まさか夏にかかとのトラブルが?過酷な温度差が招く“かかと荒れ”にご用心

素足になる機会が増えてくるこれからの季節、普段あまり見ることのない足の裏を見て、荒れてしまっていることに気づき、慌てた経験がある方は多いのではないでしょうか。

乾燥しやすくなる秋・冬だけが「かかと」のトラブルシーズンと思われていますが、実は近年は猛暑の影響により、夏でも「かかと荒れ」に注意が必要となっています。

 

「夏のかかと荒れ」の原因とおすすめのケア方法

気温が30℃を超える日も、昨今では早い時期から訪れるようになりました。

2025年5月20日には、東京で今年初の真夏日を記録するなど、梅雨シーズンを前に暑い日が到来しています。

気温が30℃を超えると、アスファルト付近の温度は60℃以上に達することもあり、一方で冷房の効いた室内は足元に冷気が滞留することで、床は室温よりも約3℃低いのが標準。

断熱材のない一般家屋では、この温度差がさらに大きくなる場合もあるため、昼間に外出を繰り返す際は、この温度差を一日のうちに何度も体験することに。

特に地面に接する足元は、体の中でも過酷な温度差に晒されているのです。

 

かかとは荒れやすい末端部位

野村皮膚科医院で院長を務める野村有子先生によると、かかとは体重の約70%もの圧力が常にかかっており、かかとを含めた足の裏には皮脂腺がないため、自らうるおいを保てず乾燥しやすい部位。

さらに、かかとは体の末端部位ということもあって、血流が滞りやすい部位でもあるのだと説明しています。

過酷な温度差を一日のうちに幾度となく繰り返すことによって、暑さによってかいた汗が室内で急激に冷やされてしまい、かかとの乾燥が加速。

さらに急激な温度差によって血管が収縮し、血行不良が起きることで、皮膚の生まれ変わりのサイクル「ターンオーバー」が乱れてしまうことに。

また夏場は素足になる機会も多く、外的刺激が加わりやすくなることで、角質は厚く硬くなってしまいます。

角質が厚い状態では、保湿成分が行き渡りにくくなってしまい、クリームを塗布しても治りにくい状態になってしまうのです。

 

“かかと荒れ”は意識してケアをしないと治りにくい

かかとの側面がひび割れて痛みがある方の、MRI断層診断による皮膚画像について野村先生は、

「(この症例では)皮膚表面のひび割れは0.7mmの深さであることがわかります。これは角質層を超えている深さです。ここまでの深さの傷が元に戻るには、何もしないと通常およそ2週間かかるでしょう。しかし、かかとの皮膚に全く負荷をかけずに生活するのは難しいので、実際はそれ以上かかります。つまり、かかとはケアをしないと中々改善しない部位といえます。」

と解説。

かかとを使わずに日夜生活をしていくことは難しいもの。無意識のうちに普段通りの歩き方をしてしまい、かかとへ刺激を与えてしまうため、治りにくくなってしまうのです。

 

自分でできる!かかとのおすすめセルフケア

それでは“かかと荒れ”を治すためには、どのようなセルフケアを行っていけば良いのでしょうか。

まず、かかとのケアで使用する保湿クリームは、種類の選び方や塗り方で効果が変わってきます。

「ビタミン配合タイプや尿素配合タイプなどがあるので、成分に注目しましょう。ビタミンEが配合されたものは、保湿効果だけでなく血行を促進する作用もあるので、冷えが気になる方の“かかと荒れ”ケアにおすすめです。尿素配合タイプは角質を柔らかくしますが、深いひび割れには(逆に)刺激になることがあるので注意が必要です。」

さらに、ユースキン製薬はスマホを活用した自撮りによるチェック方法「フットセルフィー」を推奨しています。

定期的にかかとをチェックしているという方はあまりいないため、スマホのカメラでかかとを撮影。

もし荒れていたら保湿ケアを施し、さらにチェックを行うというサイクルを作ることで、重症化する前にかかとの状態に自ら気づき、早めのケアを行うことができるようになるのです。

ユースキン製薬は、かかと荒れを含むひび、あかぎれ、しもやけを治してくれる、ビタミンを配合した指定医薬部外品「ユースキン」を発売しています。かかと荒れにもお使いいただけるので、かかとのケア用クリームを探している方は活用してみてください。

かかとのケアはいかに早く気づき、ケアを行うかが何よりも重要。

外気との温度差で荒れてしまう可能性もあるため「夏場だから大丈夫だろう」と考えず、自分のかかとの状態を確認する習慣をつけるようにしましょう。

●野村有子先生プロフィール

野村皮膚科医院院長・医学博士、日本皮膚科学会認定専門医。

1986年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。同大学助手、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科勤務を経て、98年、横浜市に野村皮膚科医院を開業。

「一人ひとりの患者を大切にし、最高の医療を提供する」という医療理念のもとに、あらゆる皮膚疾患について丁寧に説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細かな指導を行っている。

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