映画『純烈ドキュメンタリー 死ぬまで推すのか』酒井一圭・白川裕二郎インタビュー「こんなに喜んでくれるんだったらやるしかないよね」

歌謡コーラスグループ「純烈」の初の武道館公演と、純烈ファンたちの熱い日々を記録したドキュメンタリー映画『純烈ドキュメンタリー 死ぬまで推すのか』が9月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国1週間限定公開となります。

【イントロダクション】2024年11月25日。歌謡コーラスグループ「純烈」は、初の武道館公演『純烈 魂』を開催した。売れない時代やメンバーの脱退加入など、数々の苦難を乗 り越えて華やかな大舞台に辿り着いたメンバーたちに、彼らを支えてきた約8, 000人のファンが全国から駆けつけ熱い声援を送った。
そんな涙の武道館の舞台裏にカメラが密着。現メンバーや元メンバー、長年 付き添ってきたスタッフから語られる純烈への思い。またその一方で、人生 の試練を乗り越えてきたのは純烈だけではなかった。 妊娠中に夫と死別、マルチ商法に手を出したパートナー、別れた旦那が自殺、 若い娘に全財産を奪われたなど、さまざまな過去を抱えたファンにもカメラ は寄り添い共に会場へ向かう。つらい時も悲しい時も、彼、彼女たちを支える“推し活”とは一体何なのか? なぜ、純烈は愛されるのか?

本作の見どころや、ファンの皆さんへの想い、これからの展望など、酒井一圭さんと、白川裕二郎さんにお話を伺いました。

――本作とても楽しく拝見しました。ファンの皆さんの日々の想いをご覧になっていかがでしたか?

酒井:こうやって応援してくれているんだ、という衝撃の数々でした。テレビ番組などで純烈を追っていただく時に、どういうわけかカメラがすぐお客さんの方に行くんですね。僕らの姿よりも、握手をして喜んでくれている姿などを印象的に映してくれて、それでどんどん全国に認知されていって、紅白(歌合戦)にまで出させてもらって。紅白初出場の時もセットの中にファンの方が50人入っていましたから。だから今純烈は3人グループですけれど、4番目、いや、1番目にファンがおるんちゃうかなって思います。

白川:ドキュメンタリー映画を作るとなった時に、自分たちだけではなくファンの方も出ると聞いて、「自分たちが7,8割出て、あとはファンの皆さんかな?」なんて思っていたんですけど、完成したものを観たら半分以上ファンの方で驚きました。
映画に出られた方も、出ていない方も普段コンサート会場とかでお話することがあっても、深いところまで分からないじゃないですか。今回こうやって、皆さんの様々な人間模様を見て、こんな大変な状況の中でも、応援してくれて、推し活を続けてくれることが非常にありがたいなと感じました。

――劇中の武道館ライブでのMCで、酒井さんがファンの方に「お父さんの体調どう?」と声をかけているシーンを見てすごく驚きました。

酒井:コンサート等でお話する時もそうですし、お手紙もいただくので、長く応援してくださる方、たくさん会いに来てくださる方はもちろん覚えますよね。息子みたいな気持ちでポロっと言ってしまったり、家族に言えないけど他人にはスッと言えることもあるじゃないですか。僕らがステージ上にいるものだからこそ、どうせ届かないやろと思って言ってくれてる部分もあると思うんですよね。
乳がんになってしまったという方がいて、次に会いに来てくれた時にはニット帽を被っていたり。そういう時はもう「帰ってこいよ」という気持ちなんです。
ファンの疾患すら把握している感じで、純烈になってから女性って本当に大変なんだなと気付けたんです。母親、妹、妻、みんなこんな大変な体調と付き合いながら頑張っていたんだって。これまで気付けていなくてごめんなさいと思いながら活動している部分もあります。そんな中、純烈の活動を喜んでくれるんやったらやるしかないよね。

