「富」とはなにか?
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
「富」とはなにか?
グローバル化で世界はフラット化して、途上国が豊かになる一方で先進国は貧しくなっていく…耳にタコができるぐらいよく聞く話だ。しかしそもそも豊かさ、富とはなんだろうか。
誰でも思いつくのが「お金」。お金をたくさん持っている人間が豊かなのだ。これに異論がある人はいないだろう。しかしお金とはそもそもなんなのか。お金とは基本的に物々交換を簡略化するための手段だから、突き詰めれば「物」をたくさん持っているのが豊かということになる。
では物をたくさん持っているとなぜ豊かなのか?
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豊かさとは物を持っていることそれ自体ではないと思うのだよね。物をたくさん持っているというのは「結果」に過ぎない。ほしい時にほしい物を手に入れられる状態が豊かなのだ。
え? だからそれはお金をたくさん持ってる状態なんじゃ…? それだと堂々巡りになってしまう。ほしい時にほしい物を手に入れられるというのは、影響力なのだ。権力といってもいい。
周囲への影響力が大きい状態が豊かなのだ。その現れ方がお金をたくさん持っていたり、社会的地位だったりする。
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影響力とはなんだろう。たとえば目の前に大量のスイッチが並んでいるパネルがある。そのスイッチをパチパチ入り切りすると、外界でいろんなことが起きる。火山が爆発したり株価が暴落したり…。それが影響力。
脳みそのニューロンを思い浮かべてみる。その出力があちこちの他のニューロンにつながっているニューロンは、影響力が大きいだろう。数だけではなく直接つながっているニューロンのその先につながっているニューロンの影響力も重要。
一方で自分も他のニューロンからの信号を受信し影響を受ける。
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貧しいニューロンというのは、他のたくさんのニューロンから信号を受信するけれど、出力側はあまりたいしたことない。小指を動かすとか、非常に限定的な影響しか及ぼさない。でも入力信号はあちこちから来るからこき使われる。下っ端のニューロンだ。
中枢部分に位置して、大量の入力を受信すると同時に大量の出力を送信するニューロンは、働き者のニューロンなのだろう。影響力もその働きに見合った量だけある。中堅的なニューロンといえよう。
大富豪的なニューロンは、あまり自分は他のニューロンから信号を受信しない。信号の送信もそれほどしない。でも何かの気まぐれでひとたびそのニューロンから信号が送出されると、さまざまなニューロンが連鎖的に影響うけて大騒ぎになる。
大脳皮質は6層になっているという。それぞれの層の役割もこんな感じになってるのではないだろうか。あくまで俺の妄想だけど(笑)。
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他から影響を受ける一方で他への影響力がほとんどないのが貧困層、影響力の収支が拮抗しているのが中間層、自分は他から影響を受けない一方で他に対する影響力が絶大なのが富裕層。こんな感じで分類できる。なんかtwitterのフォロワーのようだけど(笑)。
こうした視点で世界のフラット化を考えるとどうなるだろう。富裕層-中間層ー貧困層の形式は維持されると思うのだよね。おそらく富裕層を中心にピラミッド型になっている。そのピラミッドはたくさんあって、従来は先進国に多く分布していた。
それがフラット化を主張する人々の言うとおりになったとして、どうなるかというと、ピラミッドの分布が途上国にも広がるということ。富裕層-中間層ー貧困層のピラミッド自体がなくなるわけじゃない。
この構造自体は情報処理や経済の運営に不可欠だから、おそらく普遍的なパターンであり、あらゆる場面に「自然に」生じるのだろう。というよりもこのパターンの構築に失敗したシステムは生き残れない。大脳にしろ社会にしろ企業にしろ。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年06月19日時点のものです。
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