ニューヨーク生活のリアルを発信 大工×副業で生き抜くYouTuberが語る現地の状況

ニューヨーク生活のリアルを発信 大工×副業で生き抜くYouTuberが語る現地の状況

 アメリカ・ニューヨークシティといえば、都会的で洗練された最先端の街をイメージする人が多いかもしれません。しかし、実際に住んでみてその理想が大きく打ち砕かれたというのが、「地獄海外難民ch」を運営しているYouTuber「地獄海外難民」さんです。妻と幼い子ども2人を抱えながら”底辺生活”を送っているという彼の著書『底辺の大工、ヤバいアメリカで生きのびる 絶望の中で見つけた「自分を見失わない」方法』には、ニューヨーク生活のリアルが綴られています。

 「地獄海外難民」さんは日本でアメリカ人の妻と出会い、2019年秋に彼女の故郷であるニューヨーク州に渡りました。しかしそこで大変シビアな現実に直面します。移住後3カ月ほどで取れると思っていた就労ビザが下りない、妻が職を失って健康保険にも入れない、そうこうしているうちに新型コロナがおとずれ、家賃、光熱費、食費など生活費すべてが高騰し始める……。一気に転落人生に陥ってしまったといいます。

 その後、無事就労ビザが下り、大工の職を見つけ、質の良い健康保険を家族全員に提供してくれる組合に所属することができたものの、「大工の仕事だけでは生活費が足りないどころか、とても家賃にも届かないのが現状」(同書より)とのこと。大工の仕事が終わったあとは、夜間や週末にフードデリバリー、ライドシェア、YouTubeなどの副業でなんとか生活費を工面しており、それでも毎月借金を増やしながら生活しているといいます。

 実際、アメリカでは約3000万人が保険に入れず、国民の13%に当たる4300万人が奨学金のローンを抱えているといったデータがあるほか、ニューヨークでは保育施設が充実しておらず、チャイルドケアに毎月3750ドル(約56万2500円)もかかるといわれているそうです。「地獄海外難民」さんは、「普通に生活できるくらいのお金を稼げないで苦しんでいる人がとても多いし、一人ひとりがとにかく必死で生きている感じ」(同書より)と現地の状況を伝えます。

 ほかにも、高額な医療費請求や職場での人種差別、ストレスでうつ病発症など、現地でさまざまな困難を経験した「地獄海外難民」さん。生活が苦しくても家計が火の車でも、「地獄から這い出ようともがきながら、僕たちは今日も何とか生きています」(同書より)という彼の姿に、YouTubeでは多くの共感や応援の声が集まっています。

 海外移住生活に関する動画は、華やかで楽しそうなものが多いですが、「地獄海外難民」さんのように、困難に直面した人の声も非常に重要です。ニューヨーク生活のリアルが綴られた同書には、これから渡米や海外移住を考えている人、仕事や留学、国際結婚を予定している人などの参考になる情報がきっとあるはず。気になる人はまず彼のYouTubeチャンネルを覗いてみるといいかもしれません。

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