『ガンニバル』シーズン2 柳楽優弥&笠松将インタビュー「前向きなメンバーしかいないから最後まで走り抜けた」

スター オリジナルシリーズ『ガンニバル』シーズン2が、ディズニープラス スターで独占配信中です。
2022年の12月末、ディズニープラス スター日本発オリジナルシリーズして実写ドラマ化された戦慄のヴィレッジ・サイコスリラー超大作『ガンニバル』。累計発行部数 400 万部を超える二宮正明が放つ衝撃のサスペンスコミック「ガンニバル」(日本文芸社刊)を、日本を代表するキャスト・スタッフが集結し、実写化。配信がスタートすると、神秘的なロケーション、ミステリアスにして濃密な心理描写、ダイナミックなカメラワークが生むサスペンス&アクシ ョンを融合させた映像世界は、日本ドラマのクオリティを超えた作品として大きな話題に。さらに、衝撃的なストーリー展開と一度観たら逃れられない強烈な没入感は、SNS 上でも大きな盛り上がりを見せ、多くの熱狂的なファンを生み出しました。
シーズン2の撮影について、『ガンニバル』の魅力など、柳楽優弥さんと笠松将さんにお話を伺いました!

――『ガンニバル』シーズン2も大変素晴らしかったです。シーズン1はとても大きな反響があったと思いますがいかがですか?
柳楽:純粋に嬉しかったです。作品がたくさんの人に届いたんだな、と実感できたことが手応えになりました。僕はたまに短期の留学をするのですが、韓国の方が観てくださっている事が多くて、すごく嬉しかったです。
笠松:芸人さんとお話させていただく機会があったのですが、「後藤恵介の俳優は誰だ」と話題にしてくださったそうで、自分のことを知ってくれるきっかけになっていることが嬉しくて。僕は芸人さんが大好きなので、光栄でしたね。
――SNSでもファンアートをアップされている方がたくさんいましたよね。
柳楽:面白いのたくさんありました!『ガンニバル』大喜利みたいになっていたり、皆さんよく考えるなあって。
笠松:そんなものがあったんですね。
柳楽:「大悟→狂っている」「恵介→狂っている」みたいな分かりやすい説明になっていて…。
笠松:それを言ったらみんなそうなんですけどね(笑)。
柳楽:そうだね(笑)。

――観たら周りにオススメしたくなる魅力がありますよね。
笠松:日本独特の文化性を絡めたエンタテインメント作品だったことが、海外の方の琴線にも触れたのかなと僕は思っていて。分かりやすいテーマでは無いですけれど、キャスティングも相当練られていますし、細部に宿る狂気じみたこだわりが興味を引いたんじゃないかなって。
柳楽:確かに、パッと見でわかりやすい作品じゃなくて、そこが『ガンニバル』の魅力だと思っています。シーズン1では対立の構図と言いますか、大悟は後藤家をはじめとする供花村の住民に対する「この村はいったいなんなんだ?」という疑念が行動原理になっていて、恵介たちのこともまったく信用していなかった。 “破壊”がテーマになっていったんですけど、シーズン2は図らずも大悟が恵介の気持ちを察するような瞬間が増えてきます。それは恵介も然りで、なんとなくお互いに歩み寄るような構図になっていくのがおもしろいなと感じました。そういう意味で言うと、シーズン2には“再生”に向けての一歩というイメージを抱いています。
笠松:実際、2人で同じ方向を見て歩きだすシーンがあって、そこが僕はすごく好きです。恵介からすると、ある種の覚悟を決める瞬間だったんじゃないかなと捉えていて。だから、シーズン1の恵介にとって“葛藤”がテーマだったとしたら、シーズン2は“覚悟”だったのかなという気がしているんですよね。それと“子ども”もキーワードとしてあって。大悟は自分の娘であるましろを含めた子どもたちを守りたい、恵介は子どもたちに対して、いままで守ることができなかった後ろめたさがある。それぞれの立場は違っていても、子どもへの想いは共通していたんじゃないかなと感じています。

