『黒執事 -緑の魔女編-』サリヴァン役・釘宮理恵インタビュー「耽美な美しさはもちろん、人間描写の繊細さが魅力」

全世界シリーズ累計3,600万部を超え、 その美しく緻密に描かれた世界観と多彩なキャラクターで世界中のファンを魅了し続ける『黒執事』。アニメ7作目となる『黒執事 -緑の魔女編-』が毎週土曜23:30よりTOKYO MXほか各局にて放送中、ABEMAほか各配信サイトにて配信中です。

【ストーリー】
19世紀英国――
名⾨貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは13歳の主⼈シエル・ファントムハイヴとともに“⼥王の番⽝”として裏社会の汚れ仕事 を請け負っていた。 ⼥王の命により、ドイツで起こる不可解な死亡事件の調査へ赴くセバスチャンとシエル。 ⾜を踏み⼊れただけで呪い殺されるという”⼈狼(ヴェアヴォルフ)の森”について真相を探る⼆⼈におぞましい呪いが降り注ぐ――。
本作で、「狼の谷(ヴォルフス・シュルト)」の領主を務める「緑の魔女」の末裔の少女・サリヴァンを演じた釘宮理恵さんにお話を伺いました!
――本シリーズから『黒執事』への参加となりましたが、これまでご覧になっていたりしましたか?
実はこれまで作品に触れたことがなくて、ゼロからのスタートになりました。また普段は原作を読み込んでからアフレコに参加することが多いのですが、今回は役的に先をあまり知らない方がいいと考えたので、アフレコ時に該当の原作部分を音響会社さんが資料としてくださるのを毎回楽しく読んでいました。
『黒執事』というタイトルがアニメ化されてから長い時間が経っていて、私も色々な作品に携わりながら、イベントや雑誌などで『黒執事』というタイトルを聞きながら過ごしてきて。息が長い作品ですごいなあ、ずっと人気作であり続けるのってすごいなあと思っていました。今回オーディションでは無く、指名で役をいただきまして、ずっと「カッコいい」と思っていた作品と、こうして関わり合いが持てる様になったことがすごく嬉しいですし、驚きました。
――おっしゃるとおり、長年愛されている唯一無二の世界観ですよね。
もうこれ好きじゃない人います?!という美しさじゃないですか。衣装もそうなのですが、造形一つとっても世界観が作り込まれていて、大好きです。サリヴァンのドレスも黒と深いグリーンのバイカラーの中にリボンがアレンジされていて。セバスチャンやヴォルフラムの衣装も、ピッタリとフィットした服を着ていて、オーダーメイドで作られているのかな?と想像出来て。そうやって緻密に、愛情深く作られている世界観、大好きです。
――もう本当に同意しかありません!素敵ですよね。サリヴァンを演じるにあたって、どの様なことを意識しましたか?
最初に「サリヴァンはこういうキャラクターです」という説明をしていただいて、演じた時に、私が持っていった演出が若干子供寄りだったみたいで、演出サイドから「もう少ししっかりしたキャラクターでお願いします」と指示をいただいて。サリヴァンは可愛い見た目ですけれど、背負っているものの重さとか、境遇の複雑さにより、大人びてしまわざるを得なかった子で。自分が思っていたよりもかなり大人びて演じています。スタッフの皆さんは「!マークは2つくらいの気持ちで」とか、「ここの言い方は“……”の言い方で」という感じで、いつも細やかに演出していただきました。
――見た目と内面と、本当のサリヴァンらしさと、複雑に絡み合っているので難しいキャラクターですよね。
そうなんですよね。大人びていながら、喜怒哀楽をスコーンと突き抜けて出せる時もあるし、次の瞬間には抑圧されてそれをぐっと押しとどめたりとか。感情を出せるところと、出せないところが、すごく極端にあるキャラクターなので、こんなに年若いのに大変だなと思いながら演じています。
人狼(ヴェアヴォルフ)の森全体の目線が一心に自分に向いている状態でずっと育ってきて、愛情もいっぱい感じている中で、今生きている世界とは全く違う新しい扉を開けてくれたこのセバスチャンとシエルに対する“キラキラ”がすごくて。年相応の好奇心もありますし、人よりも知能指数が高い子だと思うので、新しい知識に対する渇望もあるのだろうなと。セバスチャンとシエルたちがこの森を訪れてから、日数は少ない中でサリヴァンが変化していく姿も愛しかったです。

