Apple Watchはすべてのモデルでバッテリー持続時間の延長を実現 新機能の高血圧通知機能は日本での実現はまだ先か?

AppleからApple Watchの新製品、「Apple Watch Series 11」、「Apple Watch Ultra 3」、「Apple Watch SE 3」が発表されました。すでに予約受付は開始されており、iPhoneの発売日と同じ9月19日に発売となります。

いずれのモデルもS10チップとwatchOS 26を搭載。Apple Intelligenceにより受信した内容を自動翻訳する機能やフィットネス「Workout Buddy」なども備え、前モデルよりバッテリー持続時間の拡大が図られています。

順当進化のApple Watch Series 11は最大24時間のバッテリー駆動時間を実現

Apple Watch Series 11は、今回で11世代目の順当進化モデルで、ケース素材によってアルミニウムモデルとチタニウムモデルが用意されています。通信機能の有無で、GPSモデル、GPS + Cellularモデルがあり、基本的にはケース素材と通信機能の組み合わせで、4つの構成の中から選ぶことができます。基本的な性能は前モデルから変わりませんが、バッテリーの持続時間は従来の18時間から最大24時間へと拡大されています。

アルミニウムモデルには、独自のIon-Xガラスに、Appleによる設計のセラミックコーティングが施され、ガラス表面を大幅に強化。傷に対する耐性が前モデルの2倍になりました。チタニウムモデルには、傷やひび割れに強いとされるサファイヤクリスタルが採用されています。

GPS + Cellularモデルでは、従来通り電話の着信やメッセージ送信、緊急サービス通報などが利用可能。新たに5G対応となり、音楽、Podcast、アプリなどのダウンロードも高速化するといいます。電波状況が悪いエリアでも受信を強化するためにセルラーアンテナも再設計されています。

ヘルスケア機能としては、米国などで高血圧通知機能を提供予定。慢性的な高血圧の兆候を検知すると、ユーザーに警告を発する事も可能。それ以外にも、睡眠中に装着することで、睡眠スコアの評価も行えるようになりました。睡眠中には、心拍数、手首の温度、血中酸素濃度、呼吸数などのデータを取得。睡眠時間、就寝時間の規則性、目が覚める頻度、各睡眠ステージにいた時間などを総合的に分析し、睡眠の質をより深く理解できるようになっているとのこと。

高血圧通知機能は米国食品医薬品局(FDA)の審査中で、Appleでは9月中の承認を見込んでいます。承認されれば、Series 9以降や「Apple Watch Ultra 2」以降のモデルでも利用可能になる見通しです。

不規則な心拍通知、心電図(ECG)アプリ、血中酸素濃度の測定、睡眠時無呼吸症候群のモニタリング、睡眠トラッキング、転倒検出などは従来モデルから引き続き使用できます。

衛星通信に対応し、最大42時間使用できるApple Watch Ultra 3

最上位モデルのApple Watch Ultraは、3代目となりました。衛星経由の緊急SOS機能に対応し、バッテリーも42時間駆動へ拡大。Apple Watch史上最大の画面サイズのディスプレイを搭載しました。

最大輝度3000ニトを実現したディスプレイの縁は24%薄くなり、ケースサイズを変えずに画面の有効領域を拡大し、LTPO3に対応した広視野角のOLEDパネルを採用。常時表示モードのリフレッシュレートが1分ごとから1秒ごとに高速化し、手首を上げなくても秒針の動きを確認できます。

衛星対応としては、携帯電話やWi-Fiの電波が届かない場所でも、緊急サービスにテキストメッセージを送信したり、友人や家族にメッセージを送信したり、位置情報の共有が可能となります。衛星経由の緊急SOS機能も搭載し、衛星経由の「探す」機能を使用すると、15分ごとに「探す」に追加した連絡先に位置情報を送信可能。アンテナも信号強度が2倍になるよう再設計されています。

Apple Watch Ultraならではの耐水性能としては、従来通り100mまでの耐水性能と、水深40mまでのダイビング機能を備えています。そのほかヘルスケア機能として、高血圧通知機能や睡眠スコアの評価なども搭載されます。

常時表示ディスプレイを搭載し、基本機能の底上げが図られたApple Watch SE3

Apple Watch SE3は、バッテリー持続時間が18時間に拡大、急速充電にも対応し、15分の充電で最大8時間使用できるようになりました。45分で約80%まで充電可能。

S10チップとwatchOS 26に由来する機能はほとんど使用可能で、心電図(ECG)や、血中酸素濃度ウェルネスなど搭載センサーやディスプレイなど採用ハードウェアによる機能差以外は、上位モデルとの差異はほとんどありません。

Apple Watch SE3でも十分なレベルに進化。必要な機能があれば上位モデルの選択肢もありか?

Apple Watchも標準モデルが11代目と進化を重ねてきており、もはや入門モデルのApple Watch SE3でも多くの人は満足できるレベルまで達しました。心電図(ECG)や、血中酸素濃度ウェルネス、水深6mまでのシュノーケリングなどの機能を求める場合、チタニウムの外装が欲しい場合などはApple Watch Series 11を選ぶ必要がありますが、それ以外ではSEで不自由することはなくなりました。それだけS10チップの性能が上がったのかなと思います。

Apple Watch Ultraに至っては、ディスプレイの大型化と最大輝度、衛星通信対応などのほか、ダイビングなどエクストリームな性能を要求する用途以外では不要なレベルです。もちろん、最上位機種を使いたい、他のApple Watchとは異なるデザインのものを使いたいというニーズには応えてくれそうですが、旧モデルからの買い替えを促進するまでには至らなそうです。

過去のモデル、ラインナップでは価格差と性能差が明瞭だったので、上位機種を選ぶ理由、動機があり、悩ましい状態でした。今回は全体的に底上げされ、新しい機種(SoC、センサ類のアップデート、追加など)で実現する機能も増えたことで、上位モデルを長く使うというよりは、手頃なモデルを都度買い換える方が、現時点ではコスパが良いのではと思います。

(執筆者: ipodstyle)

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