――失礼な言い方かもしれませんが、このドキュメンタリーを観たら皆さん純烈を絶対辞められないですよね。

酒井:そうやねん! 映画を観た時も思ったし、今日も取材を重ねるうちにどんどん責任も大きくなっています(笑)。

――武道館ライブの様子が本当に感動的でした。

白川:ライブが始まる前は「今の純烈面白くないよ」とか言っている方もいましたけれど、見終わった後に「まだこんなに感動出来るんだ」とこぼしていて、素直な本当の気持ちだと思うので、やっぱり嬉しかったし、ありがたかったです。

酒井:改めて、純烈のファンって面白いなって思いました。こういう年代の皆さんが熱狂的になってくれるグループって良いなと思うし、ファンの方もだんだん亡くなっていってしまう年代だから、毎ステージが勝負やなって気が引き締まる映像でしたね。

――純烈とファンの皆さんの関係性を見ていて、距離が近いけれど、アーティストとファンとしての線引きも出来ていて、素晴らしいなと思いました。お2人が気をつけていることはありますか?

酒井:近い方が災いは少ないだろうな、と思うんですよね。お客さんが別のお客さんを潰しに行く様な行為であったり、度が過ぎていたらもちろん介入はします。最初はさりげなく行動して、2回目はMCなどで注意して、3回目またやったら出入り禁止ですという感じで。マナーを守って応援してくださるファンの方の方が悪意を“くらい”やすいと思うんですよね。なので、そうならない様に。

白川:あまりにも距離が近いなという人は最初は泳がしておきますが、あまりにもプライベートに踏み込んだり、他の方と争ったりしたらもう握手会とかでもその人だけすごく事務的に接したり。これが若いアイドルグループだったら、もしかしたらその辺は事務所がやってくれるのかもしれませんが、純烈の場合は自分たちで。

酒井:純烈にとっての適正な規模として、1,000人ぐらいのキャパが一番かなと思っていて。みんなと握手出来るし、後ろまでしっかり顔が見れますし。人が増えるとトラブルも増えてくると思うし、それで悲しむ人が増えるのは嫌なので出来る限り努力しています。

――本作はドキュメンタリー映画ですが、ライブシーンの迫力や楽しさも素敵で、いつかライブ映画も観てみたいなと思いました。

酒井:ライブ映画やりたいですね〜。4DXも面白いんちゃうかなと思っていて、スーパー銭湯のライブを中継して、映画館でもお湯が出てくるとか。お風呂の香りがするとかね。おばあちゃんのファンの方には激しい揺れがちょっと刺激的すぎるかもしれないけれど(笑)。

――次にどんなことをしてくれるのだろうと、皆さんワクワクしていると思います。今後やりたいこと、展望はありますか?

酒井:今は、原点回帰のタイミングかなと思っています。昔はレコード店でのイベントとか、スーパー銭湯でのライブも最初はキャンペーンの一環でしたり、無料で観ていただける機会がたくさんありました。今はファンクラブに入ったり、チケットを買わないとなかなか会えない状況なので。また無料のイベントやライブなどをやって、地元のヤンキーが「誰や?純烈かい」って観に来ちゃうみたいな状況も作りたいなと思っています。それがまた次のお客さんを生み出すことになると思うし、この先5年くらいはバランスをとりながら、キャンペーンのつもりで生きていきたいなと思っています。

――お会い出来る機会が増えるのは本当に嬉しいことですね。最後に、酒井さんは「男はつらいよ」シリーズ、白川さんは「大長編ドラえもん」シリーズが「好きな映画」ということですが、特にお気に入りのタイトルはありますか?

酒井:全部好きですけれど、『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』特に好きですね。太地喜和子さんがヒロインの。兵庫県たつの市で撮影をしていて、たつの市に行った時はロケ地巡りしました。

白川:『のび太と竜の騎士』、『鉄人兵団』、『雲の王国』…全部好きですね。今のドラえもんも良いのですが、昔の方が慣れ親しんだ声だったりするので、いつ観ても幼少期のワクワクした気持ちを思い出すんです。

――今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!

撮影:You Ishii

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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