――大悟と恵介は歩んできた道や信念は違いますけれど、共鳴しあっていく部分がありますよね。
笠松:自分の正義を強く追い求めることって難しいじゃないですか。どこかで妥協してしまうけれど、大悟はそれに耐えうる肉体と精神が宿っていて。柳楽優弥さんという俳優がそういう存在なんです。ご一緒して心強いのはもちろん、シーズン1で視聴者の皆さんが(柳楽に対して)感じたワクワクを間近で感じられるのは、自分の人生の大きな財産になりました。
柳楽:僕も(笠松さんのことが)本当に大好きで。常に本気で、どうすればシーンを良いものにできるのか考えているし、フィクションの世界ではあるけど、それを面白くするために必要なリアリティを探るべきだという絶対的な価値観を持っているんですよ。自分もそうありたいと思っています。
――バトルシーンも凄まじいですよね…!
柳楽:シーズン2の前半で、大悟は“あの人”とのアクションが多かったのですが、あの人の独特の動きに合わせられるように回数を重ねながら撮っていったという感じでしたね。シーズン1から積み重ねてきたことを殺陣にも投影していました。
笠松:お芝居が上手い俳優さん、アクションが上手い優さん、はたくさんいますけれど、柳楽さんはアクションにお芝居を乗せられる数少ない俳優さんだと、僭越ながら僕は思っていて。『ガンニバル』はアクションの見せ場も多いですけど、それは柳楽さんが基準値を押し上げてくださったからで、僕らもそのラインを目標にやることができたのが、作品にとっても大きかったんじゃないかなと感じています。
柳楽:片山さんは「こういう状況下で、こんなことを考える人っているよね:と思わせる人物を群衆のなかにもちゃんと置いて、エキストラの方に細かく演出をされていて。そこが凄くて。
笠松:なんなら、エキストラの方々への演出のほうが割合として多かったですよね?「あれっ、監督…僕らは?」みたいな。
柳楽:確かに(笑)。エキストラの方々のモチベーションが確実に上がっていましたし、「みんなでいいものを作ろうよ!」という士気の高さが作用していくのを体感出来て、現場作りの勉強になりました。
――片山監督をはじめ、スタッフの皆さんもシーズン1に引き続き集結してくださって、いちファンとしても嬉しかったです。
柳楽:現場のスタッフさんが、片山監督とずっと一緒に仕事をしてきた方々なので、「監督のためなら」という温かなチーム感が流れているんです。過酷な撮影でしたけど、そのチームワークで乗り切った達成感もあり、楽しかったという印象しかありません。監督もとてもフレキシブルで、こちらの提案も聞いてくれて。意見を言える環境がいいですよね。
笠松:現場で、柳楽さんと片山監督を見ていると、クリエイティブに対する向き合い方が、執念と狂気を放っていて。何かを壊しに行く勢いを感じました。ものづくりの本気を見せてもらい、こちらも「やばい、やばい」って刺激を受けて。
柳楽:いやいや、それは自分もでしょ?(笑)
笠松:いやあ、柳楽さんと片山監督の作品に対するこだわりは、鬼気迫るものがありました。正直、僕はついていくのに必死で。現場にいる全員が腐っていないし、すごく志の高いチームでした。こういう作品にまた出合えることってあるのかなと思うこともあります。とてもきつかったけど、その分すごく楽しかったです。
柳楽:確かに。この撮影は何回もは出来ないね!


