【大阪・関西万博】体力的にハードだけれどそれなりに充実……万歩必至な万博体験(辛酸なめ子)

開幕当初は「#万博ヤバい」というハッシュタグができるくらい、危ぶまれていた大阪・関西万博ですが、開幕して1か月以上経つと、それなりに盛り上がっているのが伝わってきます。累計来場者数は5月12日に300万人を突破しました。

開幕一週間後くらいに個人的に行ってまいりました。大阪に前泊し、バスで10時に西ゲート到着。思ったより空いていて、少し並んで荷物検査してスムーズに入れました。入場し、荷物を持ってクロネコヤマトの手荷物配送・預かりサービスカウンターへ。Sサイズなので700円で預けられ、だいぶ身軽になれました。

予約に成功したパビリオンはオーストラリア館と日本館のみ。可能な限りフリーで入れるパビリオンに並びたいです。

よしもとwaraii myraii館の巨大ネギのオブジェを軽く見て、評判のイタリア館へ。午前中だったからか40分ほど並んで入れました。

イタリア館は1階に並びながらも映像や展示物を見物できるのでそんなに苦になりません。前室で映像を見せて一回人流をためるなど、動線が計算されていました。

ニュースにもなっている通り、レオナルド・ダ・ヴィンチ直筆のデッサン、カラヴァッジョの絵画、古代ローマ時代の彫刻「ファルネーゼのアトラス」などを間近で観賞できました。5月18日からはさらにミケランジェロの彫刻作品も増えるとのことで、イタリアのホスピタリティに感動です。

愛子様も視察された赤い球体のシンガポール館には、 紙細工のアートインスタレーションなどが展示。その合間に、SDGsや環境問題についての展示がありました。優等生的にまとまっています。

スペイン館は、階段の上部に行列ができていました。でも、大きなモニターに映像が上映され、待ち時間に観賞できました。このスペイン館や、モナコ館は、海洋の環境保護を大きなテーマの一つにしていて、自国の取り組みについて展示。それぞれセンスを感じさせましたが、お勉強的な展示を続けて見ると脳に疲労感が……。サステナビリティとかSDGsとか意識高い系の展示が多いです。

各国のパビリオンは、単体の建物ばかりではなく、同一規格の平屋の建物や、コモンズ館の中のこじんまりとしたブースで展開している国もあります。

話題になっていたのはコモンズ-C館のウクライナパビリオン。国旗の色の青と黄にペイントされた商品が並んでいて、全ては「NOT FOR SALE」(非売品)というコンセプトで、ウクライナが大切にしているものは決して売らない、という崇高な理念が伝わってきます。

同じ建物にはイスラエルのコーナーもありました。デジタル映像が投影され、サイバーな電脳空間にヘブライ語のメッセージが流れていましたが、どこか冷たさというか闇のフォースを感じさせました。

コモンズ館はほとんど並ばずに入れて、コーナーは狭いけれど一気にたくさんの国を見ることができます。

単体の館では、サウジアラビアやUAEなど、中東系のパビリオンにオイルマネーの強さを感じました。

サウジアラビア館は庭には椰子の木が植えられ、石造りの壮麗な棟が並んでいました。スタッフはいかにもエリート感が漂います。カフェやレストランも併設されていました。

UAE館はガラス張りの館内に、ナツメの木をモチーフにした柱が大量に並んでいて圧巻でした。アブダビやドバイなど七つの首長国の土地の特徴についての展示など。女性来場者がカタールと混同したら、スタッフの表情が曇ったような……。国同士の関係について予習が必要です。

予約していたオーストラリア館は、館内に樹や植物がたくさん植えられ、星空や海の中のイマーシブな映像もあり、大自然に没入できました。小難しいお勉強系の展示がなかったのも良かったです。

日本館は、話題の「火星の石」はスタッフに流されてじっくり見ることができず、見た目も地味な印象でした。「循環」がテーマで「藻」の可能性についてフィーチャー。32種類の「藻類」に扮したハローキティが見応えありました。

行ったときは話題のインド館はまだオープンしていなかったのですが、柵を乗り越えて来場者のおじさんがふらっと中に入って見ていました。周りにインドのスタッフがいなかったので、勝手に入ってしまう人が結構いるのかもしれません。その後、完成まで入場禁止の看板が設置されたようです。

午後になると、どのパビリオンも長蛇の列に。行きたかった中国、アメリカ、ドイツ、フランス、ポーランドなどは待ち時間が未知数で入るのをあきらめました。人気パビリオンは午前に並ぶのがマストです。都内から日帰りで新幹線で行くとなると6時、7時発じゃないと間に合わなさそうですが……。

でも、どこも入れなくてもショップだけ行って気分を味わうこともできます。並んでパビリオンに入らないとショップにたどり着けないところも多いですが、オマーン、マレーシア、北欧などはショップに直接入れました。オマーンのキャンディが一袋6300円など、国の名産品や物価をチェックできました。また、歩きながら各国の趣向をこらした建築を眺めるのも楽しいです。大屋根リングの上を歩くのも爽快感がありました。

結果的に、10時から18時の間に、行けたのは以下のパビリオンです。

よしもとwaraii myraii館/ イタリア館/ シンガポール館 /スペイン館/ セネガル館/ コモンズB/ バングラディシュ館/ モナコ 別館のみ/ サウジアラビア館/ UAE館/オーストラリア館 /カンボジア館/ コモンズC/ 日本館/ モザンビーク館/ サンマリノ館
ショッブのみ:オマーン館/ マレーシア館/ 北欧館

一日歩き続け、並び続けて歩数は約2万5000歩。体力の限界に挑戦しました。かなり歩いたと思ってXを検索したところ、他に43000歩とか75000歩歩いたと言っている人がいて、万博は万歩博覧会の一面も……。会期中は万歩マウントも繰り広げられそうな予感です。

(イラスト・文:辛酸なめ子)

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 【大阪・関西万博】体力的にハードだけれどそれなりに充実……万歩必至な万博体験(辛酸なめ子)
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

--> -->
-->