【2025年】賃貸住宅トレンドは「コミュニティ賃貸・団地活性化・次世代大家・高齢者見守り」が注目4キーワード
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賃貸住宅というと、間取りやスタイルも画一的なものを想像する人も多いでしょう。しかし、時代にあわせて、賃貸の在り方も少しずつ変わってきています。2025年の賃貸トレンドのキーワードは? SUUMO副編集長であり、SUUMOリサーチセンター研究員も務める笠松美香さんに話を聞きました。
分譲住宅の高騰を背景に、賃貸もファミリータイプの4割が値上げに
賃貸住宅は既存住宅(中古物件)が中心で新築の割合が多いわけではないため、新築がマーケットをリードする市場構成でないということは前提にしつつ、2024年も時代を映すような個性ある賃貸住宅が目を引きました。2025年に注目すべきキーワードについて、紐解いていきましょう。
最初に、賃貸市場について振り返ってみます。
これまでは30代前半くらいから、ライフステージの変化に合わせて家を購入したいという人が増えてくるのが常でした。ですがここ数年は、マンションも一戸建ても価格が上がっているという現状があります。「子どもが大きくなってきたから広い家に住み替えたいとか、いい家に長く住み続けたい、と思う人たちが、『いま家を買うのは厳しいから、立地や広さなど、条件のいい賃貸住宅に住みたい』ということで、全国的に賃貸市場は好調が続いています」と笠松さん。
ただ、賃貸にも値上げの波は押し寄せています。
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出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2024年8月)
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出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2024年8月)
「SUUMOがカスタマー向けに2024年に行った調査では、賃貸物件に住んでいる人で、この3年以内に大家さんや管理会社から家賃値上げに関するお知らせをもらった人は、全体で10.7%。特に子どもと同居している世帯では18.5%に上ります。値上げ幅は1000円~3000円未満が41.1%と最も多く、1000円未満が8.8%、5000円~1万円未満が12.0%、1万円以上という人も約4.9%(残りは覚えていない12.5%)。平均して、おおよそ家賃の5%程度のようです」

出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2024年8月)
「築年数別にみると、築浅物件の方が値上げする傾向が高く、これは先述のように条件のいい物件に人気が集まっていることや、大家さんが物件を建てたときの借り入れがまだ多く残っているなどの背景が考えられます」
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出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2024年8月)
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出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2024年8月)
「また、『現在住んでいる賃貸住宅に、家賃の値上げがあった場合にどのように思うか』について『A.少しの値上げであれば許容できると思う』と『B:少しの値上げであっても納得できないと思う』のどちらに近いかを聞いたところ、『Aに近い』『どちらかといえばAに近い』という“値上げ許容派”が43.3%となりました。こちらは、築年数が浅い物件に住んでいる人、子どもと同居している人、ペットと同居している人がより高い許容傾向がみられました。好条件なのでやむを得ないと考えたり、すぐに引越すのが難しいといった事情が関係しているのでしょう」と笠松さん。
家賃相場も、地域によって異なりますが、約10年前と比べてシングルタイプで10~15%アップ。広くなるほど値上げ幅は増え、23区の3LDKタイプは約4割も上昇しているといいます。
「特に、先ほど述べたような、立地がいい、広い、分譲タイプといった好条件の賃貸物件は、全国的に軒並み家賃が上がっています。新築においては材料費、設備、運搬費など、あらゆる面で建築コストが上昇していること、また中古もその相場と合わせた設定にすることが理由です」
家賃が高くても需要あり。新築は高断熱賃貸が“当たり前”化、ペット可物件も増加中
新築の賃貸物件では、なにか特徴はあるのでしょうか。
「2025年4月から、すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、断熱等級の最低ラインは等級4に引き上げられます。2030年にはZEH水準の省エネ住宅、断熱等級5が最低ラインに。そうした基準に先駆けて、アパートタイプの住宅を出しているハウスメーカーは、既に2024年のうちから高断熱仕様を打ち出しています。なかには断熱等級6の賃貸も登場。新築においては、断熱性能が高い賃貸物件は当たり前化してきています」と笠松さん。

