静岡県の橋本組が、社長の自宅と社員の福利厚生施設を合築した複合空間「B.Base」開設

2025/09/03 00:00 ストレートプレス

「B.Base」の中庭(共用部)で、社員と家族がバーベキューやバレルサウナを楽しむ様子

静岡県焼津市に本社を構える橋本組が、住宅ブランド「はしもとの家」による新たな実践として、社長の自宅と社員の福利厚生施設を合築した複合空間「B.Base(ビーベース)」を開設した。

人と人をつなぐ、人と地域をつなぐ複合空間

足元に防滑製品「アベイラスアンプロップ」を敷詰め、滑らず安心して過ごせる

複合空間「B.Base」は、名古屋工業大学大学院准教授・伊藤孝紀氏監修による、「人と人をつなぐ、人と地域をつなぐ」をコンセプトに、分断が進む現代社会において“再びつながりを取り戻す”ことを目指す建築空間。8月19日(火)に共用部が先行オープンし、社員とその家族が最初の利用を楽しんだ。

複合空間「B.Base(ビーベース)」の原点は、「社員が集う社長の家」という記憶。「昔は、社員が社長の家に集い、家族のように食卓を囲んでいた」というのが、橋本組の社長・橋本真典氏が幼少期に見た光景だ。

その記憶を現代のかたちで再解釈しようと構想されたのが「B.Base」。核家族化やリモートワークの浸透によって、人と人の関係が希薄になりやすい今だからこそ、暮らしと仕事、個人と組織が自然に交わる“中間領域”が必要であるという強い想いから生まれたという。

「はしもとの家」モデルハウス

橋本組が展開する住宅ブランド「はしもとの家」は、“老いと向き合い、楽しむ家”をテーマに、身体にやさしいバリアフリー設計、心を和ませる光と風のデザイン、自然素材のぬくもりと高性能な耐震・断熱性といった哲学を持つ家づくりを行ってきた。

「B.Base」は、この思想を単なる住宅の枠を超えたかたちで体現。中庭を中心に据えた設計、全館空調、段差のない導線、自然素材に囲まれた共用部など、ブランドが大切にしてきた“人にやさしい空間”を、企業の福利厚生・地域交流の場にまで広げた“拡張型・はしもとの家”とも言える空間となっている。

また、「B.Base」は一度完成して終わる施設ではなく、社員や家族、地域の人々が使いながら育てていく“共創の場”なのだそう。入浴施設やバレルサウナ、中庭、ゲストルーム、ダイニングキッチンなどを備えた設計は、単なる休憩・宿泊の機能だけではなく、「人が集い、関係を深める場」としての役割を担っている。

今後は、地域にも開かれた共生拠点に育つよう、地域の人々を招いたイベントや宿泊体験なども視野に入っており、企業と地域社会が緩やかにつながる「開かれた存在」としての企業のあり方を発信していくとしている。

「B.Base」は見学も可能。希望する人は、橋本組に問い合わせしてみよう。

橋本組代表取締役・橋本真典氏は、「この度、念願だった福利厚生施設がようやく完成を迎えました。昔は毎日のように、社員が自宅に立ち寄り、家族のように笑顔を交わしていた日々がありました。

今の時代、『会社と個人の関係』はどこか希薄になりがちです。だからこそ、日本の社会情勢に一石を投じようと、自宅と社員のための施設を一体化する挑戦をしました。

初日に集まった皆さんの笑顔を見て、『造って良かった』と心から感じています。“はしもとの家の思想は、住宅だけでなくこうした場にも息づくのだ”と確信しました。今後は社員と家族、そして地域の皆様へも開かれた場所として、たくさんの笑顔と交流が生まれる場になることを願っています」とコメント。

孤立や分断が進みやすい時代において、「B.Base」は“つながりの再構築”を社会に発信する挑戦。企業の姿勢を空間化し、地域に開かれた存在を目指すこの取り組みは、新しい企業と地域の関係性モデルとして注目を集めている。

「はしもとの家」の思想を空間全体に広げた、複合空間「B.Base」の今後の展開に期待しよう。

(佐藤ゆり)

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