【ライブレポ】NakamuraEmi、地元・厚木への愛と歌う喜びが溢れた凱旋ワンマンライブ「私の街に来てくれてありがとう!」

【ライブレポ】NakamuraEmi、地元・厚木への愛と歌う喜びが溢れた凱旋ワンマンライブ「私の街に来てくれてありがとう!」

NakamuraEmiが、2025年9月6日に地元・厚木市文化会館でワンマンライブ〈NakamuraEmi 10TH ANNIVERSARY LIVE in 厚木市文化会館 〜 ただいま & いらっしゃいませ 〜〉を開催。全国から駆け付けたファンに、デビューからの足跡と感謝の想いを、地元愛に溢れた歌と演奏で伝えた。

神奈川県厚木市出身で、今もなお在住しているというNakamuraEmi。このライブは、来年1月に迎えるデビュー10周年を祝う地元凱旋ライブとして行われたもの。この日に向けて、オフィシャルSNSでは周辺のお店などを紹介する「NakamuraEmi ATSUGI map」が公開されたり、駅前のデジタルサイネージでライブが告知されていたりと、事前の盛り上げもひと際力が入っていた。本厚木駅から徒歩15分ほどの会場につくと、ロビーにはたくさんの祝い花が並んでいて、周囲はグッズを求める大行列。入り口ではNakamuraEmiの先輩がつくっているという「いかりみそ」の御品書きが配布されていたり、表紙を飾った「広報あつぎ」(2025年1月1日号)が置かれていたりと、街を上げてのお祭りムードとなっていた。

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「アルプスの少女ハイジ」をBGMにした 、Fm yokohamaのレギュラーラジオ「ふらっと道草」でもお馴染みの ”エミリー&ペーター” による影アナでほっこりと温まった客席が暗転すると、ステージ上の木で組まれた山状のオブジェが照明で浮かび上がる。バンドメンバー、カワムラヒロシ(Gt) 、伊澤一葉(Pf)、まきやまはる菜(Ba)、柏倉隆史(Dr)がステージに上がると、セッションがスタート。徐々に熱を帯びた演奏が、カウントと共にブレイク。カワムラの激しいストロークを合図に、「YAMABIKO」が始まると、割れんばかりの大歓声と拍手で迎えられてNakamuraEmiが登場した。センターで一礼すると、矢継ぎ早に言葉を投げかけながら、〈あの頂上の旗をにぎるため〉と歌うと後ろを向き、オブジェのてっぺんを指さす。サビで「OhOhOhOh」と大合唱が沸き起こり、オープニングから異様な盛り上がりぶりとなった。

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「厚木市文化会館へようこそ!」とひと声かけてから、「Don’t」へと続き、地を這うビートに乗せたフロウで観客を煽り、〈スポットライトも良いけど厚木市文化会館も最高だろう〉と歌詞を捩って歌うと怒涛の大歓声。軽快な「大人の言うことを聞け」でシェイカーを振りながら歌うと、伊澤の清廉なピアノの音色から始まった「雨のように泣いてやれ」で緩やかに体を揺らしてMCへ。

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「あらためまして、厚木市文化会館へお越しのみなさん、NakamuraEmiです!自分が生まれ育っていまも住んでいる厚木市でこうやってワンマンライブができること、厚木の方も遠方の方も、みなさんが足を運んでくれること、私だけじゃなくて厚木の方もうれしいと思います。本当に今日は来てくれてありがとうございます!厚木で出会った人や景色が歌詞になっているので、プロフィールには必ず神奈川県厚木市出身とつけていて。成人式も迎えたこのステージで歌えることをうれしく思いますし…(客席を見渡して)この中に私、お金かりてる人とかいないよね?大丈夫?(笑)。今日はみなさんへの感謝の気持ちと、素晴らしいメンバーとの音を楽しんでいただきたいです。私も楽しませていただきます!」

