録に臨みました。
その時も、ディレクターの藤田さんと「こういう気持ちですかね?」と摺り合わせをさせていただいた上で、ギアに対して痛めつけながらも色々やったり、シーンを組み立てていったりしました。
――尚更、あのラストシーンのお酒を飲み交わすところがグッと来ますよね。
古川:そうですね。あそこは本当によかったですね。
――後編ではバレルの過去が明かされていきます。先ほど言ったロード(バレル)なりの選択をして、一応改革というか、政府の内側に入って革命を起こそうとしていたわけですが、その選択をどう感じましたか?
古川:この世界においては、僕はその生き方はカッコいいなと思いました。かつて凄腕の走り屋と言われていた人間だからこそ、現状凄腕の殺し屋に転じた部分もスキルの面でもあると思うし、しっかりとここでロードとして叩き潰されたからこそ、その反抗心で全部失ったけどこれだけはやってやる!という、最後に残っている1本の信念のようなところが、僕個人的には彼の中の魅力の一つだと思っています。
でも、そうだとしても、やっぱり寂しいですよね。かつての仲間も死んでしまったし、その状態で自分ができることはどうにかやり過ごして、敵の親玉に対して銃を向けるという。

――ギアは周りと組織を組んで表立って攻めて行きますが、バレル(ロード)は内側に入って内部から、という長期計画的なところが大人なやり方だなと思いました。
古川:確かにそうですね。子供と大人という対比でもありますよね、バレルとギアって。
ただ、唯一仲間としてまだ信頼していたウィールさんまで失ってしまったことが、バレルの絶望にも繋がっていっちゃったなと感じましたし、ある意味ついてない人だよな、とも思うんですけど。
でも、そんなウィールの死があって、バレルの抵抗があって、それで初めて見つかる打開策みたいなところはあったと思うので、ギアに対して良いトスを最終的には上げられたんじゃないかな。
そういうところも含めて、ちゃんと導いてあげられる大人としての魅力もあるんじゃないかなと思っています。
――ギアが対比として本当に真っ直ぐ過ぎて。バレルとクライマックスあたりで対峙したときに、ギアがバレルに対して「止まってしまったからだ」みたいなことを言いますが、ロードなりに動いてきたのに結構辛辣なことを言ってくるので、それがギアの良さでもあり、本当に真っ直ぐだなと印象的でした。
古川:確かに辛辣ではありますが、多分それはギアだからこそ言える話だと思うんですよね。他の人はバレルには言えないんですよ。
だって、頑張っているのは知っていたし、どれだけ絶望したかというのも知っている。そこは悲しい部分でもあるんですけどね。
「じゃあどうすれば良かったんだよ、まだお前動けんだろう」に繋げられるのはギアの良いところだと思います。かつてのロードを引き出させるに値する言葉だったなとも思います。

――また、一度ギアがみんなに放送で投げかけますが、でもみんな話を聞いてくれず、心を動かされなかった。あの流れはリアルで、大人になってくると変化が怖くて、知らなくてもいいことってあるのかな、と考えさせられる展開でした。
古川:確かに無垢だからできることと、知っているから頭でもう無理だなと理解してしまってできなくなることってありますよね。
だからバレルとギアの唯一の違いがあるとするならば、まだ無垢だったことなのかもしれないです。その世界の秘密を全部知ってしまった上で止まった、「あ、これもう無理だな」と思ってしまったのがバレルで。
「いやいや、まだまだやれることあるだろ。諦めたくねえよ」となったのがギアだった。
そういう比べ方はできますよね。
――そういうところがギアの主人公感というか。
古川:そうですね、そういう意味で言うと、やっぱりギアが主人公で良かったなって。
――でも、人は役割を与えられていると環境を変えるのは怖いので、やっぱりああいう対応になってしまうんですかね。
古川:そうかもしれないですね。それに対して何の疑問も抱かないところは、この世界もそうだし、実生活の我々も多分そうだろうなと。
だけど、「いや、でもな」と思った疑問は、やっぱり大切にした方がいいんでしょうね。
――本作は、少年漫画感があるのに、みんなが飼い慣らされてるというか、そういうところがとても私達の現実世界っぽくてリアルだなと感じました。すぐ暴動が起きないというか。
古川:監督はもしかしてそういったところを表現したくて10年構想されたのかなと。こういう作中世界ですし、暴動を起こしてもいいのに、妙なところがリアルで「あれ?」となるところも、後編の面白さですよね。
実際のところ、日本人は周りの空気を読んで動きにくいみたいなところはあるじゃないですか。そういう意味では、作中で飼い慣らされている人たちはすごく日本人的なのかなと思いますよね。
――本当に今の世の中を反映しているというか、ちょっと政治感を感じる、考えさせられる展開でした。
古川:かなりタイムリーな作品だなと。

