【埼玉県上尾市】オンラインカウンセリング「マイシェルパ」導入で、妊産婦のうつ症状が改善
マイシェルパが提供するオンラインカウンセリングサービス「マイシェルパ」が、埼玉県上尾市で妊産婦とその家族向けに導入され、利用者のうつ症状改善に効果を上げているという。
上尾市の妊産婦とその家族に向けたサポート
妊娠中や産後の女性の約7人に1人がうつ症状を抱えていると報告されており(※)、周産期(妊娠22週から出生後7日未満までの期間)のメンタルヘルス支援の重要性が増しているという。
このような中、上尾市では、出産・子育て支援の強化を進め、身近で相談に応じる機会が以前より増えたことで、専門性の高い心理的サポートの必要性を感じていた。
そこで、対面よりも心理的ハードルが低く、特に体力的負担の大きい産後の女性でも気軽に自宅で受けられるオンラインカウンセリングサービスを検討し、「マイシェルパ」を2023年9月より導入した。
上尾市が市民に向けて提供するこのサービスは、妊産婦とその家族の精神的負担を軽減し、健康な出産と育児をサポートすることを目指している。
上尾市の健康福祉部健康増進課 主任保健師の甲斐谷聡美氏は、「マイシェルパ様から提供いただく相談履歴や母の状況等の情報を保健師に共有することで、保健師が母親と関わる際に、これまでの経過を踏まえた一貫性のある対応ができ、切れ目のない支援体制の構築に役立つサービスだと思います」と話している。
利用者のうつ症状の変化を定量的に測定
マイシェルパでは、導入効果を客観的に評価するため、利用者のうつ症状の変化を定量的に測定している。カウンセリングサービスの具体的なデータを公開する取り組みは、日本では珍しく、信頼性の高いサービス選択の基準となることを目指している。
うつ症状の重症度は、PHQ-9(Patient Health Questionnaire-9)で評価しており、スコア「10」を境に、中等度のうつ症状があるかどうかを判断する。PHQ-9とは、うつ症状の重症度を評価するための自己記入式の質問票で、9つの項目から構成され、各項目は過去2週間の気分や状態に関して4点スケール(0:全くない、1:数日、2:半分以上、3:ほとんど毎日)で評価。
合計スコアは最大27点で、高いほど重度のうつが示唆される。5〜9点が軽度、10〜14点が中等度、15〜19点がやや重度、20点以上は重度と評価。医療機関やメンタルヘルスケアの現場で広く使用されているという。
上尾市における「マイシェルパ」の効果
上尾市で導入された「マイシェルパ」では、妊産婦の幅広い相談内容に対し、臨床心理士または公認心理師による効果的なカウンセリングを行っている。
相談内容は、「子育ての悩み」「夫婦関係の悩み」「(理由のわからない)産後のメンタル不調」「義母との関係」「実家や義実家との関係」「住まいの不満」「保育所の待機」「外出の不安」「復職の不安」「子どもの病気」など多岐にわたり、様々な環境や要因が複雑に絡んでいるという。
2023年9月~2024年8月の期間に、上尾市で「マイシェルパ」を利用した人の平均利用回数は1人あたり3.9回。これは、対象期間中に利用を開始したばかりの利用者も含む。
この対象期間中の利用者の平均推移を見ると、1回目では中等度(10以上)であったスコアが、2回目以降に軽度(10未満)へと改善している。
平均スコアは、1回目11.9点(中等度)から2回目9.0点(軽度)、3回目6.3点(軽度)と、回を重ねるごとに症状の改善が確認されている。
また、個別事例として、1回目に20点(重度うつ症状)だったスコアが、3回目には7点(軽度)に改善している例もあったようだ。
今後の取り組み
マイシェルパと上尾市は、今後も連携しながら、妊産婦へのオンラインカウンセリングの認知拡大と利用促進を強化し、より多くの人に利用してもらえるよう努めるという。
また、上尾市で得られた知見を活かし、他の市区町村をはじめとする自治体への導入を加速させ、日本全体でのメンタルヘルスケア支援体制の充実を目指していくとしている。
自宅から簡単にアクセスができるオンラインカウンセリングサービス、「マイシェルパ」に注目してみては。
マイシェルパ サービスサイト:https://my-sherpa.jp
※:Tokumitsu et al., Ann Gen Psychiatry, 2020
(yukari)
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