※:HEAT20…「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」のこと。住宅外皮水準のレベル別にG1~G3と設定し、提案している
(画像作成/鳥取県「とっとり健康省エネ住宅」を参照してSUUMOジャーナル編集部で作成)
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出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2024年8月)
しかも、ZEH賃貸(※)に住みたいか、という調査では、「家賃が上がっても住みたい」という人が2021年の初回の調査依頼、年々増えています。家賃上昇幅として家賃の「1割」と「2割」を提示したところ、2024年は2割アップまで許容が3%、1割までが26%と、合わせて29%が許容するとしており、2021年の約19%より大きく伸びているといいます。
※調査上では「ZEH賃貸」は「高性能な設備と太陽光発電により生活のエネルギーを賄っている賃貸住宅。断熱性能が高いく暑さや寒さ問題に対策できたり、結露やカビも抑制することが可能で地球環境に貢献できる」などの補足説明を入れて設問を提示している
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出典:リクルート「賃貸居住者の生活実態と設備に対する切望度に関する調査」(2022年4月)
「家賃が高くなっても質のいい住宅に住みたいというニーズは、子どもがいる家庭、ペットのいる家庭ほど高いんです。例えば夏場の不在時、家にいるペットのために冷房をつけっぱなしにするから、住宅に省エネ性能が必要だという需要も。調査では賃貸居住者の約3割が冬の床の冷たさや底冷え、約2割の人が結露によるカビなどが気になるという問題を抱えていて、高断熱の住まいに住み替えたいという動機にもなっています」
ほかに設備面でニーズが高いのは、24時間ゴミ置き場と、共用部分に広さがないと難しいですが、宅配ボックスの設置。「これらも、多少家賃が高くても借りたいというデータがあります」とのこと。

出典:SUUMO掲載データ(2024年4月時点データ)

出典:SUUMO掲載データ(2024年4月時点データ)
また、ペット相談可物件もゆるやかに増加中。ペット相談可物件は全体の2割ほどですが、新築だと4割を超えているといいます。中古物件の場合、ペット不可だからこの物件を選んだという入居者もいるため、途中からペット可にするのは難しいもの。よって、新築のときからペット可にする物件が増えているようです。
「逆に、築年数の古い物件が付加価値としてペット相談可に変えるというケースもあります」(笠松さん)。
家族の一員としてペットを迎え入れる人が増えてきている今、賃貸住宅がニーズに対応してくれるのはうれしいことですね。
人とつながる、街がにぎわう……「コンセプト賃貸」が話題に
そんななか、賃貸住宅のトレンドでいえば、どんなものが目を引いたのでしょうか。
2024年から引き続き、特色のある賃貸、「コンセプト賃貸」と呼ばれるもの、と笠松さんは言います。コンセプト賃貸とは、一般的な賃貸物件とは一線を画し、特定のコンセプトをもった賃貸住宅のこと。自分らしい暮らしをしてみたい入居者ニーズの高まりと、入居率向上のために差別化を図る賃貸オーナーの戦略が合致した物件といえます。具体的にはどういった住まいが話題を集めたのか、キーワードとともに紹介しましょう。
キーワード1:コミュニティ機能のある賃貸
●シェアキッチンで交流を図る
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賃貸マンション1階に誕生したシェアキッチン「オラ・ネウボーノ」(東京都墨田区)(写真撮影/片山貴博)
古い賃貸マンションの1階に、日替わりでさまざまなお店が出店する3つのシェアキッチンがあり、フードコートのように思い思いのテーブルで楽しめる「オラ・ネウボーノ」(東京都墨田区)が2024年春に誕生して話題になりました。あらかじめ保健所の許可を取っているので、プロではないけど得意な料理を出してみたい、という人がすぐに始められます。食を通して自然と住民同志の輪が広がり、コミュニティのハブになっているという一例です。
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●地下スペースで古本市やマルシェを開催

「パークハイム渋谷」の地下にある“秘密基地”「キチカ」(神奈川県相模原市)(写真撮影/相馬ミナ)
賃貸マンションの地下部分をワークショップでリノベーションし、“秘密基地”をつくってしまった事例もあります。「パークハイム渋谷」(神奈川県相模原市)につくられた「キチカ」は、本を持ち寄ってシェアする古本市やマルシェ、入居者が主催するゲームイベントなどで、地域に開かれたコミュニケーションスペースに。
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築30年賃貸マンションの地下に”秘密基地”をつくった!地元を愛する大家兄弟が入居者や地域住民と相模大野で住み続けたい街めざす キチカ「パークハイム渋谷」神奈川県相模原市
●住宅の一角で小商い

「六角橋の四軒長屋」外観(神奈川県横浜市)(撮影/ロンロ・ボナペティ)

