最高に不謹慎で愛おしい『ディックス!! ザ・ミュージカル』主演「どんなにクレイジーでも意地悪なものにはしない」

第48回トロント国際映画祭にて会場を爆笑の渦に巻き込み、スタンディングオベーションののち⾒事ミッドナイト・マッドネス<観客賞>を受賞︕ 『グレイテスト・ショーマン』『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る愛に溢れた衝撃作であり、スタジオA24初のミュージカル『ディックス!! ザ・ミュージカル』が大ヒット上映中です。

<STORY>ニューヨークのトップ・セールスマンとして働くクレイグとトレヴァーは、女と権力が大好きなモテ男。新しい職場で出会った彼らは互いに敵意を抱くが、実は生き別れの双子だったことが判明する。そう、彼らが望む完璧な人生に足りないピースは、ただ一つ、完璧な家族だったのだ。二人は離婚した両親を復縁させようと企てるものの、彼らの親たちは複雑な事情を抱えていて……。

本作でトレヴァーとクレイグを演じた、アーロン・ジャクソンとジョシュ・シャープのお2人にお話を伺いました!

――とてもぶっ飛んだ作品で、楽しませていただきました。お2人はストーリーやプロットなどを最初に知った時、どの様な感想を抱きましたか?

アーロン:監督に対して、まず天才肌だなと感じましたね。髭とか髪とか見た目もすごくて。一方で、この企画に対してワクワクしていて、熱くて、僕たちをこう守ってくれる優しい方だなと思いました。

ジョシュ:たくさんの素敵なアイデアがある中で、家族をメインに、4人にフォーカスしようというところが利口だなと思ったし、彼(監督)が言っていてすごく納得したのは「暴走列車みたいな作品だから、その勢いを一度たりとも僕自身が疑ってはいけない」と。僕らが疑念を持ってしまったら、観客もついてこれなくなってしまうから、勢いのまま突っ走ることを大切にしていたんです。

――トレヴァーとクレイグを演じる上で何か意識したことはありますか?舞台版と映画版で意識的に変えたことがあれば教えてください。

アーロン:2人のキャラクター自体は(舞台版と)変わっていないと思います。撮影では限界突破をするために背中を押し合うところがあったかもしれない。アイデンティティが変わったわけではないのだけれど、よりバカバカしく、お互い「もっとやれよ」みたいな感じで演じていた結果ということはあるかもしれません。

ジョシュ:舞台版から違いは無いのだけれど、一瞬のネタというか何分かでやるのと90分の映画で見せるのでは少し違って、尺が長い分だ、もう少し立体的なキャラクター像にはしているかもしれない。もちろんバカバカしさが大事だからそれは失わない様にね。

――こうして一つの作品を一緒に作り上げているわけですが、お互いのこんなところが好きという所があれば教えてください。

ジョシュ:大親友と仕事を一緒にできるってのは本当に楽しいことなんだよね。どんなにクレイジーなことをしていても、その中に楽しさを忘れない。ポジティブで、決して意地悪なものにはしないという感性が2人とも似ているから、それがお互い一緒に仕事をして好きなところかな。

アーロン:全く一緒だよ。近くにいると思わず感染するような楽しいところが好きなんだ。

――本作での経験を今後どの様な所に活かしたいですか?演じてみたい役柄なども教えてください。

ジョシュ:自分の本能を信じるということが、これからも大事かなと思っていて。本作の様にこんなにクレイジーなアイデアでも、同じ方向を信じて人が集まってきてくれて、完成することが出来る。とにかく自分のやりたいことを信じて、いっちゃっていいんだと思えました。

アーロン:言葉に出来ないほど色々なことを学んだけれど、映画に出るということは、こうやって取材などをしてもらった時に、自分の思っていることを言語化する必要があるんだなということも知りました。今後やりたい役柄は…ホラー映画で、殺されてみたいです。

ジョシュ:それは見てみたいね!何なら僕がその殺す役をやりたいな。

アーロン:ホラー映画で最後まで生き残る役柄ってあると思うのだけど、あれには全然興味はないんだ。僕自身がホラーなシチュエーションの中で絶対最後まで生き延びられないと思うから。

――お2人は日本の作品も好きでいてくれているそうですね。

ジョシュ:東京のストリートファッションを発信しているSNSが大好きなんだ。遊び心があって、大胆で、すごく好きなんだ。あとは是枝裕和監督の『怪物』がすごく良かったです。『誰も知らない』とか『万引き一家』とかも観ていて好きだけれども、『怪物』が一番です。あとは「コンビニ人間」(村田沙耶香)という小説がすごく面白かったね。

アーロン:『コーヒーが冷めないうち』がすごく不思議な世界観で好きだったな。『怪物』はジョシュがおすすめしてくれたから観たいんだ。

ジョシュ:後で一緒に観ようね。あと『ゴジラ-1.0』も印象的でした。映画館に観に行った時に、ゴジラのおもちゃを持ってきていた観客が、エンドクレジットを終わったあたりに掲げて映写機の光を使ってスクリーンにシルエットでゴジラを作ったんだ。それがとても面白い経験だったよ。

――今日は楽しいお話をありがとうございました!

『ディックス!! ザ・ミュージカル』
製作:ピーター・チャーニン『グレイテスト・ショーマン』
監督:ラリー・チャールズ『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』
音楽:マリウス・デ・フリース『ラ・ラ・ランド』『ムーラン・ルージュ』
出演:ジョシュ・シャープ、アーロン・ジャクソン、ネイサン・レーン『ライオン・キング』、ボーウェン・ヤン、ミーガン・ジー・ス
タリオン
2023年 / アメリカ / 英語 / 86 分 / ビスタ / カラー / 5.1ch / 原題:DICKS:THE MUSICAL / R15+ /日本語字
幕:石田泰子 /
提供:トランスフォーマー+シネマライズ
配給:トランスフォーマー
公式X(旧Twitter):@dicks_movie
公式サイト:https://transformer.co.jp/m/dicksthemusical/
Instagram:@transformer_inc

  1. HOME
  2. ガジェ通
  3. 最高に不謹慎で愛おしい『ディックス!! ザ・ミュージカル』主演「どんなにクレイジーでも意地悪なものにはしない」

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。