NOT WONK、4年ぶりとなるAL『Bout Foreverness』を本日リリース!

NOT WONK、4年ぶりとなるAL『Bout Foreverness』を本日リリース!

NOT WONKの約4年ぶりとなる5thアルバム『Bout Foreverness』が2025年2月5日、CD/配信にてリリースされた。

本作は先行配信されていた軽快なボッサ・チューン、M3 ”Embrace Me” 、2人体制への宣言と共にリリースとなった、M5 ”Changed”、そしてアルバムリード曲 M6 ”Some of You”に4曲を加えた、7曲が収録。そんなアルバムのリースに際して、NOT WONKにとって古巣レーベルであるKiliKiliVilla 与田太郎からのコメントも届いている。

そしてOTOTOYでの購入者特典として、LPカッティング用の別マスタリングハイレゾ音源『Bout Foreverness (Mastered for vinyl)』が付属。楽曲の抑揚(ダイナミックレンジ)が大きい今作の、ミックスダウン時に近い音源が楽しめる本バージョンは、マスタリングで音圧をギリギリまで詰め込む事により、失われる音楽的ダイナミクスのストーリーを回避した音源となっている。

また、2月27日渋谷 CLUB QUATTRO公演を皮切りに、大阪、名古屋、北海道の4都市で開催される、アルバムリリース記念ワンマンツアーのチケットも現在発売中。

リリース情報

NOT WONK、4年ぶりとなるAL『Bout Foreverness』を本日リリース!
NOT WONK 『Bout Foreverness』
2025年2月5日(水)
レーベル:Bigfish Sounds
https://friendship.lnk.to/BoutForeverness_nw

イベント情報

NOT WONK、4年ぶりとなるAL『Bout Foreverness』を本日リリース!
NOT WONK TOUR “Bout Foreverness”
2025年2月27日(木) 渋谷 CLUB QUATTRO
2025年3月14日(金) 心斎橋 Live House ANIMA
2025年3月15日(土) 名古屋 CLUB UPSET

コメント

NOT WONKが3年ぶりのアルバムを完成させた。今年は彼らの1stアルバムのリリースから10年になる。
『ロックンロールが生まれて60年、これまで生まれてきた数々の奇跡のアルバムはその時代ごとのオーディエンスとアーティストの協力でマジックを宿してきた。残念なことにしばらく日本では見ることのできなかった『ロックンロールのマジック』、もしかしたらNOT WONK、そして彼らと同世代のオーディエンスによって見せてもらえるかもしれない。』
この文章は彼らのデビュー・アルバム『Laughing Nerds And A Wallflower』の発売タイミングに発行されたフリーペーパーに僕が寄稿したものだ。彼らの20代と共にあれから10年が過ぎた。キリキリヴィラは前作『dimen』の制作までNOT WONKの伴走者として共に7年を走り抜けてきた。最初のステップとなった1stのリリースから前作までの道のりを振り返るとき、スタートラインに立つ3人のメンバー以上に、僕ら伴走チームが大きな希望を抱いていたことがよくわかる。スケジュールや予算との整合性や生活と音楽のバランスなど、実際に走りながら立ち上がってくる諸問題はそのまま伴走者である僕らのテーマでもあった。NOT WONKはその過程でいくつものマジカルな瞬間を作り、リリースごとに作品も音楽的に急速な進化を遂げてきた。

平坦ではなかった彼らの道程で、推進力となったのは『もっと先へ』という加藤修平の強い思いだった。加藤の音楽に対する解析力は経験を積むごとに精度をあげてゆく。デビュー当初から類型にハマることなく軽々とジャンルを飛び越えてきたNOT WONKのサウンドは、2019年の『Down the Valley』でさらに大きく開花する。瑞々しさと激しさ、軽やかなタッチのシリアスさと重厚なユーモア、一見対立するようなテーマを1曲の中に両立させ、収録曲のスタイルは様々なのに1枚のアルバムとして違和感なくまとまっている。NOT WONKがいよいよ次のステージへ向かい始めたそのタイミングで、コロナによるロックダウンが始まった。