(撮影/ロンロ・ボナペティ)
1階がガラス窓の開放的なスペース、2階が住居スペースになった小さな住宅が4軒連結した「六角橋の四軒長屋」(神奈川県横浜市)。オープンな1階を小商いに活用できる賃貸物件です。実際、書店と図書室を併設した店舗として利用され、入居者同士、また街の人々との関わりが生まれています。
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上記の例のように、賃貸住宅自体にコミュニティ機能を備えた物件が注目されています。特に都会では、隣に誰が住んでいるのかもわからないという人も多いはず。災害や犯罪がいつ起きるかもしれない、でも近くに顔見知りの住民がいれば何かあったときに助け合えるし、安心感も生まれるもの。
「住宅の一角で小商いができる賃貸も同様で、それだけで生計が立てられるわけではないとしても、本を売っていれば人が訪ねてきて会話が生まれたり、情報のインプットになったりします。人生は長いから、ライフシフトを実践して、なにか好きなお店をやってみたいということにも挑戦できる。一方で、こういう場所を提供する大家さんにとっても、人の出入りができてにぎわいが生まれることは、物件の魅力が保たれることにつながります。さらに昔の商店街では、手前がお店で奥が住居というような物件が多かったのですが、結果として、商売をやっている人は簡単には引越さないから、コミュニティが強固になるんですよね。街の構成員、戦力であり続けてくれて、街にとってもありがたい存在なんです」
キーワード2:団地活性化
●高齢化が進む団地の商店街ごとリノベ
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街歩きを楽しむ人たちでにぎわう「花見川団地」(千葉県千葉市)(写真撮影/片山貴博)
UR都市機構と無印良品(株式会社MUJI HOUSE)がタッグを組んで、築50年以上の大規模団地をアップデートして話題になったのが、「花見川団地」(千葉県千葉市)。リノベーションは住戸内にとどまらず、外観や屋外広場、商店街区画まで。人の居場所をつくることでにぎわいが生まれ、空き店舗にも新たなテナントが入るなど、価値ある不動産として蘇りました。
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●団地が大学サッカー部の寮に
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神奈川大学と神奈川県住宅供給公社のニーズが一致して、新たな取り組みが始まった「竹山団地」(神奈川県横浜市)(写真撮影/片山貴博)
高齢化により空室になっていたエレベーターのない「竹山団地」(神奈川県横浜市)の上層階を、大学が学生寮として借り受け、サッカー部の学生たちが入居。若者と高齢者が交流できる地域活動も盛んで、日本社会が抱える課題解決を見据えたプロジェクトも話題になりました。
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高齢化進む築50年超の団地が大学サッカー部寮になった! 芋煮会や大掃除など、学生と高齢者が支えあう竹山団地 神奈川県横浜市
築30年以上経って高齢化が進む団地は、若い人をどう呼び込むかが大きなテーマに。住戸をリノベーションしておしゃれな部屋にするだけでなく、敷地内にある商店街も含めて団地をまるごとリノベする例も出てきています。
「無印良品がプロデュースした花見川団地では、商店街の専門店をめぐってバンズや具材を買うと『商店街バーガー』が完成するといった、街歩きを楽しめる仕掛けづくりも。空き店舗を休憩場所にしたり、通りの真ん中に濡れてもいいテーブルや椅子を置いてくつろげる場所を設けたりと、多世代が集まれるコミュニティスペースが誕生しています」
巨大な団地の一部を大学の寮にしたのもユニーク。高齢の方は学生とのふれあいで元気になれるし、学生は地域課題に取り組むことで人間的にも成長できます。
「スマホ教室や食堂運営などを行う学生にはNPOからアルバイト料が支払われるなど、かなり先進的な取り組みが進んでいます」
こうして活性化した団地も、めざすところは地域のコミュニティ形成。暮らしやすさに直結する取り組みといえるでしょう。
キーワード3:次世代大家
●2代目兄弟がDIYと家庭菜園でアパートを再生
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大家ユニット「H&A brothers」が管理運営する「H&A Apartment」(ハンダアパート・福岡県久留米市)(画像提供/H&A brothers)
両親が管理していた老朽化したアパートを兄弟が引き継ぎ、DIYと家庭菜園付き賃貸アパート「H&A Apartment」(ハンダアパート・福岡県久留米市)で再起。パン屋を誘致したり駅前でマルシェを開催したりして、街に開かれ、街とつながるアパートに。
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●13代続く地主がめざす“サンクチュアリ”
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ほかにはないコンセプトが光る「ちっちゃい辻堂」(神奈川県藤沢市)(写真撮影/相馬ミナ)
湘南で13代続く地主が、地域の生態系や風景を守る“小さな村”のような賃貸「ちっちゃい辻堂」を展開。相場より高めの賃料ながら、第一期募集分は半年で満室に。住人による食事会も定期的に開催され、無理なくつながれる関係性が生まれています。住人たちは「人同士の距離が、濃密すぎず薄すぎない」「コミュニティや共有という概念は苦手だと思っていたけれど、自発的な交流が生まれる仕掛けがあり、居心地がいい」と話します。
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●マンションに小さな庭をつくった3代目大家
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「セシーズイシイ7」(神奈川県川崎市)1階のカフェ「新城テラス」の外観(写真撮影/桑田瑞穂)
「ここに住みたいと思ってもらえる街にしたい」と考えた3代目大家は、大規模改修の時期を迎えたマンション「セシーズイシイ7」(神奈川県川崎市)1階をオープンスペースとしてリノベーションし、カフェに。カフェの前には地域に溶け込むような憩いのスペースを設け、“街の庭”としての機能を持たせています。
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話題の3代目大家・石井さん、マンションに”庭”を作ったら街の人が集まりはじめた。みんなの「やってみたい」に応え地域に開いたスペースを次々と 神奈川県川崎市
親から賃貸経営を継いだ30~40代のオーナーによる新たな取り組みが、全国各地で話題を集めています。
「老朽化したアパートを建て替えるという選択肢もあったなか、福岡県久留米市の賃貸大家ユニット・半田兄弟は投資を最低限にすべく、DIYでリフォーム。敷地内に菜園広場をつくったり、チャボを飼ったり、1階にパン屋さんやコーヒースタンドを誘致したりごはん会を開いたり……みんなが楽しいスペースをつくったら、以前より家賃を上げても空室率が減ったという事例です」
3代目大家がつくった「新城テラス」と店先のオープンスペースは、街と賃貸住宅の境界線をなくしたような、近寄りやすいフラットな場所。湘南で代々続く地主による「土とつながった暮らし」がコンセプトのプロジェクトでは、豊かな住体験を提供してくれます。
「運営を引き継いだ次世代の大家さんが、建物をリノベするにあたり、人が集まる仕掛けや付加価値をつけるというケースが増えていますね。オーナー業を楽しんでいるのも印象的です」
高齢者の見守りサービスも続々
最後にもう1点、高齢者の入居を後押しする「見守りサービス」にも注目が集まっている、と笠松さんは言います。
高齢者、しかも一人暮らしの賃貸入居ニーズは年々増えているのに、「居室内での孤独死に対する不安」を理由に入居を制限される状況が続いています。そんな状況を打開するために取り入れたいのが、「見守りサービス」。居室内で急病や事故が起きてもできるだけ早くかけつけたり、自然死や事故死が発生しても、早期発見することで特殊清掃が必要となる事態を防ぐことができます。