――私は原作の中でも『緑の魔女編』が好きなエピソードなのですが、アニメ化されることでさらに魅力が広がりそうですよね。
収録がスタートして、最初のお話だけ人狼(ヴェアヴォルフ)の森のシーンの絵がフルで入っていたんですよ。それが何というか「劇場版かな?」というほどの美しさで、そのシーンを見られただけでもこの世界の奥深さを感じました。この森の美しさ、怪しさ、色々なものを内包しているカットの数々で、このクオリティで作られる作品に参加出来ることがとても光栄だなと思いました。
――収録は小野大輔さん、坂本真綾さん、小林親弘さんとご一緒することが多かったそうですね。
みんな同世代なので、すごく楽しく参加させていただきました。小野さん、真綾さんが思っていた以上にものすごくあたたかく迎えてくださって。いつもこうやって、エピソードごとに新しキャラクターを迎えている現場なんだなと感じました。本当に笑いの絶えない現場で……親弘くんがおもしろかったんですよね。何が可笑しかったのか覚えていないんですけれど(笑)、とにかく笑いました。天然なところをたくさん発揮してくれて面白かったです。
――小林さん演じるヴォルフラムと、サリヴァンは二人三脚のキャラクターかと思いますが、演技についてはお2人で話し合ったりしたのでしょうか?
話していないのですが、第一声から、もうサリヴァンのことが大事で仕方ないみたいということが伝わってくる声で。気持ちが手に取るように分かるお芝居で、こちらも安心しきって演じさせていただいています。ヴォルフラムの根底にある優しさみたいなものが伝わるお芝居をする役者さんだなと思っていて。サリヴァンのことを見守ってくれていることがとても暖かく伝わるんです。そして、2人の関係って不思議で、ヴォルフラムがサリヴァンを守っているのですけれど、精神的にはサリヴァンが母のような感じなのかなとも感じています。
――セバスチャンとシエルが現れて、サリヴァンが親しくなっていく姿に少し嫉妬してしまうヴォルフラムも可愛いですよね。
魔法使いの様に色々出来てしまうセバスチャンを見て、サリヴァンは「ヴォルフラムもあれくらいやってくれればなあ」と思ってしまう時ありますが、セバスチャンとシエルの関係とはまた違う、2人の素朴な良さもあったりして。不器用だけど愛情でいっぱい包んでくれているヴォルフラムと完璧なセバスチャンの対比も面白いなと思います。
――サリヴァンもヴォルフラムも幸せになって欲しいなとすごく思います。
幸せになってほしいです! 2人もそうなのですが、シエルなど他のキャラクターでも、幸せになってほしいという子が多くて。
自分のシーンでは無いのですが、シエルが調子悪くなってから、自分は自分なんだと気付いていくシーンが、原作でもすごく綿密に描かれていて。アニメでどの様な表現になるのか楽しみだなと思いました。ファントムハイヴ家の使用人たちが出てくると、賑やかで見ているこちらもホッとするというか、スタジオの空気が和むんですよね。シエルが改めて「僕に仕えて欲しい」というシーンはすごくグッとしました。セバスチャンは苦労を表に出さないので、使用人たちが一生懸命泣いてくれたり怒ってくれて、視聴者の気持ちを代弁してくれているなと思います。ファンタジーで世界観が耽美ですけれど、そういった人間描写の繊細さも『黒執事』の魅力なのだなと実感しています。
――今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!

■アニメ『⿊執事 -緑の魔⼥編-』基本情報■
【放送・配信情報】
毎週⼟曜⽇各局にて放送中
TOKYO MX、BS11、群⾺テレビ、とちぎテレビ︓毎週⼟曜23:30〜
MBS:毎週⼟曜27:08〜
AT-X:毎週⽉曜21:00〜
ABEMA(地上波同時配信)ほか各配信サイトにて配信中︕
https://www.kuroshitsuji.tv/emeraldwitch/#onair
※配信⽇時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。
【STAFF】
原作:枢やな(掲載 ⽉刊「G ファンタジー」スクウェア・エニックス刊)/監督:岡⽥堅⼆朗/シリーズ構成:吉野弘幸/キャラクターデザイン:清⽔祐実/サブキャラクターデザイン:髙⽥ 晃/総作画監督: 清⽔祐実・髙⽥ 晃・清⽔裕輔・猪⼝美緒・寒川 歩/⾊彩設計:横⽥明⽇⾹/美術設定:伊良波理沙(KUSANAGI)/美術監督:根本邦明(KUSANAGI)/テクニカルディレクター:佐久間悠也/撮影
監督:⾦森つばさ・本倉悠介/CG ディレクター︓伊藤達弘/編集:⼩⼝理菜/⾳楽:川﨑 ⿓/⾳響監督:明⽥川 仁/制作:CloverWorks
【CAST】
セバスチャン・ミカエリス:⼩野⼤輔/シエル・ファントムハイヴ:坂本真綾/ジークリンデ・サリヴァン:釘宮理恵/ヴォルフラム:⼩林親弘/フィニアン:梶 裕貴/メイリン:加藤英美⾥/バルドロイ:東地宏樹/スネーク:寺島拓篤/タナカ:⻨⼈
(C)Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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