コロナ禍の1年半で音楽を取り巻く状況は大きく変化してしまった。ライブ活動の意味合いが大きいアーティストは足踏みを強いられた、それはNOT WONKも例外ではなかった。ライブのスケジュールも思うように組めず、東京の発売記念は延期となる中で4枚目のアルバムの制作が始まった。『dimen』は予算とスケジュールという大きな制約に縛られながら作られることになった。僕にとって、このアルバム全体に通底している感情は”苛立ち”だった。この時点で加藤が引き受けていたプレッシャーと不安は相当なものだったし、NOT WONKを取り巻く状況はかなり複雑なものになっていた。これまでで一番強く外的要因に押されてのアルバム制作だったことで、大事なものを見失いそうになりながら作業は進んだ。彼は自分の音楽の幅を広げ、これまでとは違ったやり方にチャレンジすることで乗り越える。できあがったアルバムには、彼自身が音楽に対して正直であるが故に隠しきれない感情が現れている、それがこれまでNOT WONKの作品にはなかった”苛立ち”と”不安”なんだと僕は思う。しかし、この作品で彼が獲得したシンガーとして、また作曲家としてのスキルはこれまで以上にミュージシャンとしてのレベルを押し上げることになった。

『dimen』のリリース後も、まだ加藤にはSADFRANKのアルバムを仕上げるという課題が残っていた。コロナ禍が終わり少しずつ日常が戻ってくる中、彼はソロとしてアルバムを完成させる必要があった。そのアルバム『gel』がようやくリリースされたのは2023年。アルバムは、その間の不安と葛藤の数年間を映しだしたようにとても内省的なものとなった。オーディエンスにとって難解だが、アルバム全体を包む緊張感と研ぎ澄まされた音は、シンガーとして、また楽器のプレイヤー、そして作曲家として加藤が導き出した成果だと言える。苦しい状況の中『dimen』と『gel』を作る過程で、加藤修平は音楽に対する解像度を高め、作曲のアイデアや選択肢の幅を広げ、さらに進むべき先を見出したように思える。それが新作に結実している。

新作『Bout Foreverness』のテーマはこの数年間の葛藤をどう乗り越えるか、ということだっただろう。さらにメンバーの脱退という大きな転換点を超え、自分達自身に向き合うことはバンドにとって音楽を取り戻す作業となったのではないだろうか。音楽を通して何かを伝えることはとても難しい。作り手自身ですら、どうしたら何かが宿るのかわからないまま作っているし、特別な響きを獲得しても、なぜそれができたかわからないことの方が多いはずだ。だからこそ正直さが大きな意味を持つ、しかし素直な気持ちでいることも簡単ではない。というか現代の日常生活をサバイブするためには、むしろいらないとされている。日々の生活の中で目につくあまりに多くの理不尽な事象にも僕たちは声をあげることなく暮らさなければならない。そんな状況を救うことできるのが音楽の魅力のはずだ。NOT WONKがどうやってこの風通しの良さを取り戻したのかはわからないが、ひとつ言えるのは自分達の音楽を待っているオーディエンスを信じることができたからだと思う。

アルバムを通して伝わる、自然な響きを湛えながらもシャープでクリアなサウンドは、まさに2015年からNOT WONKが求めてきた音だ。とても繊細な響きと力強さが同居し、嘆くことなく悲しみを讃えている。パンクではないがパンクがあり、インディーのさらにオルタナティブとして、ロック以外のビートを鳴らしながらNOT WONKのロックになる。少年期の終わりから始まったNOT WONKが大きな葛藤を乗り越え、『Bout Foreverness』に辿り着いた意味は大きい。このアルバムが作れたことで、彼等はさらにこの先の10年を進むことができるだろう。この苦しい時期を伴走したチームにも惜しみない拍手を送りたい。

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