賃貸住宅へ入居している65歳以上の高齢者世帯は数・割合ともに年々増加している(資料提供/R65不動産 出典/総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)
物件の中で自然死や事故死が起こればすべて事故物件として、次に部屋を借りようという人に対して告知する義務があるのではなく、告知の必要性について国土交通省はガイドラインで一定の基準を設けています。万が一のことがあった場合に、いち早く発見するための見守りサービスを導入することで、大家さんが安心して高齢の方に住宅を貸しやすくなるというわけです。
「お弁当の配達がてら安否確認するなど人が介在するサービスのほか、電力の使用状況の変化を自動的に検知したり、毎朝自動的に電話がコールされて反応がない、お手洗いにセンサーをつけて今日一度も通っていないなど、非常の際には親族に連絡がいく、提携するセキュリティ会社が駆けつけるといった、さまざまなサービスが出てきています。またこれは賃貸に限らずですが、見守り機器を借りるのに自治体から助成金が出る場合もあります」
管理会社や自治体と協力した見守りサービスの充実で、高齢者が賃貸に入居しやすくなることが期待されます。
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家賃上昇はつらいけれど、多様化する賃貸住宅はおもしろい!
今後も家賃は上がる可能性はあるものの、さまざまなコンセプトをかかげた賃貸住宅から、まだまだ目が離せそうにありません。丸ごとリノベした団地住まいは日常が楽しくなりそうですし、家族や友人とはまた異なる入居者同士、ご近所同士、同じ街に住む人同士がゆるやかにつながれる場があることで、自分の住まいが、街が、より好きになれる気がします。また自分の親世代のことを考えると、一人暮らしの高齢者が安心して暮らせる環境もいち早く整ってほしいと願うばかり。楽しく心地よく安心して暮らせる賃貸住宅の広がりを、2025年も注視したいと思います。
●取材協力
SUUMO副編集長・SUUMOリサーチセンター
笠松美香さん
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