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メンバー紹介を挟んで、「使命」を歌う際には当時の上司にオフィスオーガスタ入りを相談したところ、その上司がオーガスタ所属のBARBEE BOYSの杏子ファンだったことで後押しされたことを明かして和ませると、真っ赤なライトがタワーのように天井まで伸びた「東京タワー」では孤独な心象風景を歌い、デビューから今に至るまでの足跡を辿るような歌が、バンドの繊細な演奏で描かれた。「スケボーマン」では、柔らかな演奏に乗せた息遣いも聴こえる序盤から、サウンドの渦に飲まれるように叫びながら余韻を残す終盤まで、ドラマティックな1曲にしばらく拍手が鳴りやまなかった。

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パーカッシブな演奏と共に起こった手拍子に乗ってラップした「おむかい」、“今日のライブが自分にとって親孝行になってるのかな”との言葉から歌った「いつかお母さんになれたら」、そろばんの先生とのエピソードを曲にしたという「一円なり」と、曲ごとに自分と誰かとの物語を語るように表現する。「セットリストを組むのに、厚木の曲がありすぎて。40曲もあるので、なんとか厳選しました」と明かすと、ステージセットを紹介。厚木は川で木を輸送していた街だったため、“集木”が街の名称の由来となっているという。NakamuraEmi自身、木が大好きということもあり、地元で木材加工販売をしている「remark」に依頼して、神奈川の山「大山」をイメージしたオブジェが完成したそうだ(終演後、模型がロビーでお披露目されていた)。MCに続いて、メジャーデビュー記念日にあたる今年1月20日に書き下ろしでリリースされた、厚木市のシティプロモーションオフィシャルソング「MICHIKUSA」を賑やかに披露。厚木を歌った曲でありながら、どんな人の地元にも当てはめて聴いたり歌ったりもできそうなところが最高だ。

「祭 (feat.Mummy-D)」を歌い出してしばらくすると、呼び込まれてスペシャルゲストのMummy-DRHYMESTER)が大歓声に迎えられて登場。「What’s up厚木ー!アガってこうぜ!」と呼び掛けると、うちわとペンライトを振って応える厚木オーディエンス。向かい合って歌う2人に乗せられて、この日一番の大盛り上がりとなった。曲が終わると「私が曲を聴いて、そこから人生が変わったお方です。RHYMESTERのMummy-Dさんです!」とリスペクトを込めて紹介。Mummy-Dは観客として観に来るつもりが、観に来るなら出て欲しいとのことで出演することになったようだ。「せっかくだからもう1曲」と、〈風がまた吹く〉と2人の声が重なり、RHYMESTERの「ONCE AGAIN」へ。1番をNakamuraEmi、2番はMummy-Dへとリレー。会場を思いっきり揺らすると、NakamuraEmiがフルートで曲を締めて、ガッツリとハグしてMummy-Dはステージを降りた。

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【ライブレポ】NakamuraEmi、地元・厚木への愛と歌う喜びが溢れた凱旋ワンマンライブ「私の街に来てくれてありがとう!」

勢いもそのままに、「梅田の夜」に突入。大阪・梅田シャングリラのイベントでヒップホップ勢と共演したことから生まれた曲だ。〈憧れのHipHop 人生変えてくれたHipHop〉Mummy-Dとの共演でさらに拍車のかかった絶好調のフロウを、オーディエンスも心地良いクラップで後押し。「かかってこいよ」では、激しいギターストロークを味方に〈厚木、かかってこいよ!〉と挑発的に盛り上げた。しっとりと歌われた「めしあがれ」、力強い「メジャーデビュー」と、プロデューサーで編曲も務めるカワムラのギターを伴奏に歌い上げる。自らの人生の歩みが曲になり歌となって演奏と共にライブがある。彼女の音楽が胸を打つのは、そんな音楽へのまっすぐ明確な姿勢だ。