――そんな撮影の中で、少しオフの時間などもあったのでしょうか?
柳楽:トンネルで対峙するシーンを5日くらいかけて撮影した後、急に決まってみんなで焼肉に行きました。撮影中のエネルギーもすごいけれど焼肉屋でのエネルギーもすごかった(笑)。新潟での撮影だったのですが、あの日新潟で一番アツい場所だったのは間違いないです。
笠松:焼肉の後もカラオケに行って、みんなにお膳立てされて柳楽さんと僕2人で歌ったことも楽しかったです。それをみんなが囲んで盛り上げて、めっちゃエモかったですよね。
柳楽:エモかった!
笠松:次の日も撮影があったけれど、帰りは雪道を歩きながら、翌日のシーンのことや、少しでも多くの人に観てもらうにはどうしたらいいか考えたり、話は尽きなくて。タクシーもつかまらず、ホテルまで40分くらいかかったんですけど、みんな雪の上を滑りながら歩いて。
柳楽:滑った、滑った(笑)。ホテルでも集まって、ミーティングと称して夢を語り合ったりもしたね。
笠松:あんなこと、他の現場ではあまりないですよ。しかも、吉岡(里帆)さんがいちばんアツかったんじゃないですか。「まだ帰りませんよ!」なんて言って。
――素晴らしいチームですね! 柳楽さんは笠松さんに、笠松さんは柳楽さんに、お互いに助けられたことはどんなことですか?
柳楽:助けられたことたくさんありますね。『ガンニバル』って一歩間違えばほんと現実味が薄いファンタジーと捉えられてしまいますよね。 描き方次第で色々な方向に行く可能性を秘めている。その中でこうしたリアル路線に行けたことは、監督、スタッフさん、キャスト陣のセンスの問題になってくると思うので。笠松君のようにセンスのある方と組めることは本当に光栄で、何を話していても前進するし、刺激をたくさんもらいます。これだけタフな話だから、撮影も大変だけれど、前向きなメンバーしかいないから最後まで走り抜けるのだと思います。
笠松:僕も本当に刺激を受けたことしかないのですが、柳楽さんがその場にいなくても影響が及んでいることもあって。後藤家の家の中のシーンって、柳楽さんは基本的にいらっしゃらないのですが、シーズン2の撮影で中島歩さんや杉田雷麟君が「さっきの撮影での柳楽さんヤバかったです」とか情報を伝えてくれるんです。そうすると「俺たちも負けてられねえ!」って後藤家の士気が上がって。いないところにも影響を及ぼすというのがすごいんですよね。後藤家と機動隊のシーンとか迫力が凄まじかったです。エキストラの皆さんもとてつもない迫力で。
柳楽:もうみんな自分から率先して動いてくれていたもんね。
笠松:チェーンソーが出てくるのですが、現場ではもちろん動かないじゃないですか。でも完成した映像を観たら動いているし血飛沫も飛んでいるし…。片山監督や柳楽さんが現場に与えてくれたパワーが編集室にまで広がり、そのすごいCGを作ってくれたんじゃないかと思っています。
――物語の中では怖い方向に団結していた後藤家ですけれど、現場では良い団結をされていたのですね!
柳楽:役柄を超えて、本当に家族のよに相談しあっていたよね?それがすごいなと思った。
笠松:中村祐太郎が本番前に「セリフを間違えたらどうしよう」って焦っていたから、みんなで自発的に練習をしていたんです。祐太郎がセリフをなん度も間違えるんですが(笑)、後藤家全体で一生懸命手伝っていて。その様子を見た片山監督が「祐太郎くん、いいですねえ」と祐太郎だけ褒められて!
柳楽:あはは(笑)。
笠松:後藤家でLINEグループもあって、今も「いつ飲みに行く?」とか頻繁にうごいています。
柳楽:恵介っていう良いリーダーがいるから、そうやってチームがまとまるんでしょうね。作品の中ではめちゃくちゃですけれど、後藤家って良いチームなんです。
――今日は素敵なお話をどうもありがとございました!

撮影:You Ishii
『ガンニバル』シーズン2
ディズニープラスが放つ、世界を震撼させた衝撃のヴィレッジ・サイコスリラー超大作、完結。
“この村では、人が喰われるらしい―” 美しい村をめぐる恐ろしい噂…。
その真相に警察官・阿川大悟が迫る中、村の秘密を守ろうとする後藤家がついに一線を越え、警官隊と衝突する。
後藤家との狂乱の戦いに自ら身を投じていく大悟は、真相を暴くことができるのか?全ての鍵は、呪われた一族・後藤家の過去にあった…。
あなたの常識が、喰われる―閉ざされた村がひた隠してきた驚愕の真実が、今すべて明かされる。
■原作:『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)
■配信:ディズニープラス スターで独占配信中
■監督:片山慎三、佐野隆英、大庭功睦 ■脚本:大江崇允、廣原暁 ■プロデューサー:山本晃久、半田健 ■アソシエイトプロデューサー:山本礼二
■出演:柳楽優弥
笠松 将、吉岡里帆、高杉真宙、北 香那、杉田雷麟、山下リオ、田中俊介、志水心音、
吉原光夫 / 中島 歩、岩瀬 亮、松浦祐也、永田崇人 ジン・デヨン / 六角精児
恒松祐里、倉 悠貴、福島リラ、谷中 敦、テイ龍進 / 豊原功補
矢柴俊博、河井⻘葉、赤堀雅秋、二階堂智、大鷹明良、利重 剛 / 中村梅雀
橋爪 功 倍賞美津子
■話数:全8話
■クレジット:© 2025 Disney

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