――後編としての見どころや、印象的なシーンを教えてください。
古川:印象的なシーンばかりですね。
バレル的には、ギアと殴り合いをするところや、カーアクションを交えて協力してラスボスを倒すところもありますが、そういうアクションエンタメ的なところも含めて、先ほど言った現実との類似したテーマを感じる部分や、その“仄暗さ”みたいなものを体感した上で、最後の爽快感を楽しんでいただきたい。そこがやっぱり後編の見どころかなと思います。
――あと、ディズニープラスで配信ということもあるのかもしれないのですが、殺し屋の皆さんがアメコミ的ですよね。個性が強すぎて、殺し屋の皆さんの活躍も後編は派手だなと思います。
古川:敵として現れた人たちが意外な場面でキャッチーさを見せてくるところとか、確かにアメコミ的かもしれないですね。敵にもちゃんと愛嬌があるのがすごくいいですよね。そういうところもこの作品の面白さに繋がっているんじゃないかなと。
――ラスボス等含めヴィランたちも魅力的なんですけど、後編ではロボや合体など盛りだくさんで(笑)。
古川:はっちゃけるところは豪快にはっちゃけるところが、この作品の肝だと思います。
バレルはそことは全く無縁の人物ですが(笑)、すごく大味なところと、緻密に計算されたところが、バランスよく織りなしているのが、『BULLET/BULLET』作品全体の魅力なんじゃないかなと思っています。
――もし今後スピンオフなどがあるとしたら、どんな話を観てみたいですか?
古川:過去の話をやってほしいです。ナビィとダンパーとロードのエピソード0みたいな話や、どうして世界が荒廃していったのかとか観てみたいですね。

――また、ウィールさんとの関係がそこまで詳細に描かれていないので、なぜウィールさんはバレルに心酔しているのか、きっかけや理由がとても気になります。
古川:いただいた資料で、「なるほど。だからか」みたいなのは知ってはいるのですが、本編だと匂わせて終わっているんですよね。そこに関しては現段階で回収されない謎ではあると思うので、ぜひスピンオフを作っていただきたいですね。
そこが気になるとなってくると、やっぱりロードの過去編ですよね。
皆さんで声をあげていただけると、もしかしたら……。そういう伏線の残し方を監督がしているのかもしれないですしね(笑)。
ただ、設定資料では、ウィールさんは過去のバレルとちょっとした繋がりがあって。最初は敵だった人が賛同者になったみたいな、そういう形ですね。そのあたりを深掘りしていくと、さらにドラマが生まれていくんじゃないかなと思います。
でもウィールさんも世界の秘密を知っている人間ではあるので、そこに至る理由みたいなものは、本編でもしっかり示されているんじゃないかなと思いました。

――では、作品を楽しんでくれる方にメッセージをお願いします。
古川:何回も何回も、何度も何度も擦って観ていただきたいなと思っています。最後まで観ると、様々な人たちが魅力的に見えて、しっかりこいつら生きてるんだなと感じて、登場人物みんなを好きになるんじゃないかなと思うので、ぜひ何度も観ていただければ嬉しいです。
――ちなみに、1番好きなキャラクターはいますか?
古川:バレルは抜きにして、そうだな。エイ婆(ロボット「Qu-0213」の一人格)ですね! いつだってちゃんと支えてくれるおばあちゃんはこの作品の聖母のような存在ですよね。ギアにとってもそうだと思いますし、「Qu-0213」の4人格が徐々にいなくなったりしていくシーンとか、すごく悲しくて、消えないでよ!と思いましたし、大好きです。
――すごく魅力的ですよね。そこにも注目して楽しんでほしいですね!ありがとうございました!
・アニメ『BULLET/BULLET』第1話~第8話【期間限定・本編フル配信】| Disney+ (ディズニープラス)
https://www.youtube.com/watch?v=ls7jIyntjq4
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1期のセリフに2期の伏線が張られていた!? アニメ第3期『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』の見どころは?古川慎&鈴木崚汰インタビュー
https://otajo.jp/107145
※Otajoとガジェット通信は姉妹サイトです。
作品情報
『BULLET/BULLET(バレット/バレット)』
ディズニープラス スター で独占配信
【1話~8話】2025年7月16日(水)~
【9話~12話】2025年8月13日(水)~
<劇場版>
弾丸疾走編:7月25日(金)公開
弾丸決戦編:8月15日(金)公開
●キャスト
ギア:井上麻里奈
シロクマ :山路和弘
ノサ姉:釘宮理恵
カウ姉:花澤香菜
エイ婆:折笠愛
ナカ兄:関智一
ノア:瀬戸麻沙美
バレル:古川慎
ウィール:茂木たかまさ
リン:若井友希
●スタッフ
監督・原案:朴性厚
原作:E&H production・ギャガ
シリーズ構成:金田一士
キャラクターデザイン・総作画監督:吉松孝博
「ガッチャ」デザイン:辻野芳輝
コンセプト・メカニックデザイン:天神英貴
キーアニメーター:佐野誉幸、赤井方尚、諸貫哲朗
美術監督:赤井文尚
色彩設計:鎌田千賀子
3D統括:菅友彦
カーアクションディレクター:三沢伸
撮影監督:李周美
編集:柳圭介,ACE
音響監督:藤田亜紀子
音響効果:中野勝博
音響制作:INSPIONエッジ
音楽:堤博明
音楽プロデューサー:小林健樹
製作:ギャガ
アニメーション制作:E&H production
●主題歌
主題歌:『WORK HARD』
作詞:ちゃんみな
作曲:ちゃんみな、SLAY、AVIN、stevenc4stle、Opro
編曲:AVIN、SLAY 、stevenc4stle、Opro
歌:ちゃんみな
(NO LABEL MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
●エンディングテーマ
エンディングテーマ:『Glass Door』
作詞:Rei
作曲 : Rei
編曲 : Newspeak
歌:Newspeak
(Warner Music Japan)
●公式HPと公式X
公式HP:https://bullet-bullet.com/
公式X:https://twitter.com/ BULLETBULLET_PR
(C)E&H/GAGA
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