あの頃の少年たちに読んでほしいテレビ本編の続編「小説 仮面ライダークウガ」

2025年に放送25周年を迎え、「超クウガ展」の開催も決定した平成仮面ライダー第1作目の「仮面ライダークウガ」。こだわり抜いた超リアル志向の作風は、いまだに多くの人の心に焼き付いている。
そんなクウガの最終回は2001年1月21日のEPISODE49「雄介」。ファンの間でも様々な考察がある最終回となっている。映画版など続編が制作されていないため、逆に妄想が捗るのだが、実はクウガには続編が存在する。

2013年に講談社から講談社キャラクター文庫の第1作目として「小説 仮面ライダークウガ」が出版されている。著者はテレビ放送の脚本を務めたひとりである荒川稔久さん。キャラクター文庫から出版されている仮面ライダーの小説は、本編とつながっていない作品もあるが、クウガは正当続編として書かれている。

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【あらすじ】
グロンギ族という名の異形の者たちと、危険を顧みず立ち向かった五代雄介の戦いから13年の月日が経った。巷では、グロンギの噂が出ては消え、何事もなかったかのように時が流れていた。しかし、未だグロンギを追い続ける一条薫は、ネット上で白い戦士の書き込みを知り、五代の事を思い出していた。
かつて碑文を解読し、五代を支えた沢渡桜子、医学の知見で協力した椿秀一、そしてポレポレのおやっさん。13年の月日が経っても、それぞれ五代雄介の帰りを待ち続けていた……。

時事ネタも多く、東日本大震災や原発事故など現実世界と同じ年に起きていたことが言及されており、本編の13年後の世界であることが所々で強調されている。
作品の主人公は五代の相棒であった一条薫。一条の視点を通じて、テレビ版本編とのつながりを強く感じる内容になっている。最終回で印象的なあのラストシーンについても描写がある。

テレビ版本編を見ていた人なら絶対に楽しめる作品になっているので、まだ読んでいないというかつての少年たちには強く強くオススメしたい。

(Written by 大井川鉄朗)
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