しりとりで使える「ん」から始まる言葉【2025年版ガイド】

しりとりといえば「ん」で終わったら負け──これは誰もが知る基本ルールです。しかし実は、「ん」から始まる言葉は意外と存在するのをご存知でしょうか?
この記事では、しりとりで使える「ん」から始まる言葉を日本語から外国語まで幅広く紹介します。次回のしりとり勝負で、みんなを驚かせてみませんか?
なぜ「ん」で終わると負けなのか?
しりとりは平安時代に「文字鎖(もじぐさり)」と呼ばれる類似の言葉遊びが貴族の間で行われており、その後の時代を経て現在の形に発展したとされていますが、「ん」で終わったら負けになる理由は諸説あります。
平安時代に成立した五十音図には「ん」が含まれておらず、「ん」は音図の体系から外れた文字でした。また、日本語には「ん」で始まる単語がほぼ皆無に等しいため、しりとりでは「ん」で終わると次の人が続けられず、負けとなるルールが生まれたとされています。
しかし、実際には「ん」から始まる言葉は存在します。主に以下のカテゴリーで見つけることができます:
・沖縄方言・琉球語
・外国の地名・人名
・古典用語
沖縄方言では当たり前の「ん」から始まる言葉
沖縄には「ん」から始まる言葉がなんと100以上も存在することが『沖縄語辞典』で確認されています。
<日常生活でよく使われる沖縄方言(「ん」から始まる)の一例>
・んかし:昔
・んじぐち:出口
・んぞ:男が恋する女を親しんでいう語
・んちゃ:土、土壌
・んなとぅ:港
・んに:稲
・んまが:孫
宮古島では「んみゃーち」が「いらっしゃいませ」を意味する挨拶として使われています。石垣島の「おーりとーり」、本島の「めんそーれ」と並ぶ、沖縄の代表的な歓迎の言葉です。
世界各地の「ン」から始まる地名
アフリカを中心に、世界には「ン」から始まる地名が数多く存在します。
<有名な観光地・世界遺産(「ン」から始まる)の一例>
・ンジャメナ:チャド共和国の首都
・ンゴロンゴロ保全地域:世界遺産に登録されたタンザニアの自然保護区
・ンガイ島:タイのビーチリゾート
・ンガパリ:ミャンマーのビーチリゾート
・ンブール:セネガルの観光都市
上級者向けには他にもンビニ(赤道ギニア)、ンジョレ(ガボン)、ンゼレコレ(ギニア共和国)、ンカイ(コンゴ共和国)、ンジョンベ(タンザニア)など、「ン」から始まる地名は数多く存在します。
「ン」から始まる人名
世界には「ン」から始まる名前を持つ著名人が多数います。特にアフリカ諸国では一般的な名前です。
<歴史上の重要人物や有名人(「ン」から始まる)の一例>
・ンクルマ:「アフリカ独立運動の父」と呼ばれたガーナ初代大統領
・ンナムディ・アジキウェ:ナイジェリア初代大統領で共和制移行の指導者
・ンドゥール:「歌うジャーナリスト」と呼ばれるセネガルの歌手
・ンボマ:「浪速の黒豹」の異名で愛されたカメルーン出身の元同国代表サッカー選手
・ン・ユイサム:香港映画界の巨匠「ジョン・ウー」の広東語の発音
なお、日本にも理論上「ん」から始まる名字があります:
・栂村(んがむら)
・兼坂(んねさか)
ただし、これらは実際に名乗っている人が確認されていない「幽霊名字」とされています。
古典落語に登場する「ん廻し」
実は「ん」から始まる言葉は、江戸時代の古典落語にも登場します。
「ん廻し」は広辞苑にも掲載されている古典落語で、前半を「寄合酒」、後半を「田楽喰い」と称して独立して演じられることが多い演目です。
この落語は、仲間内で「ん」がつく言葉を一つ言うごとに田楽を一つ食べられるという遊びをテーマにした物語です。現代のしりとりの原型とも言える内容で、当時から「ん」の扱いが特別だったことがわかります。
まとめ:「ん」マスターになろう
「ん」から始まる言葉は、想像以上に豊富に存在することがおわかりいただけたでしょうか。
次回しりとりをする時は、ぜひこれらの「ん」から始まる言葉を使って、周りの人を驚かせてみてください。ただし、使用する前にその言葉の意味や背景を理解して、相手に説明できるようにしておくことをおすすめします。
「ん」で終わらないしりとり、あなたも挑戦してみませんか?
※本記事で紹介した方言や地名、人名は2025年9月時点の情報に基づいています。発音や意味については地域や時代により変化する場合があります。
Image by Gerd Altmann from Pixabay

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