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ここで、「スペシャルなお知らせ」として、昨年から始めた対バンシリーズ〈背負い投げ〉の4本目として、2026年1月31日(土) KT Zepp Yokohama にてUVERworldとの2マンライブを開催することを発表、どよめきが起こった。「是非、背負い投げされまくってるところを観に来て下さい!」。さらに、「自分が10周年までこられたのは、みなさんのおかげです。そんな感謝の想いを込めた新曲「デイジー」を配信リリースします」と、もう1つのサプライズ発表から早速ライブで「デイジー」を披露。動画撮影OKということで、スマホのライトがゆらめく中で、リラックスした包み込むような歌が広がっていく。新曲ながら、いつの間にか「ラーラーラー」とコーラスに合わせて大合唱となり、手を振りながら会場がひとつになった。

「地に足をつけて、これからもみなさんの街のライブハウスに歌を歌いに行ける、元気な心と元気な体でいたいなと、改めて思わせてもらいました。今日は私の街に来てくれて、本当にありがとうございました!」。

カワムラがおもむろにギターをかき鳴らしたイントロは、「YAMABIKO」。サーチライトが飛び交い、コーラスで一体となる最高潮の盛り上がりに。柏倉のドラムソロ、まきやまのベースソロ、伊澤のピアノソロ、カワムラのギターストロークと、メンバーのソロ回しでさらに興奮が高まると、「もう1回、あの方を呼びましょう!」と再びMummy-Dがステージに。「厚木のために、俺も「YAMABIKO」1バース書いてきました!Are you ready!?」と、〈ラップするのが俺の道なら〉に始まり、各メンバーの名前とパートを当てはめたリリックから〈厚木、盛り上がるのがお前らの道だろ!?〉と呼び掛けると、客席は「うおぉ~!」と怒涛の盛り上がりに。コール&レスポンスから、「Emiちゃんおめでとう!」と祝福を贈るMummy-Dの言葉を受けたNakamuraEmiに煽られて、会場全体から「OhOhOhOh」と、オープニングを超える大音量のやまびこが返ってきて大合唱となった。

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メンバー、スタッフ、チームへの感謝から、アンコールはカワムラと2人でステージに立ち、マイクを通さずに生声、生音のギターで「ファンレター」が歌われた。歌い出すと客席に降りたNakamuraEmiは、通路を歩きながら歌い、階段を昇り2階へ。途中、「そろばんの先生がいる!」と歓喜の声を上げる等、あちらこちらでお客さんたちと触れ合いながら歌い歩く。ぐるりとホールの客席をまわってステージに戻ると、「今日はありがとう~!」と感謝。メンバー全員がステージに集まって手を繋ぎ、客席に深々と一礼すると、ステージの緞帳が降りて、大いに盛り上がったNakamuraEmiの地元・厚木ワンマンライブは終演となった。

PHOTO:古賀恒雄
取材・文:岡本貴之

ライブ情報

NakamuraEmiワンマンライブ
〈NakamuraEmi 10TH ANNIVERSARY LIVE in 厚木市文化会館 〜 ただいま & いらっしゃいませ 〜〉
2025年9月6日(土)厚木市文化会館
Vo.NakamuraEmi / Gt.カワムラヒロシ/Pf.伊澤一葉/Ba.まきやまはる菜/Dr.相倉隆史
[Special Guest] Mummy-D(RHYMESTER)
〈セットリスト〉
1. YAMABIKO
2. Don’t
3. 大人の言うことを聞け
4. 雨のように泣いてやれ
5. 使命
6. 東京タワー
7. スケボーマン
8. おむかい
9. いつかお母さんになれたら
10. 一円なり
11. MICHIKUSA
12. 祭(feat.Mummy-D) With:Mummy-D
13. ONCE AGAIN  With:Mummy-D
14. 梅田の夜
15. かかってこいよ
16. めしあがれ
17. メジャーデビュー
18. デイジー
19. YAMABIKO  With:Mummy-D
EN1. ファンレター

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