【オフィシャルレポ】豪華出演者たちが名曲の数々で観客を酔わせた〈昭和100年シンフォニック歌謡祭〉
2025年を昭和の年号で表すと、“昭和100年”というメモリアルな年になる。そんな折、6月21日に“昭和100年シンフォニック歌謡祭”と銘打ったイベントコンサートがすみだトリフォニーホールで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。
かつてテレビの音楽番組でオーケストラをバックに歌っていたリッチな演出を取り入れ、歌の良さを最大限に活かしたイベントは、なかなかレアだ。満員の客席には出演者のファンに加え、シニア世代や十代の中高生の姿もあり、親子三世代で来場したファミリーの姿も。改めて昭和歌謡ブームと、その幅広い人気ぶりをうかがわせた。
もちろん、出演者も超豪華。MCを務めたのは、昭和歌謡の大ファンという霜降り明星・せいや。彼はステージに設置されたバーカウンターにゲストを迎え、トークをはさみつつ、バーのマスターとして進行していく。名曲の歌い手には、松崎しげる、大友康平というレジェンドに加え、昭和のトップアイドルとして活躍した佐藤寛之(ex.光GENJI)、山本淳一(ex.光GENJI)、さらには現役アイドルの玉井詩織(ももいろクローバーZ)、AKB48から大盛真歩、倉野尾成美、田口愛佳という幅広い年齢層のメンバーが集結。名曲の数々で観客を酔わせた。
トップバッターは大友康平。持ち歌であるHOUND DOGの代表曲「ff(フォルテシモ)」や和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」を熱量たっぷりに熱唱し、冒頭から会場をアツくした。続く玉井詩織は「スローモーション」(中森明菜)や「プレイバックPart2」(山口百恵)をチョイス。色気のある歌を聴かせる。彼女は今年発売された中森明菜のトリビュートアルバムにも参加しており、安定感のあるボーカルを披露した。次にレジェンド、松崎しげるが登場。彼は盟友であり、昨年亡くなった西田敏行のヒット曲「もしもピアノが弾けたなら」を捧げるようにじっくりと歌唱。西田の形見である黒いハットを被りながらの歌声には心をゆさぶられるものがあった。
中盤にはex.光GRNJIの佐藤寛之と山本淳一がステージへ。熱狂的なファンの声援を受けながらアイドル史上に燦然と輝くヒット曲「ガラスの十代」と「パラダイス銀河」をメドレーで歌い、当時と変わらぬ若々しい歌声で元祖アイドルの底力を見せつけた。続いてはAKB48の大盛真歩、倉野尾成美、田口愛佳の3人が、それぞれソロでタイプの違う名曲を披露。倉野尾成美はREBECCAの「フレンズ」、田口愛佳は徳永英明の名バラード「レイニーブルー」、大盛真歩はヒロシ&キーボーの「3年目の浮気」を選び、いずれも生き生きと歌い切った。彼女達はせいやとのトークで「緊張しましたけど、楽しかった!」と語り、それぞれがオーケストラとのコラボに手応えを感じていたようだ。ここで歌いたい欲求がウズウズしてきたせいやがついにセンターへと進み、チューリップの「青春の影」で見事な歌声を聴かせ、本気度をアピール。その本格的な歌声には観客も息をのんだ。
このあと、出演者の歌唱タイムは二巡目へ突入。大友康平はアリスの「遠くで汽笛を聞きながら」、玉井詩織は昨今、十代にも認知度が高い松田聖子の「青い珊瑚礁」で観客を盛り上げ、AKB48の大盛真歩、倉野尾成美、田口愛佳はトリオ編成を活かし、キャンディーズの「年下の男の子」に挑戦。振りも歌も完璧にこなしてみせた。合間のトークで松崎しげるは「全部歌えちゃうんだよな!」と昭和歌謡の魅力をズバリ。イベントは大詰めに向かい、さらに熱を帯びていく。ここで佐藤寛之、山本淳一コンビは再び光GENJIの「勇気100%」を聴かせ、曲の合間には何と、ふたり同時に側転パフォーマンスを披露! 身体能力の高さを見せつけた。
ここで再び歌心に火が付いたせいやはテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」をしっとりと歌唱。難しい女性曲を見事に歌い切る。これには松崎しげるから「素晴らしかった! 訴えるものがありますね。ぜひコラボを!」という熱いオファーも飛び出した。こうしてイベントは大詰めへ。当然トリを担うのはやはりこの人、松崎しげる。そして、歌うのは誰もが知る国民的名曲「愛のメモリー」だ。彼は御年75歳とは思えぬパワーボーカルで観客を圧倒。オーケストラとも完璧なコンビネーションでキャリアの重みを存分に発揮した。満場の喝采を浴びつつ、彼は「フィナーレは出演者全員で歌いたい」と提案。“また集まりたい”という思いを込めて尾崎紀世彦の「また逢う日まで」を届け、ステージと客席との一体感を最高潮に引き上げた。
ここまであっという間に感じられた“昭和100年シンフォニック歌謡祭”。丁寧に練られたイベントだけに、できるものならこの企画の続編を期待したい。
ちなみに、この公演の模様は9月にWOWOWでオンエアされる予定なので、実際のライブを見逃した方はぜひ映像で楽しんで欲しい。もちろん、9月6日は松崎しげるが主催する“黒フェス”(@豊洲PIT)も控えているので、今後も歌の素晴らしさをライブで楽しめる機会が続きそうだ。
イベント情報
〈昭和100 年シンフォニック歌謡祭〉
2025年6月21日(土) すみだトリフォニーホール
出演:MC:せいや(霜降り明星)
歌手:
オーケストラ:グランドフィルハーモニック東京
フォトギャラリー
フォトギャラリーはこちらからご覧いただけます

- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。