プロの画家に教わる! ぺんてる「Art Multi8」でリンゴを描いてみた
ぺんてる「Art Multi8(アートマルチエイト)」は1本で8色を切り替えて使える便利なホルダー式色鉛筆。
新製品をさっそく入手。いざ使ってみようと思ったものの、色鉛筆画の描き方に不安が……。
そこで今回、プロの画家の小林聡一先生に色鉛筆画の描き方を伺いながら、この「Art Multi8」を使って、初心者でも描きやすい「リンゴの静物画」に挑戦してみました。
「Art Multi8(アートマルチエイト)」とは?
1986年発売のロングセラーブランド「Multi8」が、スケッチやイラスト用の「Art Multi8」として新登場。2mmの色芯を8本内蔵したホルダー式色鉛筆で、携帯性に優れ、透明なクリアボディが特徴です。
「Art Multi8」は、赤、青、茶、橙、黄、黄緑、スカイブルー、ピンクの8色を切り替えて使える便利なホルダー式色鉛筆。
透明なボディデザインで、内蔵された芯の色を直感的に確認でき、スムーズに切り替えが可能。軽量設計のため、持ち運びにも適しており、初心者からプロまで幅広く活用できます。
単品の他に、スケッチ・イラストの表現の幅が広がるセットも。セットにはArt Multi8のほか、12色の替芯(内蔵芯8色+黒、緑、ペールオレンジ、紫の4色)各1本と、細かなタッチで描きたいときに便利な削り器を付属。
「Art Multi8(アートマルチエイト)」を使って、実際にリンゴを描いてみた
(1) 下書き
鉛筆でリンゴの形をざっくりスケッチ。全体のバランスや大きさを確認。うす~く描いておくのがコツ。
(2) 黄色でベースを塗る
最初は黄色で下地づくり。黄色を使って着色していきます。描いている途中、濃度の調整がうまくいかず、少し失敗してしまったのですが、ツルッとした紙だったので、消しゴムで消すこともできました。発見。
小林先生アドバイス:「一番最初は、果物の実の色をベースに塗っていくのがオススメです」
(3) オレンジ色で濃淡をつける
オレンジ色を重ねて立体感を出していきます。影になる部分を意識。
(4) 赤色でメインカラーを入れる
濃淡を意識しながら、鮮やかな赤色でリンゴらしさを表現。
小林先生アドバイス:「色鉛筆や鉛筆画は根気が必要ですが、塗り重ねて層に厚みを出していくと、美しく仕上がります。塗り重ねるのが大事。」
(5) 茶色で軸を描く
軸部分を描き込みます。
小林先生アドバイス:「軸部分を気にしがちですが、軸のあるところの凹んでいるところなどの立体感を、色を使って、特に描きこんでいきしょう。」
(6) 紫色で影をつける
替え芯を入れ替えて紫色を追加。最後に紫色で影を描き、全体を引き締めます。
小林先生アドバイス:「基本のセット以外の色を使ってみたいのであれば、黄色と紫は補色なので、影の部分に紫をいれていくと綺麗に仕上がりますよ。紫以外であれば寒色でも影の部分の表現に使えます。塗り重ねて深みを出していくので、黒は使いません。」
(7) 電動消しゴムでハイライトを入れる
最後に光の反射を表現して、仕上げ。普通に消しゴムでもよかったのですが、電動消しゴムを最近買ってみたので、ちょっと使ってみました。
今回、色鉛筆の作業工程を残すため、一部分は描きこまずに仕上げてみました。
使ってみた感想
色鉛筆はケースとともに持ち歩くとかさばってしまうので、とにかく、1本で8色を切り替えられる手軽さが便利。筆箱に1本忍ばせておけば、気軽にスケッチできるのが嬉しい。芯が柔らかく、滑らかな描き心地で濃淡を重ねやすい印象です。紙質にもよると思うのですが、けっこう消しゴムで消えたので、濃淡も出しやすかったです。
色鉛筆は削るを失敗して芯をおってしまうこともあるのですが、シャーペンと同じように芯だけなので、削って無駄にすることがないのも便利。
色鉛筆画のコツを画家に聞いてみた
色鉛筆画のコツを画家の小林先生に聞いてみました。
Q.果物の色鉛筆画の描き方のコツは?
小林聡一先生:「下地としてその果物の実の色をベースに描き始めるのがオススメです。黄色はよく使います。」
Q.色鉛筆の場合、ほかにどんな題材が描きやすかったりでしょうか。
小林聡一先生:「静物であれば、ボリュームの質感が出しやすいものが描きやすいです。果物は題材として描きやすいですね。その他に、描いたあとで食べれるのでフランスパンなどを描くのも人気がありますね。風景も人気の題材です。」
Q.色鉛筆画のコツを教えてください。
小林聡一先生:「色鉛筆画は、色を塗り重ねて層にしていくので、色を重ねることが大事です。根気よく描けば綺麗に仕上がりますよ。消しゴムでも消えるとのことだったので、もし間違えてしまっても、また薄くして重ねて描いていけますね。」
Q.写真のような写実的な絵はどうやって描けばいいでしょうか?
小林聡一先生:「写真のような絵を描くには、色数が必要なので、今回のような『Art Multi8(アートマルチエイト)』を使う場合は、色鉛筆の温かみのある作品に仕上げる方がオススメです。
色数はあえて絞ってみるのも楽しいですよ。軽量なので、スケッチにも良さそうですね。」
ーーー ありがとうございました!
公式サイト
https://www.pentel.co.jp/products/mechanicalpencil/artmulti8/
製品詳細情報
・Art Multi8 単品 2,750円(税込)
内蔵芯:赤、青、茶、橙、黄、黄緑、スカイブルー、ピンク
・Art Multi8 セット 4,180円(税込)
Art Multi8本体+替芯12色(赤、青、茶、橙、黄、黄緑、スカイブルー、ピンク、黒、緑、
ペールオレンジ、紫)各1本+削り器<Multi8専用替芯>
・色芯:赤、青、茶、橙、黄、黄緑、スカイブルー、ピンク、黒、緑、ペールオレンジ、紫、
PPCノンコピー(水色) 各110円(税込)
・鉛筆芯:HB 110円(税込)
・色芯(蛍光色):イエロー・ピンク 各165円(税込)
・油性ボールペン芯:黒、赤、青 各165円(税込)
※色芯・鉛筆芯は2本入り、油性ボールペン芯は1本入り
画家 小林聡一 先生
イタリア・フィレンツェにてバロック絵画の明暗法および19世紀のアカデミズム絵画の基礎であるシャルルバルグのデッサンを基に油彩画の古典絵画の技法を学ぶ。
現在、全国のデパートや画廊にて作品を発表。また雅号「禊月」の名でペン画を制作活動している。https://soichi-keigetu.com/[リンク]
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