樹木を身近に感じる玉川大学のワークショップに、大人も子どもも夢中! 町田市・芹ヶ谷公園で“フューチャーパークラボ”開催
3月15日、町田市の芹ヶ谷公園で「Future Park Lab 2025 Spring」が開催されました。こちらは、町田市が市民に文化芸術活動や豊かな自然に親しんでもらおうと、芹ヶ谷公園で年に4回ほど開催されているイベントです。
こちらのイベントに出展したのが玉川大学(東京都町田市)の農学部・工学部です。同大学が推進する「Tamagawa Mokurin Project」の一環として2つのブースを出展し、樹木により親しんでもらうためのワークショップを開催。親子連れなど多くの来場者でにぎわいました。冬が戻ってきたような、ひんやりとした天気になったこの日、寒さに負けずワークショップを楽しむ人であふれた出展ブースの様子をレポートします。
ドングリを拾って樹木の栽培にチャレンジ
一つ目は、農学部環境農学科の山﨑旬教授が講師を務めた「タネから木を育てよう!」。樹木の栽培を身近に感じてもらい、家庭でも気軽にチャレンジしてみようと提案するワークショップです。事前申し込み制でしたが、「やってみたい!」と、飛び込みでの参加者も続々とブースを訪れていました。

まずは、落ち葉や小枝の中から大小さまざまなドングリの実を拾い集めます。これらは山﨑教授と環境農学科の学生の皆さんが玉川大学のキャンパスや芹ヶ谷公園内で採取したもので、クヌギ、コナラ、シラカシ、エノキなどの種類があります。参加者の子どもたちは「大きい実を拾うぞ!」とやる気満々。大人たちも「こっちの方がいいかな?」と、ドングリ拾いに夢中になっていました。
ドングリを拾い集めたら、種まきを始める前に山﨑教授のミニ講義が行われました。講義の中では、ホームセンターなどで手に入る植物は品種改良されたもので、種まき・水やりをすれば3日~1週間程度で芽が出ること。自然界で採れる樹木の種子はそれよりも時間がかかり、冬の寒さを1,2カ月感じることで春に向けて覚醒させること(休眠打破)など、植物が成長する仕組みを子どもでもわかるよう丁寧に解説されていました。

「木の種子はいっぱい落ちているけど、全部が芽を育つわけではなく、虫や動物のごはんになるものもあります。逆に植物も、動物のフンや死骸を微生物が分解し、それを栄養として育ちます。そうやってお互いに助け合っていて、木も子孫を残すためだけではなく、他の生き物の食べ物にするため多めに種子をつくってあげています」(玉川大学農学部環境農学科 山﨑旬教授)
植物と生物が共存する上での大切なことを学んだあとは、山﨑教授のレクチャーのもと、いよいよ種まきのスタートです。用意されたビニールポットに土を入れ、拾い集めたドングリを蒔いていきます。その上から、園芸によく使われる鹿沼土(かぬまつち)という土をかけ、最後にたっぷり水をあげて完成です。鹿沼土は吸水力と水はけの良さが特徴ですが、「水に濡れると土の色が白から黄色に変わり、乾けばまた白くなる」という特性があるため、水やりのタイミングがわかりやすいという利点もあるのだとか。また、種をまいたポットには、必ずラベル(名札)をつけることを勧めていました。ラベルには、種まきした日付とまいた人の名前や種子を拾った場所や植物名を書くとよいそうです。発芽に1~2ヶ月かかるため(秋にまけば半年くらいかかるため)、興味を持続させて、たまに水やりをしてポットの土を湿らせておくための工夫です。発芽してきたときの愛着も、履歴がわかっていると更に増すそうです。

山﨑教授によれば、ここから1,2カ月程度で芽を出し、葉が生えてきたら水をあげすぎないよう注意して育てると、健康で元気な根の苗に成長するといいます。ワークショップを終えた後、参加者の皆さんはドングリから芽が出るのを楽しみにしながら、それぞれの家へと持ち帰っていきました。

「今回のワークショップでは、木は自分たちの手で増やすこともできるということを伝え、家庭園芸の延長として木を育ててみてはどうでしょうか、という提案をしています。うまくいかないことも多いけれど、何度もチャレンジを続ければうまく育つ確率は格段に上がります。柿やみかんなど、果物の種子も同じように育てることができるので、気軽に挑戦してみてほしいですね」(山﨑教授)
大切な写真やイラストを木材に刻印
玉川大学が出展したもう一つのブースは、工学部デザインサイエンス学科の「木材×デジタル技術でオリジナルの作品を作ろう!」。こちらのワークショップにも多くの人が集まり、順番待ちのため整理券が配布されるほどの人気ぶりです。

来場者の関心を集めていたのは、木材にレーザー彫刻機で刻印して制作するオリジナルコースターです。持参した写真やイラストデータを取り込むと、彫刻機が作動して木材への刻印を開始。10~15分ほどで、世界に一つだけのオリジナルコースターが完成します。家族やペットの写真、似顔絵などが少しずつ刻印されていく様子に、参加者の目は釘付け。完成したコースターに、さらにビーズや飾り用のパーツをつけてデコレーションを楽しむ子どもたちの姿も見られました。


コースターに使用している木材は、芹ヶ谷公園の敷地内や町田市内で伐採された間伐材が用いられています。間伐材を同大学のキャンパス内にある乾燥装置で低温乾燥させ、木の本来の風合いを残しつつ加工に適した木材として生まれ変わらせています
来場者に応対しながら機械の説明や操作を行っていたのは、工学部デザインサイエンス学科の平社和也講師と、工学部平社ゼミの学生の皆さんです。
「普段彼らは3DCADで設計したり3Dプリンターなどを使ったりして、様々なものづくりに取り組んでいます。今回のように一般の方とふれあって目の前で披露する機会があると、『自分たちの学んでいることは社会とどんな接点をもつのか』ということを実感でき、リアクションももらえるのでとてもいい経験になっているのではないでしょうか」(玉川大学工学部デザインサイエンス学科 平社和也講師)

平社講師の言葉通り、ブースのあちこちで「すごい!」「写真と同じ!」と歓声が上がっているのが聞こえてきます。工学部4年生の女子学生は「前回は先輩方がメインで担当してくれていたので、今年は自分たちだけで協力し合って準備などを進めました。レーザーカッターの使い方や、写真によって刻印部分がつぶれないよう適切なレーザー濃度に調整するのが難しかったです。でも、来てくれた方がすごく喜んでくれてホッとしました」と笑顔で話してくれました。
かねてより、キャンパス内の豊かな自然を生かした教育活動を続けてきた玉川学園・玉川大学が、2022年度に発足した「Tamagawa Mokurin Project」。今回のようなイベント出展のほか、教材としての木工作品制作、キャンパス内の里山環境整備といった活動を通して、自然を尊重することの大切さ、木を使ったものづくりの楽しさや環境への気づきを提供し、次世代への継承のため広く発信を行っています。
種まきやコースターづくりを楽しく体験した来場者たちは、この日の思い出とともに、自然を身近に感じる気持ちも持ち帰ってくれたことでしょう。また、玉川大学の学生の皆さんにとっても、普段授業で学んでいること活かして、市民の方々とふれあう貴重な経験となり、様々な学びが得られた様子。子どもたちの笑顔や学生さんたちの頑張る姿に癒され、今後の「Tamagawa Mokurin Project」の活動にも期待が高まる一日でした。
<関連情報>
Tamagawa Mokurin ProjectのHP
https://www.tamagawa.ac.jp/info/mokurin/

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